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乳房のしこり

執筆者:

Mary Ann Kosir

, MD, Wayne State University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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乳房のしこり(腫瘤)とは、周囲の乳房組織と違って感じられる肥厚または膨らみのことです。しこりは乳房の自己検診中に偶然見つかったり、医師による定期的な身体診察中に見つかることもあります。

乳房の病気の概要も参照のこと。)

乳房のしこりは比較的よくみられますが、その多くはがんではありません。

知っていますか?

  • 乳房のしこりのほとんどはがんではありませんが、良性(がんではない)のしこりと悪性(がん)のしこりの区別は難しいため、検査が必要です。

しこりには痛みがあることもないこともあります。ときに乳頭からの分泌物や、不規則な表面、発赤、でこぼこした質感(橙皮状皮膚[ミカンの皮]と呼ばれる)などの皮膚の変化、または皮膚のひきつりを伴うことがあります。

乳房のしこりは、液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)である場合と、中身の詰まった充実性の病変(通常は線維腺腫)である場合があります。線維腺腫は悪性ではなく、嚢胞も通常は悪性ではありません。

原因

乳房のしこりの一般的な原因

最も一般的な原因としては以下のものがあります。

  • 線維腺腫

  • 線維嚢胞性変化

典型的な線維腺腫は、滑らかで丸く、動くしこりで、痛みはありません。妊娠可能年齢の女性に多く発生します。線維腺腫は乳がんと間違えられることがありますが、がんではありません。線維腺腫の種類の中には、乳がんのリスクを上昇させるとは考えられていないものがあります。また、乳がんのリスクをわずかに高くする可能性のある線維腺腫もあります。

線維嚢胞性変化には、乳房の痛み、嚢胞、しこりなどがあります。みられる症状はこれらの1つまたは複数の場合もあります。乳房はごつごつとして重く感じられ、触れるとしばしば圧痛があります。

ほとんどの女性では、線維嚢胞性変化は女性ホルモンの エストロゲン プロゲステロンの濃度の毎月の変動と関係しています。これらのホルモンは乳房の組織を刺激します。

線維嚢胞性変化は乳がんのリスクを上昇させることはありません。

乳房のしこりの他の原因

以下の原因からしこりが生じることがあります。

  • 乳房の感染症、乳房に膿がたまる(膿瘍)ことによるものを含むが、これは出産後数週間を除いて非常にまれ

  • 乳管の詰まり(乳瘤)、授乳をやめて通常は6~10カ月までに起こる

  • 外傷、瘢痕組織の形成につながる可能性がある

感染症、乳瘤、瘢痕組織の形成は乳がんのリスクを上昇させません。

評価

警戒すべき徴候

以下の症状や特徴には注意が必要です。

  • しこりが皮膚または胸壁に張り付いている

  • しこりが硬く、表面が不規則

  • しこり近くの皮膚にくぼみがある

  • 複数のリンパ節が融合しているか、皮膚または胸壁に張り付いている

  • 乳頭からの分泌物に血が混じっている

  • 乳房の皮膚が厚くなり、赤くなっている

受診のタイミング

乳房にしこりがみられる場合は、めったにありませんが、がんの可能性があるため、3~7日以内に医師の診察を受ける必要があります。

発赤、腫れ、膿の排出といった感染症の徴候がみられない限り、1週間程度の遅れは問題になりません。これらの症状がある場合は、1~2日以内に受診すべきです。

医師が行うこと

医師は、患者にしこりについて、どれくらい前からあるか、現れたり消えたりするか、痛みがあるかなどを質問します。医師はまた、乳頭からの分泌物や、体重減少、疲労、骨痛(進行がんを示唆している可能性がある)といった全身症状などの他の症状についても質問します。医師は患者に、乳がんの危険因子を含む、病歴と家族歴についても質問します。

次に身体診察を行いますが、乳房とその周辺に焦点が置かれます( 乳がん : スクリーニング)。医師は乳房を観察し、異常、皮膚の変化、乳頭からの分泌物がないか確認します。また、以下を判断するためにしこりに触れて調べます(触診)。

  • 大きさ

  • 硬いか柔らかいか

  • 表面は滑らかか不規則か

  • 痛みがあるか

  • 押すと自由に動くか、皮膚または胸壁に張り付いているか

若い女性にみられるしこりで、痛みを伴う、ゴムのような感触のものは通常、線維嚢胞性変化で、以前に同様のしこりが生じたことがある場合は特にそうです。

医師は左右の乳房の形状と大きさが同程度かを判断し、各乳房について、異常(特に、警戒すべき徴候)がないか確認します。警戒すべき徴候がみられる場合、がんの可能性が高くなります。

医師はわきの下および鎖骨の上のリンパ節も触診し、リンパ節の腫れや痛みがないか確認します。

検査

身体診察中に乳房のしこりが悪性のもの(がん)かどうかを判断するのは難しく、がんを見逃すと深刻な結果につながるため、通常は検査が必要です。

充実性のしこりを嚢胞(がんであることはまれ)と区別するため、一般的にはまず超音波検査を行います。

しこりが嚢胞と考えられ、痛みや乳頭からの分泌物などの症状を引き起こしている場合、嚢胞にシリンジの付いた針を刺し、液体を抜き取って(吸引と呼ばれる)調べます。以下のいずれかの場合にのみ、液体にがん細胞が含まれていないか検査します。

  • 液体に血が混じっている、または濁っている

  • ほとんど液体が抜き取れない

  • 吸引後もしこりが残る

これらがなければ、4~8週間後に再度受診します。このときに嚢胞が触知できなければ、良性と考えられます。また嚢胞ができていれば再度吸引し、その見た目にかかわらず液体を分析に出します。3回目に嚢胞がまたできている場合、または吸引してもなくならない場合は、しこりの組織サンプルを採取またはしこり全体を切除し、顕微鏡で検査します(生検)。

しこりが充実性と考えられる場合、一般的にマンモグラフィーを行った後、生検を行います。医師は以下のタイプの生検のうち1つを行います。

  • 穿刺吸引細胞診:細い針の付いたシリンジを使ってしこりから細胞を吸引します。

  • コア針生検:先端が特殊なより太い針を使用して、乳房組織の大きなサンプルを採取します。

  • 直視下(外科的)生検:医師が皮膚および乳房組織を小さく切開し、しこりの一部または全部を切除します。このタイプの生検は、針生検ができない場合(しこりが触知できないなど)に行われます。針生検でがんが検出されなかった後に、針生検でがんを見逃していないことを確かめるために行われる場合もあります。

超音波またはマンモグラフィーの画像を見ながら、針を目的の位置まで進めます。ほとんどの場合、これらの検査のために入院する必要はありません。通常は、局所麻酔のみで行われます。

治療

線維嚢胞性変化の治療は、原因および症状の有無によって異なります。

線維嚢胞性変化では、スポーツ用ブラジャーなどの柔らかいサポートブラジャーの着用や、アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などの痛み止めの使用が、症状の緩和に役立つことがあります。

嚢胞の液体を抜き取ることもあります。

線維腺腫は、次第に大きくなっている場合や痛みがある場合、または患者の希望がある場合には通常、切除します。線維腺腫が小さい場合、低温を用いて破壊できる場合があります(凍結療法)。通常は、局所麻酔のみで行われます。しかし、線維腺腫を1つ切除した後、乳房の他の部位にまた線維腺腫が生じる可能性があります。過去に何度もしこりを摘出して良性であることが判明している場合には、医師と相談して新しいしこりができても摘出せずに様子をみることもあります。線維腺腫を切除したかどうかにかかわらず、医師が変化を確認できるよう、定期的に健診を受けるべきです。

乳がんと診断された場合、乳がんの治療は通常、腫瘍の切除手術と放射線療法、化学療法、ホルモン剤などから構成されます。

要点

  • ほとんどの乳房のしこりはがんではありません。

  • 診察で良性と悪性とのしこりを区別することは難しいため、通常は検査が行われます。

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