毎年1回の健診(小児健診)を受けることにより、医師や医療従事者による 身体的成長 身体的成長 青年期(通常は10歳~10代後半または20代前半)に、男児と女児は成人の身長と体重に達し、性的成熟を遂げます( 思春期)。このような変化の起こる時期やその速さは人によって様々で、遺伝と環境の両方の影響を受けます。 ( 小児健診による健康指導も参照のこと。) 2歳以上の小児を対象とした身長と体重の成長曲線については、米国疾病予防管理センター(CDC)が提供する成長曲線を参照してください。... さらに読む と 性的成熟 性的成熟(思春期) 青年期(通常は10歳~10代後半または20代前半)に、男児と女児は成人の身長と体重に達し、性的成熟を遂げます( 思春期)。このような変化の起こる時期やその速さは人によって様々で、遺伝と環境の両方の影響を受けます。 ( 小児健診による健康指導も参照のこと。) 2歳以上の小児を対象とした身長と体重の成長曲線については、米国疾病予防管理センター(CDC)が提供する成長曲線を参照してください。... さらに読む (思春期)の継続的なモニタリングのほか、アドバイスとカウンセリングを受けることができます。青年に対する毎年1回の健診は11歳から開始し21歳頃まで続きます。
定期的な健診では、予防接種記録の確認と、接種が推奨されるワクチンの投与なども行われます(小児期の予防接種スケジュール 小児期の予防接種スケジュール 米国では、ほとんどの医師は米国疾病予防管理センター(CDC—乳児・小児用スケジュール[schedule for infants and children]および年長児・青年用スケジュール[schedule for older children and adolescents]を参照)が推奨している予防接種スケジュールに基づいて予防接種を行っており、このスケジュールは病院の新生児室で行われる... さらに読む )。
医師がスポーツ、芸術、社会奉仕への参加などの活動を勧めることもあるでしょう。たいていの医師は青年のプライバシーを重んじて問診や検査を行いますが、親に参加してもらって親の心配を子どもに伝えたり、診察の始めか終わりに親自身へのカウンセリングや指導を行ったりすることもあります。
(青年の発達 青年の発達 青年期に小児は若い成人になります。 身体的、 知的、 精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る舞う時間が増え、小児のように振る舞う時間が減ります。... さらに読む および 青年期の問題 青年期の問題に関する序 ほとんどの小児にとって、青年期は身体的な健康状態が良好な期間です。青年で最もよくみられる問題は、以下のものと関連しています。 成長と発達 学校 青年期まで持続した小児期の病気 精神障害 さらに読む も参照のこと。)
診察
青年の毎年1回の健診では必ず身長、体重、血圧を測ります。続いて、医師は全身の診察を行います。青年期に入ったら、体の特定の部位を詳しく診察する必要があります。例えば、にきびのチェックのための皮膚の診察、性的成熟の程度の評価、 脊柱側弯症の診察 診断 脊柱側弯症とは脊柱が異常に曲がった状態です。 脊柱側弯症は生まれつきみられることも、青年期に発生することもあります。 軽症であれば軽度の不快感しか起こらないこともありますが、重症では慢性的な痛みをおぼえたり、内臓に影響したりする場合があります。 診断は診察とX線検査の結果に基づいて下されます。 すべての脊柱側弯症が悪化するわけではありませんが、悪化がみられる場合は、重度の変形を防ぐためにできるだけ早く治療しなくてはなりません。 さらに読む が青年期では特に重要です。
青年期女子が性的に活動的になった場合、 内診 内診 婦人科の診療では、性生活、避妊、妊娠、更年期に関する問題などのデリケートな事柄を扱うため、こうした内容について気兼ねなく相談できる専門家を選んでおくべきです。米国では、医師、助産師、ナースプラクティショナー、医師助手などが受診先となっています。 婦人科の評価には 婦人科の病歴聴取および婦人科の診察が含まれます。 婦人科の診察とは具体的には女性の生殖器系の診察を指しますが、婦人科を受診した際に医師(またはその他の医療従事者)は、より一般的... さらに読む と 子宮頸部細胞診 子宮頸がんのスクリーニング検査 医師は、 スクリーニング検査を勧めることがあります。スクリーニング検査とは、症状がない人に対して病気の有無を調べるために行われる検査です。女性に生殖器系に関連する症状(婦人科疾患の症状)がある場合、症状を引き起こしている病気を特定するための検査(診断目的の検査)が必要になることがあります。 婦人科領域では以下の2つのスクリーニング検査が重要です。 子宮頸がん(子宮の下部のがん)の有無を調べるためのパパニコロウ検査のような細胞診... さらに読む を行う必要があります。医師が 乳房自己検診 乳房の診察 乳房の病気には、良性のもの(がんではない)もあれば、悪性(がん)のものもあります。ほとんどは良性で、生命を脅かすものではありません。多くは治療を必要としません。一方、 乳がんの場合は乳房を失ったり、命を落としたりすることもあります。そのため多くの女性が乳がんを最も怖い病気だと考えています。しかし、定期的に自己検診を行い、定期的に主治医の診... さらに読む について女子に指導することもあります。
年長の青年期男子には精巣の腫瘤、すべての年齢の男子には 鼠径ヘルニア 診断 鼠径ヘルニアとは、太ももの付け根(鼠径部)にある腹壁の開口部から、腸管や他の腹部臓器の一部が突出した状態のことをいいます。 鼠径部または陰嚢(いんのう)に痛みのない膨らみができます。 診断にはCT(コンピュータ断層撮影)検査または超音波検査を使用できます。 女性の場合、症状がある場合、または絞扼(こうやく)や嵌頓(かんとん)がみられる場合は、手術が行われます。 ( 腹壁ヘルニアも参昭のこと。) さらに読む がないか調べます。また、腫瘤を見つけるための 精巣の自己検診法 症状 精巣腫瘍は若い男性によくみられますが、通常は治癒させることが可能です。 通常は痛みのないしこりができます。 超音波検査と血液検査を実施します。 精巣を除去し、放射線療法または化学療法を行う場合や、さらに手術を行う場合があります。 精巣腫瘍の多くは40歳未満の男性に発生します。この腫瘍は若い男性に多い悪性腫瘍の1つで、毎年約9600人の男性に発生し、約410人が死亡しています。精巣に多くみられる悪性腫瘍には、セミノーマ(精上皮腫)、奇形腫... さらに読む
を教えることもあります。
スクリーニング
血中コレステロール値の検査 脂質の測定 血液中にみられる重要な脂肪(脂質)には以下のものがあります。 コレステロール 中性脂肪(トリグリセリド) コレステロールは、細胞膜や脳と神経の細胞に必須の成分であるほか、脂肪と脂溶性ビタミンの吸収を助ける胆汁にも不可欠な物質です。体はコレステロールを使って、エストロゲン、テストステロン、コルチゾールなどの様々なホルモンやビタミンDをつくり... さらに読む を、9歳と11歳の間の小児すべてに行い、17歳と21歳の間のすべての青年に対して1回以上行う必要があります。肥満の青年やコレステロール値が高くなる家系の青年には、もっと頻繁に検査を行います。
結核菌にさらされたことのある青年や、結核の家族がいる青年、親が新規の移民である場合や親が最近収監されていた場合、結核の流行地域に旅行したことがあるかそのような地域で出生した青年には、 結核の検査 結核のスクリーニング検査 結核は、空気感染する細菌である結核菌 Mycobacterium tuberculosisによって引き起こされる、感染力の強い慢性感染症です。通常は肺が侵されます。 結核に感染するのは、主に活動性結核の患者によって汚染された空気を吸い込んだ場合です。 最もよくみられる症状はせきですが、発熱や寝汗、体重減少、体調不良を感じるこ... さらに読む を行うとよいでしょう。
性的に活動的な青年では、一般的な 性感染症(STD) 性感染症(STD)の概要 性感染症(性病)とは、例外はあるものの、一般的には性的接触によって人から人に感染する病気のことです。 性感染症を引き起こす病原体の種類としては、細菌、ウイルス、原虫などがあります。 キスや濃厚な体の接触を介して広がる感染症もあります。 感染が体の他の部分に広がり、ときには深刻な結果に至る場合もあります。... さらに読む に対するスクリーニング検査が行われることもあります。スクリーニング検査では 淋菌 淋菌感染症のスクリーニング 淋菌感染症(淋疾、淋病)は淋菌 Neisseria gonorrhoeaeという細菌による性感染症で、尿道、子宮頸部、直腸、のどなどの粘膜や、眼の前部を覆う膜(結膜と角膜)を侵します。 通常は性的接触により感染します。 通常は、陰茎や腟から分泌物が生じたり、頻尿になったり、急に尿意を催したりします。 まれに、淋菌が関節、皮膚、心臓に感染することもあります。 分泌物の顕微鏡検査や培養検査、DNA検査のほか、尿のDNA検査によ... さらに読む
や クラミジア スクリーニング クラミジア感染症には、クラミジア・トラコマチス Chlamydia trachomatisという細菌により生じる、尿道、子宮頸部、直腸の性感染症などがあります。これらの細菌は、白眼の部分を覆う膜(結膜)やのどにも感染します。ウレアプラズマ属 Ureaplasmaやマイコプラズマ属 Mycoplasmaなどの他の細菌が尿道の感染症を引き起こすこともあります。... さらに読む
などの感染を調べます。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染のスクリーニングについては、青年期の男女全員と話し合い、性的に活動的な青年や注射薬物を使用している青年には特にHIVスクリーニングが推奨されます。性的に活動的な青年期女子には、子宮頸部の前がん病変(子宮頸部異形成)と同様に、妊娠のスクリーニング検査を行います。
定期的な健康診断では、たいてい心理社会的な問診やカウンセリングが行われます。問診では家庭環境、学業成績と目標、活動や趣味、 危険を顧みない行動への関与 知能と行動の発達 青年期に小児は若い成人になります。 身体的、 知的、 精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る舞う時間が増え、小児のように振る舞う時間が減ります。... さらに読む 、 情緒面での問題 情緒の発達 青年期に小児は若い成人になります。 身体的、 知的、 精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る舞う時間が増え、小児のように振る舞う時間が減ります。... さらに読む などが尋ねられます。カウンセリングでは、通常、身体的発達と 心理社会的発達 社会的発達と心理的発達 青年期に小児は若い成人になります。 身体的、 知的、 精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る舞う時間が増え、小児のように振る舞う時間が減ります。... さらに読む や、健康的な生活習慣、けがの防止についてよく話し合います。
安全面
医師と青年で、けがの防止について話し合いを行います。カウンセリングは以下のような幅広い事柄に及ぶことが一般的です。
シートベルト装着の大切さ
飲酒運転と運転中の携帯メールの危険性
インターネットの危険性と適切な用心
暴力行為の予防
栄養面と運動面
米国では過体重と 肥満 青年における肥満 肥満の定義は、BMI(ボディマスインデックス)が各年齢と性別の95パーセンタイル以上であることとされています。 遺伝やある種の病気によっても肥満は起こりますが、青年の肥満のほとんどは、運動不足や活動レベルで必要とされるよりも多くのカロリーを摂取することが原因です。 肥満の診断は、BMIが各年齢および性別の95パーセンタイル以上であることに基づいて下されます。 肥満の治療では、栄養のある食事をとり、運動を増やすことが役立ちます。... さらに読む が多く、これらは心疾患と2型糖尿病(これまではインスリン非依存性糖尿病と呼ばれていました)と関連があります。肥満リスクを減らすため、青年には健康によい食べものを選び、健康に悪い食べものを控えるように、親が引き続き教える必要があります。フルーツジュースの飲みすぎと炭酸飲料が肥満の主な原因と考えられています。
ほとんど動かない生活は肥満に直結します。親は、青年の子どもがテレビを見る、コンピュータゲームをする、または勉強以外の目的でコンピュータを使う時間を制限してみるべきです。スポーツや身体を使った活動は青年期にも引き続き推奨されます。