乳幼児突発性危急事態(ALTE)とは、1つの病気ではなく、乳幼児に突然発生する一群の症状を指す用語です。 ALTEは乳児突然死症候群(SIDS)と関わりがあるように思えるかもしれませんが、これら2つの病態の間に明らかな関係は認められていません。
ALTEを指す用語は最近変更され、「brief, resolved, unexplained event(BRUE)」という新しい用語を使う医師もいます。
原因
症状
診断
ALTEが起こった場合、医師は以下のような重要な質問をします。
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養育者はどのような事態を目撃しましたか(呼吸、体の色、筋緊張、眼の変化のほか、乳幼児から発生した音、エピソードの持続時間、ALTEの前に起こった症状の説明を含めて)。
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その際、養育者はどんな対処をしましたか(やさしく刺激した、口対口(マウスツーマウス)人工呼吸をした、または心肺蘇生をしたなど)。
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母親が妊娠中に薬剤を使用していましたか。現在、家族に薬を使用している、喫煙している、飲酒している人はいますか。
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子どもは妊娠何週(受精から出産まで子宮内で経過した期間)で生まれましたか。出生時に何か合併症がありましたか。出生後に無呼吸で入院したことがありますか。
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哺乳中に空嘔吐をしたり、せきをしたり、吐いたりしますか。体重の増加に問題はありましたか。
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すべての面において年齢相応の発達を示していましたか。
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以前にALTEになったことがありますか、または最近けがをしましたか。
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家族にALTEを起こした人や乳幼児期に亡くなった人はいますか。
医師は身体診察をして、明らかな異常、特に筋緊張の亢進(体がこわばっている)や筋緊張の低下(だらんとしている)といった神経系の異常、および感染症やけが、虐待が疑われる徴候についてチェックします。
これらの診察所見に基づいて、臨床検査(血液[肝機能を含む]、便、尿、髄液の検査)、画像検査(胸部X線、頭部CTなど)、心電図検査や、これらの組合せを行います。 けいれん発作の可能性をチェックするため、その他の検査(脳波検査など)が行われる場合もあります。
予後(経過の見通し)
治療
原因が特定されれば、それに対する治療を行います。心肺蘇生を必要とする乳児、診察または最初の臨床検査で何らかの異常が特定された乳児、または懸念すべきALTEの症状がある乳児は、入院させ、モニタリングとさらなる評価を行います。
親や養育者は、乳児への心肺蘇生の方法と安全な養育法一般(あお向けに寝かせる、タバコの煙を避けるなど)について訓練を受ける必要があります。ある一定の期間、家庭での無呼吸モニタリング装置の使用を勧める場合もあります。その際、単に警報を鳴らすだけのモニターよりも、乳児の呼吸パターンと心拍数を記録するモニターの方が推奨されます。記録機能の付いたモニタリング装置は、医師が実際に起こった事象と警報の誤作動とを区別する上で役立ちます。
さらなる情報
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