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新生児の身体診察

執筆者:

Deborah M. Consolini

, MD, Sidney Kimmel Medical College of Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2017年 4月
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医師は普通は生後24時間以内に、新生児を総合的に診察します。診察は、まず体重身長頭囲などの測定から始めます。新生児の平均出生体重は約3000グラム、平均出生身長は約50センチメートルですが、正常と考えられる範囲には大きな幅があります。それから新生児の皮膚、頭頸部、心臓と肺、腹部と性器を調べ、神経系と反射を評価します。また、身体診察では見つけられない異常を見つけるため、通常、スクリーニング検査を行います( 新生児スクリーニング検査)。

皮膚

医師は皮膚を調べ、特に皮膚の色に注意を払います。新生児の皮膚は普通赤みを帯びていますが、手や足の指は最初の数時間は血行が不十分なため青みがかっていることが一般的です。分娩中に強く圧迫された部分に赤紫色の斑点(点状出血)がときにみられます。しかし、体全体にみられる点状出血は、何か病気がある徴候です。数日のうちに、乾燥や落屑(らくせつ)が生じることが多く、特に手首や足首のしわの部分によくみられます。

多くの新生児で、生後約24時間に発疹が現れます。この発疹は中毒性紅斑といい、平たく赤い斑点で通常、にきびに似た白い隆起が中央にあります。中毒性紅斑は害がなく、7日から14日で消えます。

頭頸部

医師は新生児の頭頸部と顔を診察して何か異常がないか探します。分娩中に起こる異常もあれば、 先天異常に由来するものもあります。

正常頭位分娩、つまり頭から先に出た新生児は、数日間は頭の形が少しゆがんでいることがあります。これは頭蓋(とうがい)を形成している骨が重なり合っているためですが、この仕組みにより分娩時に頭が圧縮されても大丈夫なのです。頭皮に腫れや皮下出血もみられることもあります。ときに頭蓋の骨の1つから出血してその上の皮膚に小さいこぶをつくることがありますが、これは数カ月で消えます(頭血腫といいます)。新生児が殿部、性器、脚側から先に生まれた(骨盤位分娩)場合、通常頭のゆがみはみられません。しかし、殿部、性器、脚に腫れや皮下出血がみられることがあります。今は、骨盤位分娩を避けるようになっています。骨盤位の場合、胎児に及ぶ危険性を最小限にするため、帝王切開術(妊婦の腹部と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術)が通常勧められます。

経腟(けいちつ)分娩時に受けた圧迫のために、新生児の顔面に皮下出血ができる場合があります。また、産道を通る際の圧迫で、新生児の顔が最初はゆがんで非対称になっていることもあります。この顔面の非対称は、分娩時に顔面の筋肉を支配している神経の一部が障害を受けたことが原因で起こる場合もあります。これらは、生後数週間のうちに徐々に回復します。

分娩の経過により、新生児の目に結膜下出血(眼の表面にある血管の破れ)が起こることもあります。結膜下出血はよくみられ、治療の必要はなく、一般的には2週間以内に消えます。

また、耳を調べ、特に形と位置が正常かに注意を払います。例えば、位置が低い場合や形に異常がある場合は、遺伝性の病気難聴があるかもしれません。

さらに口に異常がないか調べます。 ときに出生時にもう歯が生えていて抜歯しなければいけない場合や、口唇裂口蓋裂がみられる場合があります。新生児にエプーリス(歯肉の良性腫瘍)がないか調べますが、これはエプーリスによって母乳や人工乳を飲みにくくなったり、気道が閉塞されたりすることがあるためです。

頸部に腫れ、かたまりやねじれ、筋肉のけいれんがないか調べます。

心臓と肺

心臓の先天異常も参照のこと。)

医師は聴診器で心臓と肺に異常がないかどうかを調べます。聴診器で心雑音や肺うっ血などの異常な音を聴くことができます。また、新生児の皮膚の色を観察します。顔と体幹の色が青い場合、心臓または肺の先天性の病気の徴候であることがあります。脈拍の数とその強さも調べます。新生児の呼吸状態を観察し、1分間の呼吸回数を数えます。呼吸とともにうめき声が聞こえるもしくは鼻の穴が大きく広がる、また、呼吸が早すぎるもしくは遅すぎるという徴候は、何か問題があることを示すものです。

腹部と性器

医師は新生児の腹部全体の形を調べ、同様に、腎臓や肝臓、脾臓などの内臓の大きさ、形、位置もチェックします。腎臓が大きい場合、尿の流出が妨げられている場合があります。

新生児の性器も調べ、尿道がきちんと開いて適当な位置にあるかどうかをみます。 また、男性の性器か女性の性器かはっきりと区別できるか確かめます。男児の場合、精巣が陰嚢の中におさまっていなくてはなりません。女児の場合、陰唇が目立ちますが、これは母親の胎内でホルモンにさらされたために腫れたもので、数週間続きます。腟から血液と粘液を含む分泌物がみられますがこれは正常です。肛門についても位置が正常か、排便のための穴がきちんと開いているかどうかを調べます。

神経系

脳または脊髄の先天異常も参照のこと。)

医師は新生児の意識レベル、筋肉の緊張度、腕と脚を左右同じように動かせるかを観察します。左右差のある動きは、神経の異常(神経麻痺)の徴候である可能性があります。

医師は様々な手技で新生児の反射を調べます。新生児にとって最も重要な反射は、モロー反射、探索反射、吸啜(きゅうてつ)反射です。

新生児でよくみられる3つの反射

モロー反射は、新生児がびっくりしたときに、泣きながら指を開いた状態で腕を投げ出すように左右に広げ、脚を引き上げる反応です。

探索反射は、口や口唇の片側をさわられると頭がさわられた方に向き、口を開ける反応です。この反射により新生児は乳首を見つけることができます。

吸啜反射は、口の中にもの(おしゃぶりなど)を入れられるとすぐにそれを吸い始める反応です。

筋肉と骨

新生児の腕、脚、股関節の柔軟性と動きを調べ、分娩中に骨折していないか(特に鎖骨)、四肢の変形や欠損がないか、さらに股関節脱臼がないかどうかも確認します。

脊椎の欠損や変形がないかも調べます(二分脊椎など)。

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