Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

眼瞼炎

執筆者:

James Garrity

, MD, Mayo Clinic College of Medicine and Science

最終査読/改訂年月 2017年 6月
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
本ページのリソース

眼瞼炎(がんけんえん)とは、まぶたの縁の炎症です。厚い鱗屑(りんせつ)、目やにのかたまり、浅い潰瘍(かいよう)、またはまぶたの縁の発赤および腫脹を伴うこともあります。

  • 炎症は何らかの感染症、アレルギー反応、ある種の皮膚の状態によって引き起こされます。

  • まぶたが刺激され、赤くなり腫脹して、灼熱感およびかゆみが生じることがあります。

  • 診断は通常、症状とまぶたの外観に基づいて下されます。

  • 基礎疾患を治療し、ときに抗菌薬の軟膏もしくは点眼薬、抗ウイルス薬、コルチコステロイドの軟膏、人工涙液、またはその組合せを投与します。

眼瞼炎の原因

眼瞼炎を引き起こす病気には、まぶたや、まぶたの縁に開口する比較的深部の腺への細菌感染症(通常はブドウ球菌感染症)、特定のウイルス感染症(通常は単純ヘルペス)、(花粉や、ときに点眼薬に対する)アレルギー反応などがあります。

脂漏(しろう)性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。 (皮膚炎の概要も参照のこと。) 原因は不明ですが、皮膚に常在している微生物であるマラセジア Malassezia属の真菌の数が何らかの役割を果たしています。脂漏性皮膚炎が最もよく生じるのは、乳児(通常は生後3カ月)、10代の人、30~70歳の人です。この病気は男性に多... さらに読む 脂漏性皮膚炎 酒(しゅ)さ 酒さ 酒さは、持続性の皮膚の病気で、通常は顔面の中央部に発赤と小さな吹き出物が現れ、皮膚の下の血管がはっきりと見えるようになります。 原因は不明です。 典型的な症状として、頬と鼻に生じる発赤、細い血管が見える、ときに小さな吹き出物などがあります。 診断は、発疹の典型的な外観と最初に症状が現れたときの年齢に基づいて下されます。 特定の食品、アルコール、熱い飲みもの、日光、極端な気温、風、化粧品を避けることで、酒さの悪化を予防できる場合があります... さらに読む 酒さ アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎(湿疹) アトピー性皮膚炎(一般には湿疹と呼ばれます)とは、皮膚の上層に生じる、かゆみを伴う慢性的な炎症です。花粉症や喘息のある人、また家族にそのような病気の人がいる人にみられることの多い病気です。 アトピー性皮膚炎は非常によくみられるもので、特に先進国やアレルギーを起こしやすい人に多くみられます。 乳児では、じくじくしてかさぶたを伴う赤い発疹が、顔面、頭皮、手、腕、足、脚にできる傾向があります。... さらに読む アトピー性皮膚炎(湿疹) (湿疹)などの皮膚の病気は、まぶたを含む顔全体に起こり、炎症および眼瞼炎につながります。

別の原因として、まぶたの縁の皮脂腺の炎症と閉塞(マイボーム腺機能不全)があり、これは酒さによって引き起こされることがあります。

点眼薬が、眼瞼炎の原因となるアレルギー反応を惹起(じゃっき)することもあります(接触過敏症によるアレルギー性の眼瞼炎)。

ときに炎症の原因が分からないこともあります。

眼瞼炎の症状

眼瞼炎では、眼の中に何かが入ったように感じることがあります。眼とまぶたにかゆみや灼熱感が生じたり、まぶたの縁が赤くなったりします。涙目になったり、明るい光に過敏になったりすることもあります。

細菌感染症による眼瞼炎など、いくつかのタイプでは、まぶたが腫れ、一部のまつ毛が白くなることがあり、抜けることさえあります。このタイプは通常、急性の眼瞼炎です。ときに、まつ毛の根元の袋に小さな膿瘍(のうよう、小膿疱[のうほう])ができ、それがやがて浅い潰瘍になることもあります(潰瘍性の眼瞼炎)。目やにのかたまりができて、まぶたの縁に固着したり、目やにのかたまりをはがすと、表面が出血したりすることがあります。眠っている間に分泌物が乾き、まぶたがくっつきます。

皮脂腺(マイボーム腺)が詰まることによる眼瞼炎など、いくつかのタイプでは、固いロウ状の沈着物が腺に詰まります。このタイプは慢性の眼瞼炎である可能性があります。患者にはしばしば脂漏性皮膚炎または酒さがみられ、麦粒腫 霰粒腫と麦粒腫(ものもらい) 霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたの奥にある脂腺が腫れて(吹き出物のように)、腺の開口部がふさがるために起こります。麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は一般に、まつ毛の毛包の感染症です。 霰粒腫は、感染を伴わない炎症です。麦粒腫は、通常、ブドウ球菌の感染によって起こります。ときに、眼瞼(がんけん)炎(まぶたの縁の炎症)も併発します。一生のうちに1、2回しか麦粒腫にならない人もいれば、何度も繰り返す人もいます。まれに、麦粒腫がまぶたの比較的深部の腺... さらに読む 霰粒腫と麦粒腫(ものもらい) 霰粒腫 霰粒腫と麦粒腫(ものもらい) 霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたの奥にある脂腺が腫れて(吹き出物のように)、腺の開口部がふさがるために起こります。麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は一般に、まつ毛の毛包の感染症です。 霰粒腫は、感染を伴わない炎症です。麦粒腫は、通常、ブドウ球菌の感染によって起こります。ときに、眼瞼(がんけん)炎(まぶたの縁の炎症)も併発します。一生のうちに1、2回しか麦粒腫にならない人もいれば、何度も繰り返す人もいます。まれに、麦粒腫がまぶたの比較的深部の腺... さらに読む 霰粒腫と麦粒腫(ものもらい) (まぶたの嚢胞)が生じます。

ほとんどのタイプの眼瞼炎は再発しやすく、非常に治りにくい病気です。不便を感じたり、外見の面で気になったりする症状ではあるものの、通常は角膜の損傷または視力障害につながることはありません。潰瘍性眼瞼炎では、ときにまつ毛が抜けたり、まぶたの縁が瘢痕(はんこん)化したりするほか、まれに炎症により角膜が傷つくことさえあります。

眼瞼炎の診断

  • 症状と医師の診察

眼瞼炎の診断は通常、症状とまぶたの外観に基づいて下されます。 まぶたを詳しく観察するために細隙灯(さいげきとう)顕微鏡 細隙灯とは 細隙灯とは が使用されることもあります。ときに、感染症の原因菌を特定し、一般的な抗菌薬が効くかどうかを調べるために、まぶたの縁から膿のサンプルを採取して培養することもあります。

眼瞼炎の治療

  • 支持療法(例えば、湿布、まぶたの洗浄)

  • 原因の治療

刺激感などの症状の軽減に役立つ治療法もあります。人工涙液および潤滑剤入りの眼軟膏を就寝時に使用すると役立つことがあります。湿布によって症状が和らぐこともあり、一般にはアレルギー性の眼瞼炎または接触過敏症による眼瞼炎に対して冷湿布を、他の原因に対しては温湿布を利用します。ときに、これらの手段で効果がないときは、コルチコステロイドの軟膏が用いられます。

可能であれば、眼瞼炎の原因となっている問題を治療します。例えば、アレルギー性の接触過敏症による眼瞼炎の場合、接触過敏症の原因と考えられる点眼薬を中止します。

細菌による潰瘍性眼瞼炎の治療には、バシトラシンとポリミキシンBの合剤、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、もしくはスルファセタミド(sulfacetamide)などの抗菌薬の軟膏や点眼薬、またはドキシサイクリンなどの内服用抗菌薬が処方されます。

ウイルス性眼瞼炎は、通常単純ヘルペスが原因であるため、これに効果的な抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)の内服で治療します。

脂漏性皮膚炎による眼瞼炎の治療では通常、ベビー用シャンプーを薄めた液(温かいお湯半カップ[90cc]にシャンプーを2、3滴落としたもの)を清潔な布か綿棒に浸し、1日2回、まぶたの縁をそっとこするようにふいて清潔に保ちます。 脂漏性皮膚炎 皮膚炎の概要 皮膚炎(ときに湿疹とも呼ばれます)は、皮膚の上層の炎症であり、かゆみ、水疱、発赤、腫れを生じ、多くの場合、じくじくしてかさぶたになり、鱗屑(うろこ状のくず)が生じます。 原因として分かっているものには、皮膚の乾燥、特定の物質への接触、特定の薬、静脈瘤、絶え間なくかくことなどがあります。 典型的な症状には、かゆみを伴う赤い発疹、水疱、ただれ、じくじく、かさぶた、鱗屑などがあります。... さらに読む 皮膚炎の概要 が原因であれば、顔や頭皮の治療も必要になることがあります。ときに、涙点プラグ(涙点や涙管を閉塞して涙の排出を減少させる差し込みプラグ)が有用です。

マイボーム腺機能不全に対しては、温湿布をあてるとマイボーム腺からの油分の流出が促進されるため、炎症が軽減され、かゆみや灼熱感が和らぐことがあります。まぶたのマッサージは、マイボーム腺から油分が分泌されるのを助け、眼の保護に役立つ可能性があります。 酒さ 酒さの治療 酒さは、持続性の皮膚の病気で、通常は顔面の中央部に発赤と小さな吹き出物が現れ、皮膚の下の血管がはっきりと見えるようになります。 原因は不明です。 典型的な症状として、頬と鼻に生じる発赤、細い血管が見える、ときに小さな吹き出物などがあります。 診断は、発疹の典型的な外観と最初に症状が現れたときの年齢に基づいて下されます。 特定の食品、アルコール、熱い飲みもの、日光、極端な気温、風、化粧品を避けることで、酒さの悪化を予防できる場合があります... さらに読む 酒さの治療 も、マイボーム腺機能不全の原因となるため、治療する必要があります。

プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP