乳腺嚢胞

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レビュー/改訂 2022年 6月
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乳腺嚢胞は、乳房に生じる液体がたまった袋です。

    乳房の病気の概要および乳房のしこりも参照のこと。)

    乳腺嚢胞は、よくみられます。一部の女性では、嚢胞が頻繁に発生し、ときに乳房の線維腺組織(線維性結合組織と腺で構成される)に他の変化も伴います。嚢胞に痛みやでこぼこした感じなどの変化を伴う場合は、線維嚢胞性変化と呼ばれます。

    外傷が関係していることもありますが、はっきりした原因は分かっていません。

    嚢胞の大きさは、ごく小さなものから数インチ程度(1インチは2.54センチメートル)まで様々です。

    乳腺嚢胞は乳房痛の原因になることがあります。痛みを緩和するため、乳房に細い針を刺して中にたまった液体を抜き取ることがあります(吸引と呼ばれます)。以下のいずれかの場合にのみ、吸引した液体を顕微鏡で検査し、がんがないか調べます。

    • 液体に血が混じっている、または濁っている

    • ほとんど液体が抜き取れない

    • 液体を抜き取った後もしこりが残る

    これらがなければ、4~8週間後に再度受診します。このときに嚢胞が触知できなければ、良性と考えられます。また嚢胞ができていれば再度液体を抜き取り、顕微鏡で検査します。3回目に嚢胞がまたできている場合、または吸引してもなくならない場合は、生検を行います。

    まれですが、乳がんが疑われる場合には嚢胞を切除します。

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