爪膝蓋骨症候群

執筆者:Frank Pessler, MD, PhD, Helmholtz Centre for Infection Research
レビュー/改訂 2022年 12月
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爪膝蓋骨(そうしつがいこつ)症候群は、腎臓、骨、関節、手足の爪に異常が生じる、まれな遺伝性疾患です。

爪膝蓋骨症候群は、腕や脚と腎臓の発育において重要な役割を担う遺伝子の突然変異によって起こります。

一般に、この症候群の患者は、左右の膝蓋骨(俗にいう「膝のお皿」の骨)の一方または両方が欠損し、橈骨(とうこつ)という腕の骨の片側が肘で脱臼していて、骨盤が異常な形をしています。

手足の爪がなかったり、あっても発達が不完全で、くぼんだり隆起したりしています。

この症候群の患者の約50%では、尿に血液(血尿)やタンパク質(タンパク尿)がみられます。腎臓に障害がある患者の約30%は、いずれ腎不全を発症します。腎臓に問題がある人では、しばしば高血圧がみられます。

爪膝蓋骨症候群の診断

  • 医師による評価

  • ときにX線検査や生検

爪膝蓋骨症候群の診断は、症状と身体診察の結果から疑われます。

骨のX線検査腎組織の生検(組織サンプルを採取して顕微鏡で調べること)により診断が確定します。遺伝子検査も行うことがあります。

尿に血液やタンパク質がみられる場合は、腎機能検査を行うことがあります。

爪膝蓋骨症候群の治療

  • 血圧のコントロール

  • ときに、透析または腎移植

爪膝蓋骨症候群に対する効果的な治療法はありません。

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬と呼ばれる薬を投与し、血圧やタンパク尿をコントロールすることで、腎機能が悪化する速度を遅くできる場合があります。

腎不全が生じた患者には、透析または腎移植が必要になります。

子どもをもつことを希望する人には遺伝子検査を提案すべきです。

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