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亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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亜急性硬化性全脳炎とは、進行性で通常は死に至る脳の病気で、麻疹(はしか)のまれな合併症として麻疹から数カ月または数年後に発生し、精神遅滞、筋肉の収縮、けいれんを引き起こします。

  • 亜急性硬化性全脳炎の原因は、麻疹ウイルスです。

  • 最初の症状として通常、学校の成績の低下、もの忘れ、かんしゃく、注意散漫、不眠、幻覚がみられます。

  • 診断は症状に基づいて下されます。

  • 通常は死に至ります。

  • 亜急性硬化性全脳炎に対しては治療法がありません。

亜急性硬化性全脳炎は、麻疹ウイルスが長期間脳に感染することで起こります。麻疹に感染している間に、麻疹ウイルスが脳に侵入することがあります。すぐに脳の感染症(脳炎)の症状を引き起こすこともあれば、問題を起こさないまま、長い間脳の中にとどまることもあります。

亜急性硬化性全脳炎は、麻疹ウイルスが再び活性化することで発生します。米国では過去に、麻疹にかかったことがある人の100万人に約7~300人、麻疹ワクチンの接種を受けた人の100万人に約1人の割合で亜急性硬化性全脳炎が起こっていましたが、その原因は分かっていません。しかしながら、予防接種を受けた後に脳炎を発症した人は、予防接種を受ける前に、おそらく軽症で診断されていなかった麻疹にかかっており、ワクチンが亜急性硬化性全脳炎を引き起こしたのではないだろうと考えられています。

米国および西欧では、麻疹の症例が非常に少ないために、亜急性硬化性全脳炎もまれとなっています。しかし、最近の麻疹の流行を分析した研究によると、亜急性硬化性全脳炎の発生率は以前考えられていたよりも高い可能性があるとされており、この傾向は特に幼若乳児に当てはまることが示されています。女性よりも男性によくみられます。亜急性硬化性全脳炎は通常、小児または若年成人(通常は20歳未満)に発生します。

症状

亜急性硬化性全脳炎の最初の症状は、学校の成績の低下、もの忘れ、かんしゃく、注意散漫、不眠、幻覚などです。腕、頭、体の筋肉が突然収縮することもあります。やがて、自分では止められない筋肉の異常な動きとともに、けいれんが起こり、知能と言語能力が低下していきます。

その後、筋肉が徐々に硬直していき、ものを飲み込みにくくなることがあります。ものが飲み込みにくいと、唾液がのどに詰まって肺炎が起こることがあります。失明する場合もあります。最終段階では、体温が上昇し、血圧と脈拍が異常になることもあります。

診断

  • 脳脊髄液(髄液)または血液の検査

  • 画像検査

若い人で、精神遅滞および筋肉のけいれんがみられ、過去に麻疹にかかったことがある場合、亜急性硬化性全脳炎が疑われます。診断は、髄液の検査、血液検査で麻疹ウイルスに対する抗体の量が多いことが示されること、異常な脳波、脳の異常を示す磁気共鳴画像(MRI)検査またはコンピュータ断層撮影(CT)検査により確定できる場合があります。

検査で原因が明らかにならない場合、脳の生検が必要になることもあります。

予後(経過の見通し)

亜急性硬化性全脳炎の患者は、ほぼ必ず、1~3年以内に死亡します。亜急性硬化性全脳炎では極度の脱力が起こり、筋肉の異常な動きを制御できなくなるために肺炎が発生し、通常はこれが直接の死因となります。

治療

  • けいれんに対する抗てんかん薬

亜急性硬化性全脳炎の進行を止める手段はありません。けいれんを抑制したり、頻度を減らしたりするために抗てんかん薬を使うことがあります。

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