胎盤が子宮から剥がれるのが早すぎた結果として起こる死産が最も一般的です(常位胎盤早期剥離)。ときに、死産の原因が明らかでないこともあります。
母体に以下のような状態があると、胎児が死亡する可能性があります。
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コントロール不良の糖尿病
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妊娠高血圧腎症(妊娠中に発症する高血圧の一種)
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胎児を包んでいる膜の感染症(羊膜感染)
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けが
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抗リン脂質抗体症候群(血液凝固障害の一種)
胎児に貧血、染色体異常や遺伝子異常、先天異常、感染症などの問題がある場合に死亡することがあります。
胎盤の問題も胎児の死亡の原因になることがあり、そのような問題には、以下のものがあります:
妊娠後半または満期近くに胎児が死亡し、何週間も子宮内にとどまっていると、重度の出血を引き起こす凝固障害(播種性血管内凝固症候群)が発生する可能性があります。
診断
通常、胎児が成長するにつれ動けるスペースが狭くなっていくため胎動は減りますが、胎動が止まった場合には胎児の死亡が疑われることがあります。通常、ノンストレステスト、超音波検査、分娩監視装置による胎児モニタリングなどの検査を行い、胎児の状態を評価します({blank} 胎児のモニタリング)。
原因を特定するため、医師は遺伝子検査や血液検査(感染症、糖尿病、甲状腺の病気、抗リン脂質抗体症候群などを調べる検査)を行います。また、感染症や染色体異常などの考えられる原因があるかどうかを調べるために、胎児の検査も勧められます。胎盤や子宮を調べます。多くの場合、原因が確定できません。
治療
死亡した胎児が排出されない場合には、子宮頸管を開大させるため、ミソプロストールなどのプロスタグランジン(ホルモンに似た薬剤で子宮の収縮を刺激する)を投与することがあります。その後、妊娠期間の長さによって、通常は陣痛促進薬のオキシトシンを投与します。
胎児や胎盤の組織の一部が子宮内に残っている場合は吸引掻爬で除去します。妊娠週数が進んでいる場合(例えば12~14週以降)、頸管拡張・内容除去を行って死亡した胎児の体を除去することもあります。頸管拡張・内容除去の前に、水分を吸収して膨張する乾燥させた海藻の茎などの天然物質や薬剤(ミソプロストールなど)を用いて、子宮頸管が開くようにすることもあります。
死産を経験した女性のケアは、分娩後に通常提供されるケアと同様です(産褥期のケア)。
播種性血管内凝固症候群が発生した場合、必要に応じて輸血を行います。
死産後の女性に生じる変化は、流産後に起こる変化と似ています。多くの女性は胎児が失われたことに悲嘆を感じ、精神的なサポートおよびときにカウンセリングが必要になります。
将来の妊娠で死産が生じる可能性は、原因によって異なります。