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青年の発達

執筆者:

Evan G. Graber

, DO, Sydney Kimmel Medical College

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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青年期に小児は若い成人になります。身体的知的精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る舞う時間が増え、小児のように振る舞う時間が減ります。

青年期に、自分がどのような人間であるかを認識し、家族以外の人々と親密な関係を築くことを学びます。この複雑な発達段階にいる青年を導くことが、親にとって非常に困難な課題となることがあります。青年の間で危険を顧みない行動(暴力行為大量飲酒など)はよくあることであり、重い健康被害が生じるリスクをはらんでいます。健康に害を与える喫煙薬物使用などの行為は、その後の人生に深刻な問題を引き起こすものですが、このような行為もたいてい青年期に始まります。

青年期の問題も参照のこと。)

知能と行動の発達

青年期の初期に、小児の抽象的、論理的な思考能力が発達し始めます。このような洗練された思考力が増すと自己認識がいっそう進み、自己の存在についてじっくり考えるようになります。青年期に起こる多くの目につきやすい身体的変化のために、この自己認識はしばしば、ぎこちなさの感情を伴った自意識へと変化することがあります。青年期の若者は、容姿や人目を引くことに夢中になったり、仲間との相違点に敏感になったりします。

青年期の中期には、将来の職業を決めなければならないという重圧が増えてきます。明確な目標をもたない若者がほとんどですが、次第に自分の興味や才能に合った分野に気づき始めます。親は青年期の小児のもつ能力に気づいて、小児が現実的な目標を設定できるように手助けしなければなりません。また、親には学習障害注意障害行動面の問題、不適切な学習環境など、修正すべき学習の妨げを見つけ出す心構えも必要です。

青年は新しく身につけた熟考する力で道徳的な問題に向き合うようになります。青年期以前の小児は、善悪を固定的で絶対的なものとして理解しています。青年期も半ばを過ぎると行動規範に疑問を抱くようになり、伝統を否定し親を驚かせることもあります。このような熟考から青年自身の道徳律を発達させ、内在化していくことが理想的です。

多くの青年は、違反スピードで運転するなどといった危険な行動を行うようになります。青年期になると性的な行動を試みる者が増え始めます。なかには危険を伴う性行為に関わる場合もあります。窃盗、飲酒、薬物使用などの不法行為に手を染める青年もいるでしょう。このような行動が起こるのは、家庭からの巣立ちを前にして、青年が自分の能力を過大評価しがちなことに起因する部分があると専門家は考えています。神経系に関する最近の研究でも、衝動を抑制する脳の一部は成人期の初期にならないと完全に成熟しないことが示されています。

情緒の発達

青年期には、情緒を制御する脳の領域が発達し成熟します。この時期は、突発的に見える感情の爆発が特徴であり、これはしばしば矛先となる親や教師にとって困難な問題になることもあります。青年は次第に不適切な思考や行為を抑制し、目的のはっきりした行動へ変えることができるようになります。

多くの対立は、自由をさらに求める青年の標準的な欲求と自分の子どもを害から守ろうとする親の本能との衝突です。多方面に成長していこうとすることで欲求不満になることがよくあります。親と青年が親子関係を再調整しようとしても、コミュニケーションが困難なことがあります。家族が他のストレスに直面していたり、青年にまだしつけが必要なことから親自身が情緒的な問題を抱えているときには、こういった問題はすべて悪化します。医師は、青年と親に良識的、実践的、協力的なアドバイスをして、コミュニケーションのきっかけを作ることもできます。

社会的発達と心理的発達

小児期の社会生活の中心は家庭です。青年期には、家庭に代わり、友人グループが社会生活の中心になり始めます。このグループは、服装、容姿、態度、趣味、関心事の特徴や、部外者には理解しがたく、ささいなものにみえるその他の特徴から形成されます。このようなグループは、青年期の初期には同性だけで構成されていることが多いのですが、青年期の後期になるとたいてい男女混成になります。また、青年の不確かな選択に正当性を与え、ストレスの多い状況を支えてくれるため、青年にとって重要な存在となります。

友人グループがないと感じる青年は、自分が人と違っているという感情や、疎外されているという感情を強くもつようです。このような感情がずっと影響することはあまりありませんが、社会秩序を乱す行動や反社会的行動を起こす可能性を高めるかもしれません。これとは対照的に、青年にとって友人グループの重要性が大きくなりすぎて、反社会的行動に至ることもあります。友人グループから求められる社会秩序を乱す行動をさせないだけの力が家庭や社会環境にない場合、不良グループの一員となることもあります。

医師は、うつ病双極性障害不安症といった精神障害のスクリーニングを、青年すべてに実施するとよいでしょう。人生のこの時期に、精神障害の発症が増え、自殺を考えたり自殺を試みたりすることもあります。まれな病気ですが、統合失調症のような精神病性障害の多くが、青年期の後期に発生します。神経性やせ症神経性過食症などの摂食障害は青年期の女子に比較的多く、自分の行動や体重の変化を隠すためにはどんな苦労も惜しまないため、見つけ出すのは難しいかもしれません。

物質使用は青年期に始まるのが典型的です。米国の青年の70%以上に高校卒業前の飲酒経験があります。大量飲酒がよくみられ、急性および慢性の健康上のリスクにつながります。研究では、飲酒開始年齢が低い青年は、成人になってアルコール使用障害を発症する可能性が高いことが示されています。例えば、13歳から飲酒を始めた青年がアルコール使用障害を発症する確率は、21歳で飲酒を始めた場合の5倍です。米国の青年では、高校時代に約50%が喫煙を、40%以上がマリファナを試しています。はるかに少ないですが、鎮痛薬および刺激薬などの処方薬の乱用が増えています。

親がよい見本となり(適度な飲酒、違法薬物を使用しないなど)、小児と価値観を共有し、薬物に近寄らないよう小児に強く期待すれば、親は子どもに良い影響を強く及ぼすことができます。また、処方薬は医師の指示通りにしか服用してはならないことも、親は子どもに教えなければなりません。青年期には、全員がプライバシーを十分に確保した上で、物質使用に関するスクリーニング検査を受けるとよいでしょう。非常に短い期間でも、医師や医療従事者による介入があれば、青年期の物質使用が減少することが示されているため、日常診療の一部として適切なアドバイスを受けられるようにすべきです。

セクシュアリティの発達

性的成熟の開始(思春期)は、通常、体の性的な仕組みに興味をもつことから始まりますが、それが不安の原因になることもあります。青年期に情緒的にも性的にも成熟していくのに従って、性行動を始めることがあります。自慰は女子でもよくみられますが、男子ではほぼ全員が行っています。パートナーと性行動を試そうとする場合、まず相手の体を触ること、すなわちペッティングから始まることが多く、ここからオーラルセックスや腟への挿入のある性交、肛門性交へと進むことがあります。青年期の後期までに、セクシュアリティは性的な冒険という意味合いから、親密さや共感を表す行為へと変化していきます。日常診療の一部として医師は安全な性行為について適切なアドバイスを行い、性的に活動的な青年すべてに対して性感染症のスクリーニング検査を行うとよいでしょう。

青年の中には性的アイデンティティの問題に苦しんでいる者もいます。同性愛関係を模索していても、最終的に同性との関係への関心を継続しなくなる青年が多い一方で、異性との関係にまったく関心をもつことのない青年もいます。 同性愛は人間のセクシュアリティの正常なタイプであり、病気ではありません。なぜ同性愛的な感情が生まれるのか確かなことは分かっていませんが、同性愛は青年が仲間やメディアから学ぶものでも、課外活動や職業を選ぶのと同じように選択するものでもないと専門家は考えています。

同性愛の青年は、セクシュアリティが発達するに従って、特有の問題に直面することがあります。青年が同性愛的な欲求を公にすると、家族や仲間に嫌がられているように感じたり、家族や仲間から受け入れられないと感じることもあります。このような圧力から(特に社会に受け入れられることが非常に重要な時期には)、重いストレスが生じることがあります。両親に見捨てられるかもしれない(これは現実に起こることがあります)というおそれから、青年は親に自分を偽って伝えたり、嘘をつかないまでもすべてを伝えなかったりすることがあるでしょう。また、このような青年は、仲間に馬鹿にされたりいじめられたりしかねません。身体的な暴力による脅威がある場合は深刻に受け止めて、学校の関係者に報告しなくてはなりません。情緒面での発達では、同性愛の青年の場合も異性愛の青年の場合も、友達や家族の支えが一番の助けとなります。

人間の経験の中で、セクシュアリティほど身体的、知的、情緒的部分などすべてが組み合わさって起こることはほかにありません。道徳的観点や家族形成といったことも含めて、青年のセクシュアリティが健康的な状況で行われるようにすることが極めて重要です。親は青年期の子どもには素直に価値観と期待を伝えるとよいでしょう。

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