(成人における 緑内障 緑内障 緑内障とは、視神経の損傷が進行していく病気で(眼圧の上昇を伴うことが多いものの、常に伴うわけではありません)、不可逆的な視力障害につながります。 眼の内部の圧力(眼圧)が上昇すると視神経が損傷されることがあります。 通常、視力障害は徐々に生じるため、長い間気づかれないことがあります。... さらに読む も参照のこと。)
正常であれば、眼に栄養を与えている房水は、虹彩の裏側にある毛様体(後房内)でつくられ、瞳孔を通って眼の前方(前房)に流れていき、虹彩と角膜の間の排出管から排出されます。房水の排出が妨げられると、眼の内圧(眼圧)が上昇します。
正常な房水の排出
房水は、虹彩の裏側(後房内)にある毛様体でつくられ、後房から眼球の前方(前房)へと流れ込み、そこから排出管を通って外へと流れ出ていきます。 ![]() |
原発性乳児緑内障は、乳幼児に発生し、片眼に現れることもあれば(全体の40%)両眼に現れることもあります(全体の60%)。この病気は、 スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群では、細い血管が異常に増殖します。顔面に生じるポートワイン母斑や脳を覆う組織にできる血管腫(血管の腫瘍)を特徴とします。 スタージ-ウェーバー症候群は遺伝子の突然変異によって引き起こされます。 この病気では、けいれん発作、筋力低下、知的障害、眼圧亢進(緑内障)などがみられ、脳卒中のリスクが高まります。 小児に典型的な母斑が認められる場合、医師はこの病気を疑い、頭部の画像検査を行って血管腫がないか確認します。... さらに読む などの別の病気によって引き起こされるものではないことから、原発性とみなされます。眼圧は、正常範囲を超えて上昇します。乳児の眼圧は、けがや眼の手術(白内障の除去など)の後にも上昇することがあります。
原発性乳児緑内障では、眼圧上昇により強膜(眼を覆う白く丈夫な線維の膜)および角膜(虹彩と瞳孔の前にある透明な層)が伸張することがあります。この伸張は、成人の緑内障では起こりません。ときに、角膜が濁ることもあります。流涙や、明るい光を見たときの眼痛(羞明)がみられることもあります。
治療しなければ、角膜はますます濁り、視神経が損傷され、失明に至る可能性があります。こういった合併症を予防するため、医師は新しい排出路を形成する外科手術(隅角切開術、線維柱帯切開術、または 線維柱帯切除術 手術 )をできる限り早く行います。
さらなる情報
役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
Children's Eye Foundation of AAPOS(アメリカ小児眼科斜視学会[AAPOS]による小児眼科基金):小児の視力を保護する上での予防、病気の発見、研究、教育に関する実用的な情報