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強膜炎

執筆者:

Melvin I. Roat

, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

医学的にレビューされた 2019年 12月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

強膜炎は、強膜(眼を覆う白く丈夫な線維性の組織)の重度で破壊的な炎症で、視力を脅かすことがあります。

  • 強膜炎は、ときに、全身性の炎症性疾患がある人に起こることがあります。

  • 主要な症状は、眼の奥深くでうずくような痛みです。

  • 診断を確定するため、ときに画像検査が行われます。

  • 治療は一般に、コルチコステロイドの投与から始められます。

強膜炎は、30~50歳の女性に最も多くみられます。3分の1の患者では両眼に発生します。強膜炎は、 関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む 関節リウマチ(RA) 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ 炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 診断を下すため、血液検査のほか、ときにその他の検査を行います。 全身性エリテマトーデスの全患者でヒドロキシクロロキンが必要であり、損傷を引き起こし続けている全身性エリテマトーデス(活動性の全身性エリテマトーデス)の患者には、コルチコステロイドな... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) 、またはその他の 自己免疫疾患 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。 治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫機能を抑制する薬がしばしば使用されます。 さらに読む 免疫系 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物( 細菌、 ウイルス、 真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気)に伴って起こることがあります。強膜炎の約半数は、原因不明です。(結膜と強膜の病気の概要 結膜と強膜の病気の概要 結膜とは、まぶたの裏側から折り返して強膜(眼を覆う白く丈夫な線維の層)を覆い、角膜(虹彩と瞳孔の前にある透明な層)の縁まで続いている膜です( 眼の構造と機能を参照)。結膜は小さい異物や感染症の原因となる微生物が眼の中に入るのを防ぐとともに、涙液の層を維持して眼を守っています。 最も一般的な結膜の病気は、炎症(結膜炎)です。炎症の原因は、以... さらに読む も参照のこと。)

眼の内部の構造

目めの内部ないぶの構造こうぞう

症状

強膜炎の症状としては眼の痛み(典型的には深いところの痛み)があり、痛みは激しく常にみられることが多く、その結果眠れなかったり、食欲が落ちたりします。このほか眼の圧痛、涙の量の増加、羞明(しゅうめい、明るい光に過敏になる)といった症状が出ます。眼が赤く充血し、一部または全体に紫がかった色がみられることもあります。

まれに、炎症の程度がひどく、眼球に穴ができて(穿孔[せんこう])、摘出しなくてはならなくなることもあります。このように激しい炎症は、壊死(えし)性強膜炎と呼ばれます。壊死性強膜炎では、しばしば他の器官にも問題が生じます。

診断

  • 医師による症状と眼の外観の評価

  • ときに画像検査

強膜炎の診断は、症状と 細隙灯(さいげきとう)顕微鏡 細隙灯顕微鏡検査 眼に何らかの症状が出た場合は、医師の診察を受けるべきです。 しかし、眼の病気の中には、初期段階では症状がほとんどまたはまったくないものもあります。したがって、症状がなくても、眼科医やオプトメトリストによる定期的な検査を1~2年に1回程度(眼の状態によってはもう少し頻繁に)受けるべきです。眼科医とは、眼の病気の評価と(手術を含む)治療を専門... さらに読む による観察所見に基づいて下されます。ときに、眼の後ろ側に炎症が起こることがあり(後部強膜炎)、その場合、後部強膜炎の診断を確定するために 超音波検査 超音波検査 超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を用いて内臓などの組織の画像を描出する検査です。プローブと呼ばれる装置で電流を音波に変換し、この音波を体の組織に向けて発信すると、音波は体内の構造で跳ね返ってプローブに戻ります。これは再度、電気信号に変換されます。コンピュータが、この電気信号のパターンをさらに画像に変換してモニター上に表示するとともに、コンピュータ上のデジタル画像として記録します。X線は使用しないため、超音波検査で放射線にさらされ... さらに読む 超音波検査 または CT CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査(以前はCAT検査とよばれていました)では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度からX線により計測されたものであり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとは... さらに読む CT(コンピュータ断層撮影)検査 (コンピュータ断層撮影)検査が必要になることがあります。

予後(経過の見通し)

強膜炎になると、約14%の患者では1年以内にかなりの視力低下がみられ、約30%の患者では3年以内にかなりの視力低下がみられます。壊死性強膜炎では、約50%の患者が10年以内に、多くの場合は心臓発作によって、死に至ります。

治療

  • コルチコステロイド

  • ときに免疫抑制薬

  • ときに外科的修復

強膜炎の治療では、通常、経口コルチコステロイド(プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン]など)が処方されます。非常にまれですが、軽症であれば非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の内服の治療だけで済むこともあります。 自己免疫疾患 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。 治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫機能を抑制する薬がしばしば使用されます。 さらに読む がある場合やコルチコステロイドの効き目がない場合は、メトトレキサート、シクロホスファミド、またはリツキシマブなどの免疫の働きを抑える薬(免疫抑制薬)が必要になることもあります。

穿孔のリスクがある人には外科的修復が必要な場合があります。

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