胎盤が子宮から剥がれるのが早すぎた結果として起こる死産が最も一般的です(常位胎盤早期剥離 常位胎盤早期剥離 常位胎盤早期剥離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、通常は妊娠20週以降に剥がれてしまうことです。 性器出血や激しい腹痛が起こり、ショック状態を起こすことがあります。 胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえあります。 医師は症状に基づいて常位胎盤早期剥離を診断し、ときに超音波検査を行って診断を確定します。 活動を制限するだけでよい場合もありますが、出血が続く場合や胎児が危険な状態である場合... さらに読む )。ときに、死産の原因が明らかでないこともあります。
母体に以下のような状態があると、胎児が死亡する可能性があります。
コカイン 妊娠中のコカイン 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。先天異常の約2~3%は、病気や症状の治療に使... さらに読む などの薬物使用、飲酒 妊娠中のアルコール 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。先天異常の約2~3%は、病気や症状の治療に使... さらに読む 、喫煙 妊娠中の喫煙(タバコ) 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。先天異常の約2~3%は、病気や症状の治療に使... さらに読む
けが
胎児に貧血、染色体異常や遺伝子異常 染色体異常症と遺伝子疾患の概要 染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパクの設計情報が記録された領域で、物質としてはDNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体)。 人間の正常な細胞は、精子と卵子を除いて、いずれも23対、計46本の染色体をもっています。... さらに読む 、先天異常 先天異常の概要 先天異常あるいは先天奇形は、出生前の段階で生じる身体的な異常のことをいいます。それらの異常はたいてい出生時、あるいは生後1年以内に明らかになります。 ほとんどの先天異常の原因は不明ですが、感染性要因、遺伝的要因とある種の環境要因は先天異常発生のリスクを高くします。 出生前の段階では、母親の危険因子と超音波検査の結果のほか、ときに血液検査、... さらに読む 、感染症などの問題がある場合に死亡することがあります。
胎盤の問題も胎児の死亡の原因になることがあり、そのような問題には、以下のものがあります:
胎児への血流を低下させる状態(これにより酸素と栄養分の供給も低下)
出血
その他の臍帯の問題(結節など)
妊娠後半または満期近くに胎児が死亡し、何週間も子宮内にとどまっていると、重度の出血を引き起こす凝固障害(播種性血管内凝固症候群 播種性血管内凝固症候群(DIC) 播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群は、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気です。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こします。 感染や手術など、考えられる原因はいくつかあります。 必要以上の血液凝固は過度の出血を引き起こします。 血液中の凝固因子の量を測定します。 原因になっている病気を治療します。 さらに読む )が発生する可能性があります。
診断
医師による評価
原因を特定するための検査
通常、胎児が成長するにつれ動けるスペースが狭くなっていくため胎動は減りますが、胎動が止まった場合には胎児の死亡が疑われることがあります。通常、ノンストレステスト、超音波検査、分娩監視装置による胎児モニタリングなどの検査を行い、胎児の状態を評価します( 胎児のモニタリング 胎児のモニタリング )。
原因を特定するため、医師は遺伝子検査や血液検査(感染症、糖尿病、甲状腺の病気、抗リン脂質抗体症候群などを調べる検査)を行います。また、感染症や染色体異常などの考えられる原因があるかどうかを調べるために、胎児の検査も勧められます。胎盤や子宮を調べます。多くの場合、原因が確定できません。
治療
必要があれば、胎児を排出する薬剤および子宮内に残った組織を除去する処置
心理的なサポートおよびカウンセリング
死亡した胎児が排出されない場合には、子宮頸管を開大させるため、ミソプロストールなどのプロスタグランジン(ホルモンに似た薬剤で子宮の収縮を刺激する)を投与することがあります。その後、妊娠期間の長さによって、通常は陣痛促進薬のオキシトシンを投与します。
胎児や胎盤の組織の一部が子宮内に残っている場合は吸引掻爬 手術による中絶 人工妊娠中絶は、手術や薬剤などの医学的手段によって妊娠を人為的に終わらせることです。 手術で子宮の内容物を取り除くか、あるいは特定の薬剤を服用することで妊娠を終わらせます。 訓練を受けた医療従事者が医療機関内で中絶を行った場合、合併症の発生はまれです。 人工妊娠中絶を受けることで以後の妊娠中の胎児、妊婦のリスクが上昇することはありません。 世界各地での人工妊娠中絶の扱いは、法的に禁止されていたり、希望に応じて可能であったりと様々です。現... さらに読む で除去します。妊娠週数が進んでいる場合(例えば12~14週以降)、頸管拡張・内容除去を行って死亡した胎児の体を除去することもあります。頸管拡張・内容除去の前に、水分を吸収して膨張する乾燥させた海藻の茎などの天然物質や薬剤(ミソプロストールなど)を用いて、子宮頸管が開くようにすることもあります。
死産を経験した女性のケアは、分娩後に通常提供されるケアと同様です(産褥期のケア 入院中 分娩後に母体が妊娠前の状態に戻るまでの6週間の期間を産褥期といいます。 分娩後に起こる症状はいくつかありますが、軽度で一時的なものがほとんどです。合併症が起こることはめったにありません。しかし、たいていの場合は医師や病院のスタッフによって、産後のフォローアップのための来院や往診を行う予定が立てられます。... さらに読む )。
播種性血管内凝固症候群が発生した場合、必要に応じて輸血を行います。
死産後の女性に生じる変化は、流産後に起こる変化と似ています。多くの女性は胎児が失われたことに悲嘆を感じ、精神的なサポートおよびときにカウンセリングが必要になります。
将来の妊娠で死産が生じる可能性は、原因によって異なります。