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神経芽腫

執筆者:

John J. Gregory, Jr.

, MD, Rutgers, New Jersey Medical School

最終査読/改訂年月 2016年 6月
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神経芽腫はよくみられる小児がんの1つで、神経系の一部または副腎に発生します。

  • 神経芽腫の原因は不明です。

  • 症状は神経芽腫が発生した部位によって異なります。神経芽腫は、例えば、腹部、胸部、骨、皮膚、脊髄などに発生します。

  • 診断に際して通常は画像検査と生検が行われます。

  • 治療法としては、腫瘍が転移していなければ切除手術、化学療法、ときに放射線療法が行われます。

小児がんの概要も参照のこと。)

神経芽腫は、体の様々な部位にある特定の神経組織に発生します。たいてい腹部や胸部の神経に発生しますが、最も多いのは(左右の腎臓の上に1つずつある)副腎です。非常にまれですが、脳に神経芽腫ができることがあります。診断を受けた時点で、半数以上の小児において体の他の部位にがんが転移しています。

神経芽腫は乳児に最も多くみられるがんで、年齢にかかわらず発生率の高い小児がんの1つです。神経芽腫の約90%が5歳未満の小児に発生します。原因は不明です。これらの腫瘍のほとんどは自然に発生します。まれですが、神経芽腫が発生しやすい家系があります。

神経芽腫の症状

症状は、以下のように、神経芽腫が最初にできた部位、転移の有無、転移した部位によって異なります。

  • 最初に腹部に発生した場合:最初の症状は、腹部が大きくなる、おなかが張った感じ、腹痛などです。

  • 最初に胸部や首に発生した場合:小児はせきをしたり、呼吸困難に陥ったりすることがあります。

  • 骨に転移した場合:小児に骨痛が現れます。がんが骨髄に達すると、様々な血球の数が減少することがあります。赤血球の数が減少すると(貧血)、脱力感や疲労感が生じ、ときに皮膚が青白く(蒼白に)なります。血小板の数が減少すると、皮膚にあざや小さな紫色の斑点ができやすくなります。白血球の数が減少すると、感染症への抵抗力が下がります。

  • 皮膚に転移した場合:しこりができます。

  • 脊髄に転移した場合:腕や脚に力が入らなくなったり、体の一部を自分の思うように動かせなくなったりすることがあります。

まれですが、ホルネル症候群と呼ばれる症状がみられることもあります。ホルネル症候群では、首にできた腫瘍が、顔面の左右片側を支配する神経を圧迫します。片側の顔面で、まぶたが下がって、瞳孔が小さくなり、発汗が低下します。

神経芽腫の約90~95%は、アドレナリンなどのホルモンを分泌します。このホルモンによって心拍数が上昇したり、不安が生じたりすることがあります。そのほかに、制御不能の眼球運動(眼球クローヌス)、腕や脚の速い収縮(ミオクローヌス)など、がんに関連した症候群(腫瘍随伴症候群と呼ばれる)がみられることがあります。

神経芽腫の診断

  • CTまたはMRI検査

  • 生検

  • 骨髄検査と尿検査

神経芽腫の早期診断は容易ではありません。ときとして、決まって行われる出生前超音波検査で胎児の神経芽腫が発見されることがあります。がんがかなり大きくなれば、医師による触診で腹部のしこりが感知できることがあります。

神経芽腫が疑われる場合は、腹部のCT検査またはMRI検査が行われます。腫瘍がみつかった場合は、サンプルが採取され、調べるために検査室に送られます(生検)。骨髄のサンプルが採取され、がん細胞がないか調べられます。尿検査を行うと、アドレナリン様ホルモンの分泌が過剰になっているかどうかが分かります。

がんが転移していないか確認するために、医師は以下の検査を行うことがあります。

  • 腹部、骨盤部、胸部に加え、ときに脳のCTまたはMRI検査

  • 骨シンチグラフィー

  • 骨のX線検査

  • 肝臓、肺、皮膚、骨髄、または骨から採取した、組織サンプルの検査

  • メタヨードベンジルグアニジン(metaiodobenzylguanidine :MIBG)という放射性物質を用いたシンチグラフィー(がんが転移しているかどうかの確認に役立つ)

医師は、これらの情報をすべて利用して、腫瘍が低リスク、中リスク、高リスクのいずれであるか判定します。

予後(経過の見通し)

予後は、診断時の小児の年齢、腫瘍が転移しているかどうか、生物学的特徴と呼ばれる腫瘍の特定の性質(例えば、顕微鏡でどのように見えるか、腫瘍細胞内にあるDNAの主な特徴)など、いくつかの要因によって異なります。がんが転移していない年少の小児の予後が最も優れています。

低リスクまたは中リスクの小児の生存率は約90%です。高リスクの小児の生存率は約15%でしたが、この生存率は、神経芽腫の治療に記載されている新たな併用療法の強化法によって改善し、50%を上回っています。

神経芽腫の治療

  • 手術による切除

  • 化学療法

  • 場合により放射線療法または幹細胞移植

  • 免疫療法

神経芽腫の治療法は、リスク分類に基づきます。

がんが転移していなければ、しばしば手術で切除して完治させることができます。

中リスクの小児では、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチンなどの化学療法薬が投与されます。高リスクの小児に対しては、幹細胞移植を伴う大量化学療法が頻繁に使用されます。大量化学療法と幹細胞移植の後にがんが再発するリスクを減らすために、これらの治療を受ける小児に対しては、レチノイド(ビタミンAに関連する化学物質)と呼ばれる薬の投与と免疫療法が行われます。

中リスクまたは高リスクの小児に対して、または腫瘍の切除手術ができない場合、放射線療法が行われることがあります。

免疫療法は、高リスクの小児に対する最新の治療法です。この治療法は、がんに対抗する体の免疫系を活性化します。

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