妊娠中に発症することが非常に多い、皮膚、尿路、気道などの感染症が重篤な問題を引き起こすことはありません。しかし感染症の中には分娩前もしくは分娩中に胎児に感染して、胎児に悪影響を与えたり、 流産 流産 流産とは、妊娠20週までに人為的でない原因によって胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む や 早産 切迫早産 妊娠37週以前に起こる陣痛は切迫早産とみなされます。 早産児として生まれた新生児には、深刻な健康上の問題が生じる可能性があります。 切迫早産の診断は通常明らかです。 安静にしたり、ときには薬剤を用いて、分娩を遅らせます。 抗菌薬やコルチコステロイドも必要な場合があります。 さらに読む の原因になったりするものもあります。また、妊娠中に抗菌薬を使用することが安全かどうかという懸念もあります。
問題を引き起こすことのある 性感染症 性感染症(STD)の概要 性感染症(性病)とは、例外はあるものの、一般的には性的接触によって人から人に感染する病気のことです。 性感染症を引き起こす病原体の種類としては、細菌、ウイルス、原虫などがあります。 キスや濃厚な体の接触を介して広がる感染症もあります。 感染が体の他の部分に広がり、ときには深刻な結果に至る場合もあります。... さらに読む には、以下のものがあります。
クラミジア感染症 クラミジア感染症とその他の非淋菌感染症 クラミジア感染症には、クラミジア・トラコマチス Chlamydia trachomatisという細菌により生じる、尿道、子宮頸部、直腸の性感染症などがあります。これらの細菌は、白眼の部分を覆う膜(結膜)やのどにも感染します。ウレアプラズマ属 Ureaplasmaやマイコプラズマ属 Mycoplasmaなどの他の細菌が尿道の感染症を引き起こすこともあります。... さらに読む
は、 切迫早産 切迫早産 妊娠37週以前に起こる陣痛は切迫早産とみなされます。 早産児として生まれた新生児には、深刻な健康上の問題が生じる可能性があります。 切迫早産の診断は通常明らかです。 安静にしたり、ときには薬剤を用いて、分娩を遅らせます。 抗菌薬やコルチコステロイドも必要な場合があります。 さらに読む や 前期破水 前期破水 前期破水とは、陣痛開始前のいずれかの時点で胎児の周りの羊水が流れ出ることです。 多くの場合、破水後まもなく陣痛が始まります。 破水して6~12時間以内に陣痛が始まらない場合には、妊婦と胎児の感染リスクが上昇します。 破水後まもなく陣痛が開始しない場合や妊娠34週以降の場合、または胎児の肺が成熟している場合には通常、人工的に陣痛を開始させます(誘発)。 妊娠34週未満で胎児の肺が十分に成熟していない場合には通常、妊婦を入院させ、注意深くモ... さらに読む の原因になることがあります。 新生児に眼の炎症(結膜炎) 新生児の結膜炎 結膜炎とは、結膜(まぶたの裏側と白眼を覆う膜)の炎症です。 結膜炎は、細菌、ウイルス、または化学物質への反応によって引き起こされます。 症状は様々ですが、眼の炎症や目やになどがみられることがあります。 診断は通常、眼の外観に基づいて下されます。 感染は、出生後に点眼薬または眼軟膏を使用することで予防できることがあります。 さらに読む
を引き起こすこともあります。
梅毒 梅毒 梅毒は、梅毒トレポネーマ Treponema pallidumという細菌によって引き起こされる性感染症です。 梅毒の症状は、見かけ上は健康な時期をはさんで、3段階で生じます。 まず患部に痛みのない潰瘍が現れ、第2期では、発疹、発熱、疲労感、頭痛、食欲減退がみられます。 治療しないでいると、第3期には、大動脈、脳、脊髄、その他の臓器が侵されることがあります。 医師は通常、患者に梅毒があることを確認するために2種類の血液検査を... さらに読む
は胎盤を通じて母体から胎児へ感染することがあります。 胎児の梅毒 新生児の梅毒 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる感染症です。出生前に感染した乳児には、重篤な問題が現れます。 梅毒は細菌によって引き起こされます。 妊娠中に重篤な合併症が発生することがあります。 新生児は無症状のこともあれば、重篤な症状と合併症を呈することもあります。 診断は一般に新生児と母親の血液検査に基づいて下されます。 さらに読む
はいくつかの先天異常を引き起こす可能性があり、新生児に問題が起こる可能性もあります。妊娠の初期に、妊婦には決まって梅毒検査を行います。通常、妊娠中に梅毒を治療すると、母子双方が治癒します。
ヒト免疫不全ウイルス 小児におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症とは、ある種の白血球を次第に破壊し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすウイルス感染症です。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症はHIV-1ウイルスとHIV-2ウイルスが原因で、幼児の場合一般的には分娩の際に母親から感染します。 感染の徴候には成長の遅れ、体の数カ所でのリンパ節の腫れ、発達の遅れ... さらに読む (HIV)に感染していて治療を行っていない場合、妊婦の約4分の1から3分の1に母子感染が起こります。専門家はHIVに感染している女性に対して妊娠中、抗レトロウイルス薬を服用することを勧めています。妊婦が複数の抗レトロウイルス薬を併用して服用すると、胎児のHIV感染のリスクを1%にまで低下させることができます。母体がHIVに感染している場合、計画的に帝王切開で分娩することにより、胎児へのHIV感染リスクをさらに低下できることもあります。妊娠によって母体のHIV感染症の進行が早まることはないようです。
性器ヘルペス 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚、口、唇(口唇ヘルペス)、眼、性器に、液体で満たされた、痛みのある小さな水疱が繰り返し発生します。 非常に感染力の強い ウイルス感染症であり、潰瘍に直接触れたり、ときには潰瘍がない場合でも患部に触れることで感染します。 ヘルペスウイルスは口の中や 性器に水疱や潰瘍を引き起こし、最初の感染時にはしばしば発熱と全身のけん怠感を伴います。... さらに読む
は経腟分娩の際に胎児に感染することがあります。ヘルペスウイルスに感染した新生児は、ヘルペス脳炎と呼ばれる生命を脅かす脳の感染症を起こすことがあります。新生児のヘルペス感染はその他の内臓にも損傷を与えたり、皮膚や口腔にヘルペス潰瘍を生じさせたり、永続的な脳損傷の原因になったりする可能性があり、死亡に至ることさえあります。妊娠後半に陰部にヘルペス潰瘍ができた場合や、妊娠後半になって初めてヘルペスを発症した場合は、胎児への感染を予防するため、通常は帝王切開が勧められます。潰瘍がみられず、ヘルペスの発症がより早期であった場合には、胎児の感染リスクは非常に低く、経腟分娩が可能です。
ジカウイルス感染症 ジカウイルス感染症 ジカウイルス感染症は蚊が媒介するウイルス感染症の一種であり、一般に症状を引き起こしませんが、発熱、発疹、関節痛、または白眼を覆う膜の感染症(結膜炎)がみられることもあります。妊婦のジカウイルス感染症は、新生児に小頭症(重大な先天異常)と眼の異常を引き起こすことがあります。 ジカウイルスは蚊によって広がりますが、性交や輸血によって感染することや、出生前や出生時に母親から子どもに感染することもあります。... さらに読む
の妊婦では、子どもの頭部が小さくなることがあります(小頭症 小頭症 小頭症とは、頭が異常に小さい状態のことです。たいていの場合、脳が小さく不完全に発達したことが原因で頭が小さくなります。 小頭症は遺伝子異常や、感染症、脳の異常など、様々な病態によって引き起こされます。 重度の小頭症がある新生児には、通常は脳損傷の症状がみられます。 診断は、出生前であれば超音波検査によって、出生後であれば頭囲の測定によって下されます。 通常は脳の異常を探すために画像検査を行い、ときに原因を調べるために血液検査を行います。 さらに読む
)。頭部が正常に発達していないため、小さくなります。ジカウイルス感染症は子どもの眼の異常の原因になることもあります。ジカウイルスは蚊によって広がりますが、性交や輸血によって感染することや、出生前や出生時に母親から子どもに感染することもあります。
性感染症以外の感染症で問題を起こす可能性があるのは、以下のものです。
風疹 風疹 風疹は、典型的には関節痛や発疹などの軽い症状を引き起こす感染力の強いウイルス感染症ですが、妊娠中の母親が風疹に感染すると、新生児に重い先天異常が起きます。 風疹の原因はウイルスです。 典型的な症状としては、リンパ節の腫れ、口蓋(こうがい)に出るバラ色の斑点、特徴的な発疹などがあります。 診断は症状に基づいて下されます。 定期予防接種で予防できます。 さらに読む
では、特に出生前に胎児が十分に成長しない(在胎不当過小 在胎不当過小(SGA:Small for Gestational Age)の新生児 同じ在胎期間で生まれた新生児の90%が占める体重分布よりも体重が軽い(10パーセンタイル未満)新生児は、在胎期間に比べて小さい(在胎不当過小)とみなされます。 両親が小柄である、胎盤が正常に機能しなかった、母親に病気がある、母親が薬を飲んでいる、母親が妊娠中に喫煙した、飲酒したなどの場合に、新生児の体重が小さくなります。 感染症や遺伝性疾患がない限り、在胎不当過小の新生児のほとんどは、ほかには症状がみられず健康です。... さらに読む )、白内障、 心臓の先天異常 心臓の異常の概要 約100人に1人は心臓に異常をもって生まれます。重症の場合もありますが、多くはそうではありません。心臓の異常には心臓壁、弁、心臓に出入りする血管の異常形成などがあります。 哺乳不良、呼吸困難、青みがかった皮膚、正常に発育しない、あるいは正常に運動できない、速い心拍、失神のほか、乳児が成長するに従って運動中の胸痛といった症状がみられます。... さらに読む 、難聴、発達の遅れなどの問題が起こる可能性があります。
サイトメガロウイルス感染症 サイトメガロウイルス(CMV)感染症 サイトメガロウイルス感染症はよくみられるヘルペスウイルス感染症で、症状が出ないものから、発熱と疲労感が出るもの(伝染性単核球症に似たもの)、また、眼や脳、その他の内臓を侵す重い症状が生じるものまで、症状は多岐にわたります。 この ウイルスは、体の分泌物と接触(性的接触とそれ以外の接触の両方)することで感染します。 ほとんどの人では何の症状もみられませんが、気分が悪くなって熱が出る場合もあり、免疫機能が低下している人が感染すると、失明など... さらに読む では、ウイルスが胎盤を通過して胎児の肝臓や脳に損傷を起こし、胎児の成長が在胎期間の割に遅くなることがあります。
水痘 水痘(水ぼうそう) 水痘とは、水痘帯状疱疹ウイルスによる、感染力が非常に強い ウイルス感染症で、かゆみのある特徴的な発疹が現れます。発疹は小さな斑点で、盛り上がったり、水疱(水ぶくれ)を形成したり、かさぶたができたりします。 水痘はほとんどが小児に起こりますが、水痘ワクチンのおかげで発生数は大幅に減少しています。 発疹が現れる前に、軽い頭痛、中等度の発熱、食欲低下、全身のけん怠感がみられます。 診断は症状(特に発疹)に基づいて下されます。... さらに読む
(水ぼうそう)は流産のリスクを高めます。胎児の眼に異常が起こったり、 四肢の欠損 顔面、骨、関節、および筋肉の先天異常に関する序 顔面および四肢の先天異常はかなり多くみられます。体の特定の部分、例えば口( 口唇裂または 口蓋裂[こうがいれつ])や足( 内反足)だけが侵されることがあります。多くの異常を伴う遺伝性症候群の一部である場合もあり、その例としては先天異常が顔面だけでなく他の多くの部位にも現れるトリーチャー・コリンズ症候群などがあります。... さらに読む 、盲目、知的障害の原因になることがあります。胎児の頭部が正常よりも小さくなることがあります(小頭症)。
原虫感染症である トキソプラズマ症 トキソプラズマ症 トキソプラズマ症は、単細胞の寄生虫であるトキソプラズマ原虫 Toxoplasma gondiiによる感染症です。通常は症状を引き起こしませんが、一部の患者ではリンパ節の腫れ、発熱、漠然とした体調の悪さがみられ、ときにはのどの痛みまたはかすみ目や眼の痛みが現れることもあります。エイズまたは他の病気によって免疫機能が低下している人では、トキソプラズマ症が再活性化することがあり、その場合、通常は脳に影響が及びます。感染症が再活性... さらに読む は、 流産 流産 流産とは、妊娠20週までに人為的でない原因によって胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む 、胎児の死亡、重篤な先天異常の原因になることがあります。
細菌感染症である リステリア症 リステリア症 リステリア症は、リステリア菌 Listeria monocytogenesという グラム陽性細菌によって引き起こされる感染症で、通常は汚染された食べものを摂取することで感染します。 人はリステリア菌で汚染された乳製品や生野菜、肉、冷蔵食品(食べる前に加熱調理の必要がないもの)などを食べてしまうことがあります。 発熱、悪寒、筋肉痛に加えて、吐き気、嘔吐、下痢がみられます。... さらに読む は、 早産 切迫早産 妊娠37週以前に起こる陣痛は切迫早産とみなされます。 早産児として生まれた新生児には、深刻な健康上の問題が生じる可能性があります。 切迫早産の診断は通常明らかです。 安静にしたり、ときには薬剤を用いて、分娩を遅らせます。 抗菌薬やコルチコステロイドも必要な場合があります。 さらに読む 、 流産 流産 流産とは、妊娠20週までに人為的でない原因によって胎児が失われることです。 胎児側の問題(遺伝性疾患や先天異常など)によっても母体側の問題(生殖器の構造的異常、感染症、コカインの使用、飲酒、喫煙、けがなど)によっても流産が起こりますが、多くの場合、原因は不明です。 出血や筋けいれんが起こることがありますが、特に妊娠して週数が経過している場合にはよく起こります。 医師は子宮頸部を診察し、通常は超音波検査も行います。... さらに読む 、 死産 死産 死産とは妊娠20週以降に胎児が死亡することです。 妊娠合併症は、妊娠中だけに発生する問題です。母体に影響を及ぼすもの、胎児に影響を及ぼすもの、または母子ともに影響を及ぼすものがあり、妊娠中の様々な時期に発生する可能性があります。しかし、ほとんどの妊娠合併症は効果的に治療できます。死産は次回以降の妊娠における胎児の死亡リスクを上昇させます。 妊娠後半または満期近くに胎児が死亡し、何週間も子宮内にとどまっていると、重度の出血を引き起こす凝固... さらに読む のリスクを高めます。新生児が感染していても、生後数週間経つまで症状がみられないことがあります。
腟の細菌感染症(細菌性腟症 細菌性腟症 細菌性腟症は、腟内細菌のバランスが崩れたときに起こる腟感染症です。 性感染症にかかっている人や、複数のセックスパートナーがいる人、子宮内避妊器具を使用している人では、細菌性腟症が起こりやすくなります。 細菌性腟症があると灰色や白色で生臭い匂いのあるサラサラした分泌物が大量にみられることがあります。 症状から腟感染症が疑われる場合は、おりものや子宮頸部の分泌液のサンプルを検査して、感染症を引き起こす微生物の有無を調べます。... さらに読む など)から切迫早産や 前期破水 前期破水 前期破水とは、陣痛開始前のいずれかの時点で胎児の周りの羊水が流れ出ることです。 多くの場合、破水後まもなく陣痛が始まります。 破水して6~12時間以内に陣痛が始まらない場合には、妊婦と胎児の感染リスクが上昇します。 破水後まもなく陣痛が開始しない場合や妊娠34週以降の場合、または胎児の肺が成熟している場合には通常、人工的に陣痛を開始させます(誘発)。 妊娠34週未満で胎児の肺が十分に成熟していない場合には通常、妊婦を入院させ、注意深くモ... さらに読む が起こることがあります。
肝炎 肝炎の概要 肝炎は肝臓の炎症です。 ( 急性ウイルス性肝炎の概要と 慢性肝炎の概要も参照のこと。) 肝炎は世界中でみられる病気です。 肝炎には以下の種類があります。 急性(経過が短い) さらに読む は性行為により感染しますが、他の経路で感染することもしばしばあります。そのため一般的に性感染症とみなされていません。 妊婦における肝炎 肝炎 肝疾患の中には、妊娠中だけに生じるものがあります。あるいは、 胆石、 肝硬変、 肝炎などのように妊娠前から存在するか、偶然妊娠中に起こるものもあります。 妊娠中のホルモンの変化により、肝臓や胆嚢に問題が起こることがあります。こうした問題には軽微で一過性の症状しか生じないものもあります。 妊娠によるホルモンの正常な働きにより、胆管を通る胆汁の流れが遅くなることがあります。このように胆汁の流れが遅くなることを... さらに読む では、 早産 早産児 早産児とは、在胎37週未満で生まれた新生児です。生まれた時期により、早産児の臓器は発達が不十分であるため、子宮外で機能する準備がまだできていないことがあります。 早産の既往、多胎妊娠、妊娠中の栄養不良、出生前ケアの遅れ、感染症、生殖補助医療(体外受精など)、および高血圧などがある場合に、早産児を出産するリスクが高くなります。 多くの臓器の発達が不十分であるため、早産児では呼吸したり哺乳したりすることが難しく、脳内出血、感染症や他の異常が... さらに読む のリスクが高まります。分娩時に母親から子どもに感染することもあり、問題が生じます。
治療
ときに薬剤(便益とリスクのバランスによる)
妊婦に抗菌薬を使用するかどうか判断する際には、医師は薬剤の使用によるリスクと問題の感染症によるリスクを比較して検討します。
一般に、ペニシリン系、セファロスポリン系、およびエリスロマイシンに関連する薬剤(マクロライド系薬剤)などの 抗菌薬 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は微生物を殺すか、その増殖を止めることによって、体に 自然に備わっている防御機構 が微生物を排除するのを助けます。 抗菌薬は特定の細菌感染症に対して使用します。しかし、... さらに読む は妊娠中に使用しても安全であると考えられています。
それ以外の抗菌薬(テトラサイクリン系とフルオロキノロン系を含む)は、胎児に問題を引き起こす可能性があります(表「 妊娠中に問題を引き起こす可能性がある主な薬剤 妊娠中に問題を引き起こす可能性がある主な薬剤* 」を参照)。
医師は、治療が便益をもたらす可能性があるかについても検討します。例えば、妊婦が細菌性腟症にかかっていても症状がなく、かつ妊娠がハイリスクと考えられない場合、細菌性腟症の治療に便益があるかどうかは明らかではありません。