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小児の発疹

執筆者:

Deborah M. Consolini

, MD, Sidney Kimmel Medical College of Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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発疹とは、皮膚の性状や色の異常な変化を指します。

  • 発疹の原因には、刺激のほか、細菌、真菌、ウイルスの感染などがあります。

  • 症状として、赤み、白色や黄色のかさぶた(痂皮)、かゆみ、真珠のような丘疹や隆起、嚢胞などがあります。

  • 発疹の治療には、刺激の少ない洗浄剤、保湿軟膏、抗菌薬やコルチコステロイドの軟膏、かゆみ止めなどが役に立ちます。

乳幼児に生じる発疹は、普通は重篤なものではなく、その原因は様々です。炎症を引き起こす刺激物、薬、アレルギー反応、および病気が発疹の原因になることがあります。

乳幼児における発疹の一般的な原因には次のようなものがあります。

おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)

おむつ皮膚炎は通常、乳児の皮膚が尿や便、またはその両方で汚れたおむつに接触していることで生じる真っ赤な発疹です。乳児の皮膚の湿気が刺激の原因となります。一般的には、おむつ皮膚炎はおむつに触れていた皮膚にできます。

母乳で育っている乳児は、おむつ皮膚炎が比較的少ない傾向にあります。このような小児の便では、皮膚に炎症を起こす酵素やその他の物質が含まれる量が比較的少ないからです。

おむつ皮膚炎によって、小児が常に不快な思いをしているわけではありません。吸収性のゲルが使われているおむつを使用する、湿気を中に閉じこめるような合成樹脂製のシートが使われているおむつやおむつカバーの使用を避ける、おむつが濡れたら頻繁に取り替えることなどにより、おむつ皮膚炎を予防する、あるいは最小限にとどめることができます。

おむつ皮膚炎の主な治療法は、おむつをこまめに取り替えることです。小児の皮膚は刺激の少ない石けんと水でやさしく洗うようにします。多くの発疹は、このような方法だけで良くなります。皮膚用の保湿剤や皮膚とおむつの間のバリアとなる軟膏(亜鉛、ワセリン、ビタミンAやビタミンDを含むもの)を使うと効果がある場合があります。カンジダ(Candida)感染症と診断された場合は、抗真菌薬のクリームが必要です。発疹の原因が細菌であれば、抗菌薬のクリームを使います。

乳痂(脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。 (皮膚炎の概要も参照のこと。) 原因は不明ですが、皮膚に常在している微生物であるマラセジア Malassezia属の真菌の数が何らかの役割を果たしています。脂漏性皮膚炎が最もよく生じるのは、乳児(通常は生後3カ月)、10代の人、30~70歳の人です。この病気は男性に多... さらに読む 脂漏性皮膚炎

乳痂は、落屑を伴う痂皮(かひ)状の赤色と黄色の発疹が、乳児の頭部にできる病気です。同様の発疹がときに皮膚のこすれ合う部分にも生じます。原因は不明です。脂漏性皮膚炎は害がなく、ほとんどの場合は乳児が生後6カ月になるまでに自然治癒します。

治療としては、シャンプー前に痂皮を取れやすくするため鉱油で頭皮をマッサージした上で、定期的に乳児の頭髪を硫化セレン入りのシャンプーで洗います。痂皮は、目の細かいクシを使って取ることができます。このような治療法で効果がない場合は、コルチコステロイドのクリームを使います。

アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎(湿疹) アトピー性皮膚炎(一般には湿疹と呼ばれます)とは、皮膚の上層に生じる、かゆみを伴う慢性的な炎症です。花粉症や喘息のある人、また家族にそのような病気の人がいる人にみられることの多い病気です。 アトピー性皮膚炎は非常によくみられるもので、特に先進国やアレルギーを起こしやすい人に多くみられます。 乳児では、じくじくしてかさぶたを伴う赤い発疹が、顔面、頭皮、手、腕、足、脚にできる傾向があります。... さらに読む アトピー性皮膚炎(湿疹) (湿疹)

アトピー性皮膚炎とは、赤くてカサカサし、かゆみのある発疹です。発疹はまだら状にできる傾向があり、できたり消えたりするもので、乾燥した寒い気候でしばしば悪化します。乳児では、じくじくしてかさぶたを伴う赤い発疹が、顔面、頭皮、おむつで覆われる部分、手、腕、足、脚にできる傾向があります。 より年長の小児の場合、発疹が1カ所だけ、または数カ所にできる傾向があり、手、上腕部、肘の内側、膝の裏によく現れます。

アトピー性皮膚炎の原因は不明ですが、湿疹は遺伝する傾向があり、多くはアレルギーのために起こると考えられています。原因は喘息の場合と似ています。ほとんどの場合、成長とともにアトピー性皮膚炎は治癒しますが、一生続く場合もあります。重症の場合は、皮膚を掻いて傷ついた部分に断続的に感染症が起こることがあります。

アトピー性皮膚炎の治療としては、皮膚用の保湿剤、低刺激の石けん、加湿器、コルチコステロイドクリーム、かゆみ止めなどを使用します。アレルギーを引き起こす原因を避けるようにすると、症状が軽減する場合があります。

発疹を引き起こすウイルス感染症

ウイルス感染症はしばしば、幼児に発疹を引き起こします。突発性発疹 突発性発疹 突発性発疹とは、乳児や年少の幼児に起こるウイルス感染症で、高熱に続いて発疹が出ます。 突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型です。 典型的な症状は突然始まる高熱で、熱が正常まで下がった後に発疹が出ることもあります。 診断は症状と小児の年齢に基づいて下されます。 治療の目標は症状を緩和することです。 さらに読む 突発性発疹 伝染性紅斑 伝染性紅斑 伝染性紅斑とは、感染力の強いウイルス感染症の1つで、やや具合が悪くなり赤い発疹ができます。発疹は染みのようなこともあれば、盛り上がっていることもあります。 伝染性紅斑の原因はウイルスです。 症状としては、微熱や、頬をたたいた後のような赤い発疹が顔に出る、腕、脚、体幹にレース模様のような発疹が現れるなどがあります。 診断は、特徴的な発疹に基づいて下されます。 治療の目標は症状を緩和することです。 さらに読む 伝染性紅斑 (リンゴ病)が原因の発疹は無害で、普通は治療をしなくても治ります。はしか(麻疹) 麻疹(はしか) 麻疹は非常に感染力の強いウイルス感染症で、様々な症状と特徴的な発疹が現れます。 麻疹の原因はウイルスです。 症状としては、発熱、鼻水、頻発する空せき、目の充血、かゆみを伴う赤い発疹などがみられます。 診断は、典型的な症状と特徴的な発疹に基づいて下されます。 ほとんどの小児が回復しますが、まれに麻疹により死亡したり脳に損傷が生じたりすることもあります。 さらに読む 麻疹(はしか) 風疹 風疹 風疹は感染力の強いウイルス感染症で、関節痛や発疹などの軽い症状が出ます。 風疹の原因はウイルスです。妊娠中の母親が風疹に感染すると新生児に重い先天異常が起きます。 典型的な症状としては、リンパ節の腫れ、口蓋(こうがい)に出るバラ色の斑点、特徴的な発疹などがあります。 診断は症状に基づいて下されます。 定期予防接種で予防できます。 さらに読む 風疹 水痘(水ぼうそう) 水痘(水ぼうそう) 水痘とは、水痘帯状疱疹ウイルスによる、感染力が非常に強いウイルス感染症で、かゆみのある特徴的な発疹が現れます。発疹は小さな斑点で、盛り上がったり、水疱(水ぶくれ)を形成したり、かさぶたができたりします。 水痘はほとんどが小児に起こりますが、水痘ワクチンのおかげで発生数は大幅に減少しています。 発疹が現れる前に、軽い頭痛、中等度の発熱、食欲低下、全身のだるさがみられます。 診断は症状(特に発疹)に基づいて下されます。... さらに読む による発疹は、小児に対するワクチン接種 小児期の予防接種 感染症から守るため、小児には予防接種を受けさせるべきです。ワクチンには、感染力をもたない細菌やウイルスの断片、または感染症を引き起こさないように弱毒化した細菌やウイルスがそのまま入っています。ワクチンの投与(通常は注射)によって体の免疫系が刺激され病気にかかるのを防ぎます。ワクチン接種は、病気の予防につながる免疫状態を作り出すことから、予... さらに読む により、あまりみられなくなってきています。

発疹のその他の原因

皮膚糸状菌症 皮膚糸状菌症(白癬、たむし)の概要 皮膚糸状菌症は、数種類の真菌によって引き起こされる皮膚および爪の真菌感染症で、感染部位によって分類されています。皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。 皮膚糸状菌症の症状は、発疹、鱗屑(りんせつ)、かゆみなどです。 診断では通常、患部を診察するとともに、皮膚または爪のサンプルを顕微鏡で観察するほか、ときに培養検査を行います。 抗真菌薬を患部に直接塗ったり、内服したりすることで、通常は治癒します。... さらに読む (白癬、たむしとも呼ばれる)は皮膚の真菌感染症です。小児の場合、頭皮への感染(頭部白癬 しらくも(頭部白癬) 頭部白癬(しらくも)は、頭皮の皮膚糸状菌(真菌)感染症です。 頭部白癬の症状としては、頭皮に乾燥したうろこ状の斑、斑状の脱毛、またはその両方が生じます。 診断は、頭皮の診察と頭皮から採取したサンプルの検査の結果に基づいて下されます。 治療では、抗真菌薬の内服を行い、小児に対しては抗真菌薬クリームと硫化セレンシャンプーを使用します。 (皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。) さらに読む しらくも(頭部白癬) )と体への感染(体部白癬 ぜにたむし(体部白癬) ぜにたむし(体部白癬)は、顔面、体幹、腕、脚の皮膚糸状菌(真菌)感染症です。 体部白癬の症状としては、ピンク色から赤色の円形の皮疹などがみられ、ときにかゆみを生じます。 診断を下すには、患部の診察を行い、ときに皮膚の擦過物を顕微鏡で調べます。 治療としては、抗真菌薬を患部に直接塗ったり、ときに内服したりします。 (皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。) さらに読む ぜにたむし(体部白癬) )が最もよくみられます。

皮膚糸状菌症の診断 診断 皮膚糸状菌症は、数種類の真菌によって引き起こされる皮膚および爪の真菌感染症で、感染部位によって分類されています。皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。 皮膚糸状菌症の症状は、発疹、鱗屑(りんせつ)、かゆみなどです。 診断では通常、患部を診察するとともに、皮膚または爪のサンプルを顕微鏡で観察するほか、ときに培養検査を行います。 抗真菌薬を患部に直接塗ったり、内服したりすることで、通常は治癒します。... さらに読む 治療 治療 皮膚糸状菌症は、数種類の真菌によって引き起こされる皮膚および爪の真菌感染症で、感染部位によって分類されています。皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。 皮膚糸状菌症の症状は、発疹、鱗屑(りんせつ)、かゆみなどです。 診断では通常、患部を診察するとともに、皮膚または爪のサンプルを顕微鏡で観察するほか、ときに培養検査を行います。 抗真菌薬を患部に直接塗ったり、内服したりすることで、通常は治癒します。... さらに読む は、小児と成人において同じで、一般的に抗真菌薬を皮膚に塗布するか内服します。一部の小児では真菌感染症に対して炎症反応が起こり、頭皮が炎症を起こし腫れて痛む部分(禿瘡 禿瘡(とくそう) 頭部白癬(しらくも)は、頭皮の皮膚糸状菌(真菌)感染症です。 頭部白癬の症状としては、頭皮に乾燥したうろこ状の斑、斑状の脱毛、またはその両方が生じます。 診断は、頭皮の診察と頭皮から採取したサンプルの検査の結果に基づいて下されます。 治療では、抗真菌薬の内服を行い、小児に対しては抗真菌薬クリームと硫化セレンシャンプーを使用します。 (皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。) さらに読む 禿瘡(とくそう) [とくそう])が生じます。禿瘡の場合、追加の治療が必要になることがあります。

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