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読字障害

執筆者:

Stephen Brian Sulkes

, MD, Golisano Children’s Hospital at Strong, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2018年 8月
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読字障害とは、単語のまとまりから1つの単語を識別したり、1つの単語の中の構成要素(音素)を識別したりすることが困難な、特殊な読みの障害のことです。

  • 読字障害がある小児は、話し始めるのが遅かったり、はっきり発音できなかったりすることがあります。また、音を混ぜて発音したり、単語の中の音を識別したりすることがなかなかできないこともあります。

  • 学力検査や知能検査を行います。

  • 治療では、単語認識の方法を具体的に教えます。

読字障害は学習障害の一種です。読字障害がある小児数は推定されていませんが、学校に通う小児の約15%が、読みの問題のために調整や特別指導を受けています。読字障害は女児より男児に多く認められます。しかし、女児の場合は読字障害が気づかれにくいだけである可能性があります。読字障害は遺伝する傾向があります。

脳が音と記号(文字)をうまく関連づけられないと、読字障害が発生します。脳の中での関連づけに問題があると、音と記号(文字)のつながりがうまくいかなくなりますが、脳の中で起こるこの問題についてはほとんど分かっていません。このような問題は生まれたときからあります。そのため、単語のつづりを間違えたり、間違った書き方をしたり、音読のスピードが遅かったり、正確に音読できなかったりすることがあります。読字障害がある小児は文字の順番を逆転させることが多いため、視覚障害が疑われますが、たいていの場合は、音の知覚のされ方に問題があります。読字障害では話し言葉の理解に問題はありません。

症状

読字障害がある未就学児では、以下が認められる場合があります。

  • 話し始めるのが遅い

  • はっきりとした発音で話せない(構音の問題)

  • 文字、数、色の名前をなかなか覚えられない

  • 数学的な計算技能は正常であるにもかかわらず、単語の問題に答えることには困難を覚える

多くの場合、読字障害がある小児は、音を混ぜて発音したり、言葉の韻を踏んだり、単語の中でそれぞれの文字がどの音に対応しているのかを区別したり、単語を音節に分けたり、単語の中にある音の数を認識したりすることが困難です。言葉を選ぶことや、別の言葉に置き換えること、文字や絵の名前を言うことに、時間がかかったり、ためらったりするようであれば、読字障害の初期徴候です。音に関する短期記憶の問題や、正しい音の順番に並べ替えたりすることが難しい場合も多くみられます。

読字障害がある小児の多くは、似ている文字や単語を混同しがちです。 字を書く際に単語の文字が入れ替わってしまう(例えば、onnosawwasと書く)ことや、文字を取り違える(例えば、bdwmnhを間違える)ことが多くあります。しかし、読字障害でない小児の多くも、小学校低学年の間は文字の順番が逆転することがあります。

診断

  • 読みの評価

  • 言語と聴覚の評価

  • 心理学的評価

小学校1年生の半ば、または終わり頃になっても、単語習得能力が伸びない小児には、読字障害がないかどうかを調べる検査を行うべきです。検査には言語検査、聴覚検査、知能検査や学力検査などが含まれ、通常は学校の職員が行います。

治療

  • 教育的介入

単語の認識の問題に対する最善の治療法は、複数の感覚を同時に働かせる手法を取り入れた直接的な指導です。この治療法では、様々な手がかりを通じて発音とつづり字の関係を教えます。通常、治療は個別に行われますが、可能であれば国語の授業の一部として行われます。

単語を認識するための間接的指導も役立ちます。この指導法では、通常、単語の発音や読解力を向上させるための訓練が行われます。単語を作るために音を組み合わせること、単語を音節で区切ること、単語の中の音の位置を見分けることによって、音の処理の仕方を教わります。

単語の構成要素を見分ける能力を習得させる指導も有用です。単語を作るために音を組み合わせたり、単語を音節に分けたり、単語の中にある音の位置を識別したりする訓練が含まれます。

米国個別障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act:IDEA)は、公立学校に対して、読字障害やその他の学習障害がある小児と青年に、適切な教育を無償で提供することを義務づけています。教育は極力制限がなく、可能な限り包括的な環境で行わなくてはなりません。つまり、障害のある小児が、障害のない小児と交流する機会や、その地域にある施設などの資源を同等に使う機会を、あらゆる場面で与えられる教育環境です。

読字障害の小児が大きくなると、他の機能で読字障害を補っていく方法が役立つことがあります。オーディオブック、スクリーンリーダー(たいていのパソコンに付属している)、デジタルレコーダーやその他の技術が活用できます。

こうした単語認識に向けての訓練とは異なる、間接的な治療が行われることがありますが、勧められません。間接的治療法には、単語や文字を読み取りやすくする色つきレンズの使用、眼球運動訓練、視覚訓練などがあります。ピラセタムなどの薬を使った治療も試みられてきました。間接的治療法のメリットはほとんど実証されておらず、このような治療法によって非現実的な期待が生まれ、必要とされる教育が遅れる場合があります。

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