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皮膚弛緩症

執筆者:

Frank Pessler

, MD, PhD, Hannover, Germany

最終査読/改訂年月 2018年 2月
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皮膚弛緩(しかん)症は、皮膚が伸びやすく、たるんだしわになって垂れ下がる、まれな結合組織疾患です。

皮膚弛緩症では、結合組織(頑丈で、その多くは線維性であり、互いに結合して体の構造を支えるとともに、弾力性をもたらしている組織)に含まれる弾性線維(伸びた組織が再び元に戻るようにする線維)がゆるくなります。ときには、皮膚だけに影響がみられる場合がありますが、全身の結合組織が影響を受けることもあります。

皮膚弛緩症は一般に遺伝性です。一部の皮膚弛緩症では、遺伝子の異常によって結合組織とは無関係の障害が生じます。例えば、心臓、肺、消化管の病気、または知的障害 知的能力障害 知的能力障害(一般に知的障害とも呼ばれます)とは、出生時や乳児期の初期から知能の働きが明らかに標準以下であり、正常な日常生活動作を行う能力が限られている状態です。 知的能力障害は、遺伝的な場合もあれば、脳の発達に影響を与える病気の結果として起こる場合もあります。 知的能力障害がある小児のほとんどでは、就学前まで目立った症状が現れません。 診断は正式な検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む などが引き起こされます。乳児の場合、まれに、発熱を引き起こす病気の後やペニシリンに対するアレルギー反応が起こった後に、皮膚弛緩症が発生することがあります。 小児や青年では通常、発熱、肺や心臓を覆っている膜といった臓器の炎症、赤く隆起した斑点が皮膚のあちこちにできる多形紅斑 多形紅斑 多形紅斑は、赤く盛り上がった斑状の病変を特徴とする炎症性皮膚疾患で、それらの病変はしばしば標的のような形をしていて、通常は全身に対称的に分布します。 (過敏症と炎症性皮膚疾患に関する序も参照のこと。) 多形紅斑は通常は感染症(一般的には単純ヘルペスウイルス)に対する反応によって引き起こされます。 典型的な症状としては、中心部が紫色から灰色で全体としては赤色の斑(標的状病変)が、手のひら、足の裏、腕、脚、および顔面の皮膚に突然現れた後、全... さらに読む 多形紅斑 など、重い病気の後に症状が現れます。成人では、ほかの病気を合併することがあります(特に形質細胞の病気 形質細胞の病気の概要 形質細胞の病気は、まれにしかみられません。形質細胞の病気では、まず単一の形質細胞が過剰に増殖し始めます。その結果生じた遺伝子的に同一の細胞集団(クローンと呼ばれます)が単一の種類の抗体(免疫グロブリン)を大量に生産します。形質細胞は、白血球の一種であるB細胞(Bリンパ球)から成長した細胞で、正常であれば抗体を生産します。抗体は体が感染に抵... さらに読む )。

症状

皮膚弛緩症には、見た目が悪くなるだけの軽いものもあれば、内臓に障害が現れる重いものもあります。出生時に皮膚がひどくたるんでいる場合もあれば、成長してから皮膚がたるみ始める場合もあります。皮膚のたるみは顔面に最も顕著に現れることが多いため、年不相応に老けた容貌になり、かぎ鼻がみられます。また、肺、心臓、腸、動脈などにも、様々な重い障害が現れることがあります。

出生後すぐに症状が顕著になることが多いものの、小児や青年で突然症状が現れることもあります。成人になってから徐々に症状が現れることもあります。

診断

  • 医師による評価

  • ときに皮膚生検

医師は、通常は皮膚の診察によって皮膚弛緩症の診断を下すことができます。

ときには、皮膚組織のサンプルを採取して顕微鏡で調べる生検が必要になることもあります。

心エコー検査 心エコー検査とその他の超音波検査 超音波検査では、周波数の高い超音波を内部の構造に当てて跳ね返ってきた反射波を利用して動画を生成します。この検査ではX線を使いません。心臓の超音波検査(心エコー検査)は、優れた画像が得られることに加えて、以下の理由から、心疾患の診断に最もよく用いられる検査法の1つになっています。 非侵襲的である 害がない 比較的安価である 広く利用できる さらに読む 心エコー検査とその他の超音波検査 や胸部X線検査 単純X線検査 X線は高エネルギーの放射線で、程度の差こそあれ、ほとんどの物質を通過します。医療では、極めて低線量のX線を用いて画像を撮影し、病気の診断に役立てる一方、高線量のX線を用いてがんを治療します(放射線療法)。 X線は単純X線検査のように単独で使用することもありますが、コンピュータ断層撮影(CT)などの他の手法と組み合わせて使用することもあります。 X線検査では、調べたい体の部位をX線源と画像の記録装置との間に置きます。撮影者はX線を遮断する... さらに読む などの他の検査を行い、心臓と肺の合併症がないか調べることもあります。若い年齢で皮膚弛緩症を発症した人または皮膚弛緩症の血縁者がいる人は、遺伝子検査を受ける必要があります。遺伝子検査の結果により、この疾患が子孫に受け継がれるリスクがあるかどうかや、皮膚以外の器官に発生するかどうかを予測できる場合があります。

予後(経過の見通し)

心臓、肺、動脈、腸などに重い障害があると、死に至るおそれがあります。

治療

  • ときに形成手術

皮膚弛緩症に対する特別な治療法はありません。

多くの場合、形成外科手術によって皮膚の見た目を改善することができますが、一時的な改善にしかならないことがあります。皮膚以外の合併症(心疾患や肺疾患など)は、適宜治療します。

理学療法が皮膚の張りの改善に役立つことがあります。

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