白内障

完全なレビュー: 2025年 11月 執筆者:Leila M. Khazaeni, MD, Loma Linda University School of Medicine | 査読者Sunir J. Garg, MD, FACS, Thomas Jefferson University
最終更新日: 2025年 11月
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やさしくわかる病気事典

白内障は、眼の中の水晶体が濁って徐々に視力が失われていく病気で、痛みはありません。

  • 視界はぼやけ、コントラストが失われ、光の周囲にハロ(光輪)が見えることがあります。

  • 医師は、検眼鏡や細隙灯で眼を観察して白内障と認識します。

  • ほとんどの白内障は、人工レンズで入れ替えることができます。

(発達白内障や先天性白内障については、先天性白内障を参照のこと。)

白内障は世界の失明原因の第1位です。米国でも多くみられ、患者のほとんどは高齢者です。世界中で、60歳以上の人の半数以上が白内障を発症しています。幸い、米国では白内障患者のほとんどが失明に至る前に治療を受けています。

白内障は通常、加齢に伴って起こるか、明らかな原因なく発症します。このほかに、以下のような危険因子があります。

  • 眼の外傷

  • 特定の薬剤(ステロイドなど、ときにグルココルチコイドまたはコルチコステロイドとしても知られる)の長期使用

  • X線を長期に渡って浴びる(眼に対する放射線療法など)

  • 炎症性および感染性眼疾患(例:ぶどう膜炎

  • 糖尿病などの病気

  • 栄養不良

  • 喫煙

  • 長期間、直射日光を浴びる

  • アルコール使用

  • 赤外線曝露による熱

片側の眼が白内障になると、もう片方の眼もいずれ白内障になる可能性が高くなります。両方の眼が同時に白内障になる場合もあります。生まれつき白内障(先天性白内障)があったり、子供の頃にけがや病気が原因で白内障になることもあります。

知っていますか?

  • 白内障は世界の失明原因の第1位です。

白内障の症状

白内障は通常、数年かけてゆっくりと進行します。眼に入る光はすべて水晶体を通るため、白内障(水晶体の濁り)が生じると光が遮られたり、散乱したりして、視力の低下が起こります。初期症状としては以下のものがあります。

  • 光の周りに虹のような輪(ハロ)が見えたり(光輪視)、光のぎらつき(グレア)を感じたりする

  • 印刷された文字の明暗を判別する力が衰え、字が読みにくくなる

  • よく見るためにより光を必要とする

  • 紺色と黒色の区別がつきにくくなる

  • かすみ目

  • 物の色がより黄色っぽく見えたり鮮やかさが失われたりする

  • 軽度の複視(ゴーストと呼ばれることもあります)がみられる(まれ)

白内障で痛みが生じることはまずありませんが、極めてまれに眼球が腫れて眼圧が上昇する(緑内障)ことがあり、その場合は痛みを伴います。

白内障はどのように視力に影響を与えるのでしょうか

左の図のように、正常な水晶体は光を受け取り、それを網膜の上に集束させます。右の白内障は、水晶体への光の到達をブロックし、網膜に焦点を合わせている光を歪めます。

白内障でどの程度視力が変化するかは、眼の中に入ってくる光の強さと、白内障が生じた部位によって異なります。

白内障はくないしょう
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この画像がぞう右眼うがんおおきな白内障はくないしょうしめしています(画面がめんひだり)。白内障はくないしょうは,よりくら虹彩こうさいうらにある淡青色あおいろ不透明ふとうめい腫瘤しゅりゅうである。

WESTERN OPHTHALMIC HOSPITAL/SCIENCE PHOTO LIBRARY

水晶体の内部中央に濁りが生じると(核白内障)、以下のような症状がよくみられるようになります。

  • 遠くが見にくくなる

  • 水晶体がより強いレンズとして働くため焦点の位置が変わり、近くが見やすくなる(核白内障の初期にみられる)

40代中頃から近くの物を見るのに眼鏡を必要としていた人が、眼鏡をかけなくても近くの物が見えるようになるため、「視力が戻った」などと表現されることもあります。この作用は一時的なものであり、白内障が不透明になるにつれて消失します。

水晶体の後部付近が濁る白内障(後嚢下白内障[こうのうかはくないしょう])では、以下の症状がよくみられます。

  • 水晶体の後ろ側が濁る白内障(後嚢下白内障)では、瞳孔が収縮した時(例えば、まぶしい光や文字を見ている時)に視力が低下します。

  • コントラストが失われる

  • 夜間の運転中に明るい光や対向車のヘッドライトがぎらついて見えたり(グレア)、その周りに虹のような輪(ハロ)が見えたり(光輪視)する

瞳孔を収縮させる薬剤(特定の緑内障用点眼薬など)を使用している人では、より重度の視力障害もみられることがあります。

知っていますか?

  • 水晶体の特定の場所に混濁が生じると、近くを見る視力が一時的に改善し、人によっては眼鏡がなくても再び字が読めるようになることがあります。

白内障の診断

通常、医師は検眼鏡(眼の奥を照らすライトが付いた手持ち式の拡大鏡)による眼の診察により、白内障を見つけます。

細隙灯と呼ばれる機器を使うと、眼の中の水晶体やその他の部分を詳しく観察することができるため、医師は白内障の正確な場所を特定し、光がどの程度遮られているかを知ることができます。細隙灯顕微鏡は、レンズや眼の他の部分の検査をより詳しく行うことができます。

白内障の治療

  • 眼鏡やコンタクトレンズによる視力の矯正

  • 手術による白内障の除去および眼内レンズの挿入

視力障害がかなり進むまでの間は、眼鏡コンタクトレンズで視力を矯正することが可能です。明るい光の下ではサングラスをかける、肩越しに光をあてるような照明を使用するなどの工夫により、光のぎらつき(グレア)を軽減して見やすさを改善することができます。時に、白内障が小さく、水晶体の中央部にできている場合は、視力を改善するために瞳孔を広げる薬を使うことがあります。

手術

白内障を完全に治すには、手術を受けるしかありません。白内障を治す点眼薬や薬はありません。白内障手術はどの年齢の人でも行うことができ、心疾患や糖尿病などの病気の人にも一般的に安全です。

しかしほとんどの場合、手術を行う必要があるのは、白内障による視力障害がひどくなり日常生活に危険や不快感、不便を感じている場合に限られます。白内障を手術前に取り除く利点はありません。時には白内障による変化(白内障の膨張や緑内障など)のために、すぐに手術をするよう医師から勧められることもあります。

白内障の手術はほとんどの場合、注射や点眼薬などで眼の表面に麻酔をかける局所麻酔で行われます。通常は鎮静薬も投与されます。まれに、小児や、成人で、手術中じっとしていることが難しい患者には、全身麻酔が必要になることもあります。

手術中は、通常は眼を小さく切開し、超音波で白内障を切除して水晶体包帯から片を摘出します(水晶体乳化症)。白内障手術の特定の部分では、切開や白内障の入射や軟化など、超音波で簡単に切除できるように、レーザー(フェムトセカンドレーザー)を使用することもあります。水晶体超音波乳化吸引が不可能な場合は、手術中に超音波を使わずに水晶体を切除できます。この手技は従来の嚢外白内障摘出術と呼ばれます。

白内障片をすべて切除したら、通常は水晶体嚢にプラスチックまたはシリコンのレンズ(眼内レンズ)を入れます。しかし、眼内レンズは常に安全に留置できるというわけではありません。眼内レンズが使用できないときは、水晶体を取り除いた後、ぶ厚い眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正しなければなりません。

回復

手術時間は30分程度で、手術当日に帰宅できます。切開による眼の傷は非常に小さく、自然にふさがるため、普通は縫合の必要はありません。

手術後数日間は行動が制限されるため(前かがみになったり、重い物を持ち上げる動作は禁じられます)、この期間は自宅での生活を補助してもらえるよう事前に手配しておくべきです。視力の変化、例えば霧視や明るい光による不快感は、手術後しばらくしてから起こることがあります。

手術後数週間は、炎症を軽減し、感染を防ぎ、治癒を促進するために、ステロイド点眼薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗菌薬の点眼薬を使用します。手術終了時には、抗菌薬、ステロイド、NSAIDを眼に注射することもあります。これは、手術後の点眼薬の使用の必要性を減らすための手順です。また、手術の傷が完全に治るまでの2~3週間は、眼を外傷から守るために睡眠時には眼鏡かプラスチック製の眼帯を装着します。白内障の手術後は、眼をこすること、重い物を持ち上げること、過度に前かがみになることは避けましょう。手術の翌日か2日後に診察を受け、以後は1週間後と1カ月後に診察を受けるのが典型的なスケジュールです。両眼に白内障がある場合は、片方の眼が完全に治ってから、さらに数カ月待ってもう片方の手術を行うのが一般的です。

患者の多くは白内障の手術から数週間以内に、遠くがよく見えるようになったことを実感します。しかし、ほとんどの人は読書をするとき眼鏡が必要で、なかには遠くを見るにも眼鏡による矯正が必要となる人もいます。

複数の焦点をもたせた眼内レンズ(多焦点眼内レンズ)を使用すると、眼鏡を使わなくても近くと遠くの両方が見えるようになりますが、人によっては夜間にグレアやハロが見えることもあります。医師は眼内レンズの度数を手術前に計算します。そのため、手術前に非常に厚い眼鏡をかけていたり、手術後に非常に薄い眼鏡をかけていたりすることもあります。新しい多焦点レンズを使用している人の中には、夜間の運転、薄暗い光の読書、コンピューターモニターを見るなどの中距離の視力など、眼鏡が必要なくなったり、特定のものだけを必要とする人もいます。眼の乱視を矯正できるレンズもあります。

合併症

白内障手術後の重大な合併症はまれです。医師による適切な経過観察は、合併症の早期発見と治療につながる可能性があります。合併症としては以下のものがあります。

  • 眼の中に感染(眼内炎)や重度の出血が起こって視力障害に至ることがあります。

  • 眼圧が大きく上昇するケースもあり、これは放置しておくと、緑内障を生じたり、移植した眼内レンズの位置がずれたりします。

  • 眼の裏側(網膜)の腫れや剥離(はくり)が生じることもあります。

  • 糖尿病網膜症など網膜の病気のある人では、まれに、白内障の手術後に視力が低下する場合があります。

一部の人では、水晶体を摘出した後に意図的に眼の奥に残った、薄く透明な背中の層(カプセル)が濁り、視力が低下します。これは後発白内障と呼ばれ、白内障手術を受けた人のおよそ4人に1人の割合でみられ、眼内レンズを移植してから数カ月から数年後に起こります。後発白内障が生じた場合は、濁った後嚢にレーザー光線で小さな穴を開けて、光が通る通路をつくる治療が一般的に行われています。

白内障の予防

白内障を予防するためにできることはいくつかあります。

  • 紫外線を防ぐコーティング処理を施したサングラスを常に使用することは、明るい太陽光から眼を守るため有効です。

  • 禁煙する

  • 飲酒量を減らす

  • 糖尿病の人では、血糖値を良好にコントロールする

  • ビタミンCビタミンA、カロチノイド(ホウレンソウやケールなどの野菜に多く含まれている色素)が含まれている食べものを多く摂取することも役立つが、これらのビタミンを含んだサプリメントの摂取が白内障の予防に役立つかどうかは、はっきりしていない

更年期以降の女性では、エストロゲンの補充が白内障予防に役立つ可能性がありますが、このためだけにエストロゲンを使用すべきではありません。長期にわたってステロイド薬を使用している場合は、他の薬への変更について医師に相談してみるとよいでしょう。

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