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18トリソミー

(エドワーズ症候群;Eトリソミー)

執筆者:

Nina N. Powell-Hamilton

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

医学的にレビューされた 2020年 7月
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本ページのリソース

18トリソミーは、余分な18番染色体によって引き起こされる染色体異常症の一種で、知的障害と様々な身体的異常がみられます。

  • 18トリソミーは、18番染色体が余分にあることで発生します。

  • この症候群の乳児は、典型的には体格が小さく、多くの身体的異常と内臓の機能障害がみられます。

  • 診断を確定するための検査は、出生前でも出生後にも行えます。

  • 18トリソミーには治療法がありません。

染色体 染色体 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む 染色体 は、細胞の中にあって DNA DNA 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む DNA や多くの遺伝子が格納されている構造体です。遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としてはDNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体 遺伝子と染色体 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む 遺伝子と染色体 )。遺伝子には、体がどのように機能するかを定めた詳細な指示が記録されています。

ある染色体が1本余分に存在し、(正常の2本ではなく)計3本になった状態をトリソミーといいます(染色体異常症と遺伝子疾患の概要 染色体異常症と遺伝子疾患の概要 染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としては DNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体)。 人間の正常な細胞は、精子と卵子を除いて、いずれも23対、計46本の染色体をもっていま... さらに読む )。18トリソミーの小児は、3本目の18番染色体をもっています。18トリソミーは、米国では出生児6000人当たりおよそ1人の割合で発生しています。しかし、この病気をもつ胎児の多くは自然 流産 流産 流産とは、妊娠20週までに人為的でない原因によって胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む になります。余分な染色体は、ほぼ常に母親から受け継がれます。35歳以上の女性では、18トリソミーの子どもができるリスクが高くなります。18トリソミーは男児より女児に多くみられます。

症状

この症候群の胎児は、子宮内での動きがあまり活発でないのが一般的で、羊水が過剰で胎盤が小さいことが多いです。

身体的異常

出生時には、しばしば体格が小さく、これは筋肉や体脂肪の発達が良好でないからです。典型的には、ぐったりとしていて、弱々しい声で泣きます。口とあごが小さいことがあり、そのため、やつれたような表情に見えることがあります。そのほかの目に見える異常として、小さな頭、低い位置に付いた異常な形の耳、狭い骨盤、短い胸骨などがよくみられます。出生時から身体的な異常が明らかである場合もあります。一方で、新生児の時点では異常があまり重度ではない場合もあります。

18トリソミーでみられる身体的異常

よくみられる内反足

よくみられる内反足

体内の異常

内臓にも異常があります。心臓、肺、消化管、腎臓には、重度の異常がみられることがあります。男児では、 停留精巣 停留精巣 停留精巣(潜在精巣)とは、陰嚢(いんのう)の中に下りてくるはずの精巣が腹部にとどまったままになっている状態です。移動性精巣(遊走精巣)とは、精巣が陰嚢の中まで下りてきているにもかかわらず、刺激に反応して容易に鼠径管(そけいかん)の中に戻ってしまう(移動する)ことです。 胎児では精巣は腹部の中で発育します。精巣が発育した後、一般的には出生前(通常は第3トリメスター[訳注:日本のほぼ妊娠後期に相当])に腹部から会陰部へとつながる管(鼠径管)... さらに読む  停留精巣 がみられることがあります。腹壁に ヘルニア 腹壁ヘルニア 腹壁ヘルニアは、腹壁の開口部や弱くなった部分に、腹腔の内容物が突出することによって生じます。 腹壁ヘルニアによって顕著な膨らみが生じますが、不快感はほとんどありません。 診断は身体診察のほか、ときに超音波検査またはCT(コンピュータ断層撮影)検査によって下されます。 治療としてはヘルニアを修復するための手術が行われます。 ( 消化管救急疾患の概要も参照のこと。) さらに読む 腹壁ヘルニア や筋肉の離開がみられることもあります。

診断

  • 出生前:胎児の超音波検査または母親の血液検査

  • 絨毛採取、羊水穿刺、またはその両方

  • 出生後:乳児の外見と乳児の血液検査

出生前の段階では、 胎児の超音波検査 超音波検査 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む で認められた異常から、18トリソミーが疑われることがあります。母親の血液中に含まれる胎児のDNAを検出する検査を行うこともでき、そのDNAを分析して、18トリソミーのリスクが高いかどうかを判断することもできます。この検査は非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)やセルフリー胎児DNA検査と呼ばれています。これらの検査の結果から18トリソミーが疑われたら、多くの場合、 絨毛採取 絨毛採取 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む 羊水穿刺 羊水穿刺 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む 、またはその両方を行って診断を確定します( 染色体異常と遺伝子異常の検査 染色体異常と遺伝子異常の検査 染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としては DNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体)。 人間の正常な細胞は、精子と卵子を除いて、いずれも23対、計46本の染色体をもっていま... さらに読む )。

出生後には、乳児の身体的な外見から18トリソミーの診断が示唆されることがあります。18トリソミーの診断を確定するには、血液検査を行って、乳児の染色体を分析します。

予後(経過の見通し)と治療

  • 家族に対する支援

18トリソミーに対する特別な治療法はありません。約半数の患児が生後1週間以内に死亡し、1歳になるまで生存できる患児はわずか5~10%です。しかし最近では、18トリソミーの小児の生存期間は延びています。このような生存児では、特定のがん(ある種の肝臓がん[ 肝芽腫 肝芽腫 原発性肝臓がんとは、肝臓から発生するがんのことです。最もよくみられる原発性肝臓がんは 肝細胞がんです。肝臓がんの初期には、通常は漠然とした症状(体重減少、食欲不振、疲労など)しかみられません。そのために診断が遅れることがよくあり、多くの場合、予後(経過の見通し)は不良です。 ( 肝腫瘍の概要も参照のこと。) その他の原発性肝臓がんはまれです。診断には通常、 生検が必要です。この種のがんを発症した人の予後(経過の見込み)は、ほとんどの場合... さらに読む ]や腎臓がん[ ウィルムス腫瘍 ウィルムス腫瘍 ウィルムス腫瘍は、主に幼児に発生する特殊な種類の腎臓がんです。 ウィルムス腫瘍の原因は不明ですが、この腫瘍の発生リスクを高める遺伝子異常があると考えられる小児もいます。 通常は腹部にしこりがあり、さらに腹痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐がみられることがあります。 画像検査により、しこりの性質と大きさが調べられます。 治療では、手術、化学療法、ときには放射線療法が行われます。 さらに読む ]など)を発生リスクが高くなります。それらのがんの発見に役立てるために、医師は定期的な血液検査や腹部と腎臓の超音波検査を勧めることがあります。

その後も生存する患児には、重度の発達の遅れと重度の障害がみられます。家族は支援を求めるべきです。

さらなる情報

役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  • 18トリソミー財団(Trisomy 18 Foundation):擁護、教育、支援、一般人の意識向上のためのプログラムやサービスを掲載

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