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授乳期間中の薬の使用

執筆者:

Ravindu Gunatilake

, MD, Valley Perinatal Services;


Avinash S. Patil

, MD, University of Arizona

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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母乳哺育中に母親が薬剤を使用しなければならなくなると、授乳をやめるべきかどうか迷います。答えは以下の条件によって変わってきます。

  • 母乳に移行する薬剤の量

  • 薬剤が乳児に吸収されるかどうか

  • 薬剤は乳児にどのような影響を与えるか

  • 乳児の哺乳量はどのくらいか(乳児の月齢と母乳以外の食事や水分の摂取量により異なる)

アドレナリンやヘパリン、インスリンなどの薬剤は母乳に移行しないため、安全に使用できます。ほとんどの薬剤が母乳に移行しますが、移行する量は通常ごくわずかです。ただし、少量でも乳児に有害となる薬剤もあります。

母乳に移行するものの、乳児の体内でほとんど吸収されないために、乳児に影響を及ぼさない薬剤もあります。例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリンなどの抗菌薬があります。

可能なときは、授乳の直後か乳児が最も長く眠る時間帯の前に薬剤を服用します。

授乳中に比較的安全な薬剤

市販薬(処方なしで購入できる薬剤)の多くは、安全と考えられています。その例外として、抗ヒスタミン薬(せき止め、かぜ薬、抗アレルギー薬、乗り物酔いの薬剤、睡眠補助薬に一般的に含まれる)があるほか、アスピリンやその他のサリチル酸系薬剤も、長期にわたり多量に使用する場合には安全ではありません。アセトアミノフェンやイブプロフェンは通常の用量であれば安全とみられています。

皮膚、眼、鼻に用いる局所用薬(外用薬)や吸入薬は、たいてい安全です。

降圧薬の多くは、授乳期間中に使用しても乳児に大きな問題は生じません。しかし、授乳期間中にベータ遮断薬を使用する場合には、心拍数の減少や低血圧などの副作用の可能性があるため、定期的に乳児を検査すべきです。

カフェインテオフィリンが乳児に害を及ぼすことはありませんが、乳児に易刺激性が生じることがあります。乳児の心拍数や呼吸数が増加することがあります。

授乳期間中でも安全に使用できると報告されている薬剤もありますが、授乳中の女性は、市販薬や薬用ハーブも含めたあらゆる薬剤について、使用する前に医療従事者に相談するのがよいでしょう。また、すべての薬剤について、授乳期間中の使用に対する警告などが書かれていないか、添付文書の記載事項を確認するべきです。

知っていますか?

  • 授乳期間中でも安全に使用できると報告されている薬剤もありますが、授乳中の女性は、市販薬や薬用ハーブも含めたあらゆる薬剤について、使用する前に医療従事者に相談するのがよいでしょう。

医師の監督を必要とする授乳期間中の薬剤

医師の監督下でしか使用できない薬剤もあります。授乳を続けながら安全に服用するためには、以下が必要です。

  • 用量の調整

  • 使用期間の制限

  • 服薬と授乳のタイミングの調整

ほとんどの抗不安薬抗うつ薬抗精神病薬は、乳児に重大な副作用が起きる可能性は低いと考えられていますが、医師の監督下で使用する必要があります。ただし、このような薬剤は体に長時間とどまります。生後数カ月の乳児では薬剤を体外にうまく排出できないことがあり、乳児の神経系に影響が出ることがあります。例えば授乳中の母親がジアゼパム(ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)を使用すると、乳児に嗜眠、眠気、体重減少を引き起こすことがあります。フェノバルビタール(バルビツール酸系の抗けいれん薬)は、乳児では排出に時間がかかるため、過度の眠気を引き起こすことがあります。こういった作用があるため、ベンゾジアゼピン系やバルビツール酸系の薬剤を使用する場合、医師は用量を減らし、授乳中の母親の使用状況をモニタリングします。

ワルファリン(血液の凝固を防ぐ薬剤)は、乳児が正期産で健康に産まれていれば、使用できます。 ワルファリンは、母乳に移行しないとみられています。授乳中の母親を含め、 ワルファリンを服用する患者は、血液が正常に凝固するかを確認するために定期的な血液検査を受ける必要があります。 ワルファリンの使用により、あざや出血が起きやすい傾向になることがあります。したがって、安全のために医師は定期的に子どもにあざや出血の徴候がないか確認します。

授乳期間中に使用してはならない薬剤

授乳期間中に母親が使用してはならない薬剤もあります。具体的には以下のものがあります。

母乳の分泌を抑制する可能性のある薬剤としては、ブロモクリプチン(パーキンソン病の治療に用いられる)、エストロゲン、高用量の エストロゲンとプロゲスチンを含有する経口避妊薬、トラゾドン(抗うつ薬)、レボドパなどがあります。

授乳中に、乳児への有害性が懸念される薬剤をどうしても服用しなければならない場合は、授乳を中止します。しかし、薬剤の服用をやめた後に授乳を再開することは可能です。そのような場合には母乳が止まらないように服薬期間中も搾乳を続け、母乳は廃棄します。

喫煙している女性は喫煙してから2時間以内には授乳しないようにします。また母乳を与えているかどうかにかかわらず、乳児がいる場所での喫煙は厳禁です。喫煙は母乳の分泌量を減らし、乳児の順調な体重増加を妨げます。

大量の飲酒は乳児に眠気を生じさせ、大量に発汗させることがあります。乳児の身長が順調に伸びないことや、体重が過剰に増えることがあります。1日当たりの基準飲酒量(standard drink per day)までの飲酒は、母乳哺育の乳児に害を与えることはないとみられており、特に母親が1回の飲酒から授乳までに少なくとも2時間待つ場合にこれが当てはまります。

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