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強膜炎

執筆者:

Melvin I. Roat

, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 10月
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概要
本ページのリソース

強膜炎は、強膜(眼を覆う白く丈夫な線維性の組織)の重度で破壊的な炎症で、視力を脅かすことがあります。

  • 強膜炎は、ときに、全身性の炎症性疾患がある人に起こることがあります。

  • 主要な症状は、眼の奥深くでうずくような痛みです。

  • 診断を確定するため、ときに画像検査が行われます。

  • 治療は一般に、コルチコステロイドの投与から始められます。

強膜炎は、30~50歳の女性に最も多くみられます。3分の1の患者では両眼に発生します。強膜炎は、関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む 関節リウマチ(RA) 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 血算と自己免疫抗体の有無を調べる検査を行います。 活動性の全身性エリテマトーデスでは、コルチコステロイドやその他の免疫の働きを抑制する薬がしばしば必要となります。 全身性エリテマトーデスの患者の約70~90%は、妊娠可能な年齢の女性ですが、小児(... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) 、またはその他の自己免疫疾患(免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気)に伴って起こることがあります。強膜炎の約半数は、原因不明です。

眼の内部の構造

眼の内部の構造

症状

強膜炎の症状としては眼の痛み(典型的には深いところの痛み)があり、痛みは激しく常にみられることが多く、その結果眠れなかったり、食欲が落ちたりします。このほか眼の圧痛、涙の量の増加、羞明(しゅうめい、明るい光に過敏になる)といった症状が出ます。眼が赤く充血し、一部または全体に紫がかった色がみられることもあります。

まれに、炎症の程度がひどく、眼球に穴ができて(穿孔[せんこう])、摘出しなくてはならなくなることもあります。このように激しい炎症は、壊死(えし)性強膜炎と呼ばれます。壊死性強膜炎では、しばしば他の器官にも問題が生じます。

診断

  • 医師による症状と眼の外観の評価

  • ときに画像検査

強膜炎の診断は、症状と細隙灯(さいげきとう)顕微鏡 細隙灯顕微鏡検査 眼に何らかの症状が出た場合は、医師の診察を受けるべきです。 しかし、眼の病気の中には、初期段階では症状がほとんどまたはまったくないものもあります。したがって、症状がなくても、眼科医やオプトメトリストによる定期的な検査を1~2年に1回程度(眼の状態によってはもう少し頻繁に)受けるべきです。眼科医とは、眼の病気の評価と(手術を含む)治療を専門... さらに読む による観察所見に基づいて下されます。ときに、眼の後ろ側に炎症が起こることがあり(後部強膜炎)、その場合、後部強膜炎の診断を確定するために超音波検査 超音波検査 超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を用いて内臓などの組織の画像を描出する検査です。プローブと呼ばれる装置で電流を音波に変換し、この音波を体の組織に向けて発信すると、音波は体内の構造で跳ね返ってプローブに戻ります。これは再度、電気信号に変換されます。コンピュータが、この電気信号のパターンをさらに画像に変換してモニター上に表示するとともに、フィルムやビデオテープに記録するか、コンピュータ上のデジタル画像として記録します。超音波検査では... さらに読む 超音波検査 またはCT CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度から撮影された一連のX線画像であり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとはcomputed... さらに読む CT(コンピュータ断層撮影)検査 (コンピュータ断層撮影)検査が必要になることがあります。

予後(経過の見通し)

強膜炎になると、約14%の患者では1年以内にかなりの視力低下がみられ、約30%の患者では3年以内にかなりの視力低下がみられます。壊死性強膜炎では、約50%の患者が10年以内に、多くの場合は心臓発作によって、死に至ります。

治療

  • コルチコステロイド

  • ときに免疫抑制薬

  • ときに外科的修復

強膜炎の治療では、通常、経口コルチコステロイド(プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン]など)が処方されます。非常にまれですが、軽症であれば非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の内服の治療だけで済むこともあります。自己免疫疾患がある場合やコルチコステロイドの効き目がない場合は、メトトレキサート、シクロホスファミド、またはリツキシマブなどの免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)が必要になることもあります。

穿孔のリスクがある人には外科的修復が必要な場合があります。

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