症状として、片方または両方の眼に流涙(りゅうるい)、痛み、かすみ目、明るい光への過敏などがみられます。
診断は、医師の評価と他の病気を除外するための血液検査によって下されます。
原因となる感染症の治療を行います。
(角膜の病気に関する序 角膜の病気に関する序 角膜とは、虹彩と瞳孔の前にある透明な層です。角膜は、虹彩と水晶体を保護し、光が網膜に焦点を結ぶのを助ける働きをしています。角膜は細胞、タンパク質、液体からできています。角膜は脆弱(ぜいじゃく)に見えますが、爪とほとんど同じくらいの硬さです。しかし、接触には極めて敏感です。 角膜の病気には以下のものがあります。... さらに読む も参照のこと。)
眼の内部の構造
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角膜実質炎は米国ではまれです。ほとんどのケースが、 先天梅毒 新生児の梅毒 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる感染症です。出生前に感染した乳児には、重篤な問題が現れます。 梅毒は細菌によって引き起こされます。 妊娠中に重篤な合併症が発生することがあります。 新生児は無症状のこともあれば、重篤な症状と合併症を呈することもあります。 診断は一般に新生児と母親の血液検査に基づいて下されます。 さらに読む の合併症として小児または青年に発生します。角膜実質炎のその他の原因として、 コーガン症候群 コーガン症候群 コーガン症候群は、眼のまれな自己免疫疾患で、角膜に影響を与えることがあります。 眼の痛み、視力低下、明るい光への過敏、眼の発赤が一般的な症状です。 診断は、医師の評価と他の病気を除外するための血液検査によって下されます。 治療はコルチコステロイド点眼薬とコルチコステロイドの錠剤によって行います。 ( 角膜の病気に関する序も参照のこと。) さらに読む 、 ライム病 ライム病 ライム病は、スピロヘータと呼ばれるらせん状の細菌(図「 主な細菌の形」を参照)の一属である、ボレリア属 Borrelia(米国では主にライム病ボレリア Borrelia burgdorferi)によって引き起こされる、ダニを介してうつる感染症です。 ほとんどの人は、ライム病がみられる山間地域での野外活動中に、ライム病ボレリア Borrelia... さらに読む
、 エプスタイン-バーウイルス 伝染性単核球症 エプスタイン-バーウイルスは、伝染性単核球症をはじめ、いくつかの病気を引き起こします。 この ウイルスはキスを介して広がります。 症状は様々ですが、最も多いのは極度の疲労感、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れです。 血液検査を行って診断を確定します。 アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は発熱と痛みを和らげます。 さらに読む
、 後天性梅毒 梅毒 梅毒は、梅毒トレポネーマ Treponema pallidumという細菌によって引き起こされる性感染症です。 梅毒の症状は、見かけ上は健康な時期をはさんで、3段階で生じます。 まず患部に痛みのない潰瘍が現れ、第2期では、発疹、発熱、疲労感、頭痛、食欲減退がみられます。 治療しないでいると、第3期には、大動脈、脳、脊髄、その他の臓器が侵されることがあります。 医師は通常、患者に梅毒があることを確認するために2種類の血液検査を... さらに読む
、 単純ヘルペス 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚、口、唇(口唇ヘルペス)、眼、性器に、液体で満たされた、痛みのある小さな水疱が繰り返し発生します。 非常に感染力の強い ウイルス感染症であり、潰瘍に直接触れたり、ときには潰瘍がない場合でも患部に触れることで感染します。 ヘルペスウイルスは口の中や 性器に水疱や潰瘍を引き起こし、最初の感染時にはしばしば発熱と全身のけん怠感を伴います。... さらに読む
、 水痘帯状疱疹ウイルス 帯状疱疹 帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、 ウイルス感染症による痛みのある皮疹で、水痘を引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じます。 ウイルスが再活性化する原因は分からないことが多いのですが、病気や薬によって免疫機能が低下したときに起こる場合があります。 帯状疱疹では痛みを伴う水疱の発疹が現れ、患部に慢性痛が生じることもあります。 典型的な水疱が皮膚に帯状に現れると、帯状疱疹の診断が下されます。... さらに読む
、 結核 結核 結核は、空気感染する細菌である結核菌 Mycobacterium tuberculosisによって引き起こされる、感染力の強い慢性感染症です。通常は肺が侵されます。 結核に感染するのは、主に活動性結核の患者によって汚染された空気を吸い込んだ場合です。 最もよくみられる症状はせきですが、発熱や寝汗、体重減少、体調不良を感じるこ... さらに読む
などがあります。
症状
角膜実質炎は片眼にのみ現れることもあれば、両眼に現れることもあります。流涙(りゅうるい)、眼のうずき、かすみ目、明るい光への過敏といった症状がみられます。梅毒による角膜実質炎では、角膜が白濁し、永久に視力障害が残ることがあります。
診断
眼の診察
血液検査
医師は、梅毒などの感染症の既往のある人に角膜の病変がみられる場合、角膜実質炎を疑います。角膜の観察には、通常は 細隙灯 細隙灯顕微鏡検査 眼に何らかの症状が出た場合は、医師の診察を受けるべきです。 しかし、眼の病気の中には、初期段階では症状がほとんどまたはまったくないものもあります。したがって、症状がなくても、眼科医やオプトメトリストによる定期的な検査を1~2年に1回程度(眼の状態によってはもう少し頻繁に)受けるべきです。眼科医とは、眼の病気の評価と(手術を含む)治療を専門... さらに読む (さいげきとう)顕微鏡(拡大鏡下に眼を診察できる器具)が用いられます。
梅毒、ライム病、エプスタイン-バーウイルスに対する血液検査とその他の検査も行われます。角膜実質炎があり、血液検査の結果が正常な患者では コーガン症候群 コーガン症候群 コーガン症候群は、眼のまれな自己免疫疾患で、角膜に影響を与えることがあります。 眼の痛み、視力低下、明るい光への過敏、眼の発赤が一般的な症状です。 診断は、医師の評価と他の病気を除外するための血液検査によって下されます。 治療はコルチコステロイド点眼薬とコルチコステロイドの錠剤によって行います。 ( 角膜の病気に関する序も参照のこと。) さらに読む について評価する必要があります。
治療
コルチコステロイドの点眼薬
角膜実質炎は原因となる感染症の治療によって治ることがあります。ときに、角膜の炎症を抑えるためにコルチコステロイドの点眼薬が処方されます。