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スタージ-ウェーバー症候群

執筆者:

Margaret C. McBride

, MD, Northeast Ohio Medical University;


M. Cristina Victorio

, MD, Akron Children's Hospital

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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スタージ-ウェーバー症候群は、細い血管が侵される病気です。顔面に生じるポートワイン母斑や脳を覆う組織にできる血管腫(血管の腫瘍)を特徴とします。

  • この病気では、けいれん発作、筋力低下、知的障害、眼圧亢進(緑内障)などがみられ、脳卒中のリスクが高まります。

  • 小児に典型的な母斑が認められる場合、医師はこの病気を疑い、画像検査を行って血管腫がないか確認します。

  • 治療では、症状の緩和または予防に重点が置かれます。

スタージ-ウェーバー症候群は神経皮膚症候群の1つです。神経皮膚症候群は神経系(脳、脊髄、末梢神経)と皮膚が侵される病気です。

スタージ-ウェーバー症候群は、約50,000人に1人の割合で出生時からみられる病気ですが、遺伝する病気ではなく、遺伝子が自然に変異することで発生します。

この症候群では血管、とりわけ皮膚の血管、脳を覆う組織の血管、それから眼の血管が侵されます。ポートワイン母斑は、皮膚のすぐ下にある細い血管(毛細血管)の異常増殖によって生じます。血管腫(脳を覆う組織の毛細血管の異常増殖)ができると、けいれん発作 小児のけいれん発作 けいれん発作とは、脳の電気的活動が周期的に乱れることで、一時的にいくらかの脳機能障害が起きる現象です。 年長の乳児や幼児にけいれん発作が起きた場合には、全身または体の一部がふるえるなどの典型的な症状が多くの場合みられますが、新生児の場合は、舌なめずりをする、口をもぐもぐさせる、周期的に体がだらんとなるなどの変化しかみられない場合があります。 この病気の診断には脳波検査が用いられ、さらに原因を特定するために血液検査、尿検査、脳の画像検査の... さらに読む が起きるほか、体の片側に筋力低下がみられることもあります。血管腫は、その下にある脳の一部で血流を減少させることがあります。眼の血管に同様の異常が起こると、眼の内部の圧力(眼圧)が高まり(緑内障 緑内障 緑内障とは、視神経の損傷が進行していく病気で(眼圧の上昇を伴うことが多いものの、常に伴うわけではありません)、不可逆的な視力障害につながります。 眼の内部の圧力(眼圧)が上昇すると視神経が損傷されることがあります。 通常、視力障害は徐々に生じるため、長い間気づかれないことがあります。... さらに読む の原因になります)、視力が損なわれることがあります。動脈壁の異常は脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む のリスクを高めます。

症状

ポートワイン母斑の大きさや色は様々で、薄ピンク色から深紫色まであります。通常、額や片目の上まぶたに現れますが、下まぶたや顔にかかることもあります。上まぶたと下まぶたの両方にポートワイン母斑が認められる場合には、脳を覆う組織の血管に血管腫がみられる可能性が大幅に高くなります。

けいれん発作 小児のけいれん発作 けいれん発作とは、脳の電気的活動が周期的に乱れることで、一時的にいくらかの脳機能障害が起きる現象です。 年長の乳児や幼児にけいれん発作が起きた場合には、全身または体の一部がふるえるなどの典型的な症状が多くの場合みられますが、新生児の場合は、舌なめずりをする、口をもぐもぐさせる、周期的に体がだらんとなるなどの変化しかみられない場合があります。 この病気の診断には脳波検査が用いられ、さらに原因を特定するために血液検査、尿検査、脳の画像検査の... さらに読む が起こるのは約75~90%で、典型的には1歳になるまでに最初の発作が起こります。けいれん発作はポートワイン母斑と反対側の半身に起こることが多いですが、全身にけいれんが起こることもあります。約25~50%では、ポートワイン母斑と反対側の半身に筋力低下や麻痺が起こります。協調運動障害が起きることもあります。筋力低下や麻痺はときに悪化することもあり、この現象は特にけいれん発作をコントロールできない場合によくみられます。

ポートワイン母斑と同じ側の眼において、緑内障 緑内障 緑内障とは、視神経の損傷が進行していく病気で(眼圧の上昇を伴うことが多いものの、常に伴うわけではありません)、不可逆的な視力障害につながります。 眼の内部の圧力(眼圧)が上昇すると視神経が損傷されることがあります。 通常、視力障害は徐々に生じるため、長い間気づかれないことがあります。... さらに読む が起きることで視神経(脳と眼をつないでいる神経)が損傷し、視力障害が起こることがあります。緑内障は出生時に認められることもあれば、後から発生することもあります。眼球が拡大し、突出することもあります。

診断

  • 医師による評価

  • MRIまたはCT検査

特徴的なポートワイン母斑がみられる小児では、スタージ-ウェーバー症候群が疑われます。

脳を覆う組織に血管腫がないか調べるために、MRI検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査は、強力な磁場と非常に周波数の高い電磁波を用いて極めて詳細な画像を描き出す検査です。X線を使用しないため、通常はとても安全です。 患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、筒状の撮影装置の中に収まります。装置の内部は狭くなっていて、強力な磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置内で生じるような強力な磁場の中に置かれると、磁場... さらに読む MRI(磁気共鳴画像)検査 を行うこともあります。年長児以上と成人では、MRI検査を行えない場合、CT検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度から撮影された一連のX線画像であり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとはcomputed... さらに読む CT(コンピュータ断層撮影)検査 を行います。

治療

  • 症状を改善する治療(対症療法)

スタージ-ウェーバー症候群の治療では、症状の緩和に重点が置かれます。

けいれん発作をコントロールするための抗けいれん薬 抗てんかん薬 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、多くの場合は、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまります。... さらに読む 緑内障の治療薬 緑内障とは、視神経の損傷が進行していく病気で(眼圧の上昇を伴うことが多いものの、常に伴うわけではありません)、不可逆的な視力障害につながります。 眼の内部の圧力(眼圧)が上昇すると視神経が損傷されることがあります。 通常、視力障害は徐々に生じるため、長い間気づかれないことがあります。... さらに読む を使用します。緑内障に対する手術 手術 緑内障とは、視神経の損傷が進行していく病気で(眼圧の上昇を伴うことが多いものの、常に伴うわけではありません)、不可逆的な視力障害につながります。 眼の内部の圧力(眼圧)が上昇すると視神経が損傷されることがあります。 通常、視力障害は徐々に生じるため、長い間気づかれないことがあります。... さらに読む や、薬物治療を行っても再発するけいれん発作に対する手術 手術 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、多くの場合は、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまります。... さらに読む が必要になる場合もあります。

アスピリンを使用することで脳卒中のリスクが低下する可能性があることから、通常は低用量でアスピリンを服用してもらいます。また、アスピリンによって血管腫の下にある脳組織の血流を改善できる可能性もあります。しかし、アスピリンが有効であることを示す根拠はありません。

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