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耳の痛み

(耳痛)

執筆者:

Debara L. Tucci

, MD, MS, MBA , Duke University Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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耳の痛みは通常、片耳だけに起こります。一部の人では、耳だれ難聴があったり、まれに難聴を伴うこともあります。

原因

痛みの原因は、耳自体に生じた病気の場合もあれば、脳につながる神経を耳と共有している部位の病気の場合もあります。後者の部位には、鼻、副鼻腔、のど(咽頭)、顎関節があります。

急性の痛み(持続期間が2週間未満の痛み)の場合、最も一般的な原因は以下のものです。

中耳や外耳が細菌などに感染すると、痛みを伴う炎症が生じます。また、中耳が感染すると、鼓膜の奥の圧力が増大します。この圧力の増大には痛みを伴い、また、鼓膜が外側に膨らみます。鼓膜が膨らむと、ときに破裂して耳から少量の膿が排出されることがあります。まれに、中耳の感染が耳の後ろにある乳様突起に広がって、乳様突起炎を引き起こすことがあります。

糖尿病患者や、HIV感染やがんに対する化学療法で免疫機能が弱っている人は、特に重度の外耳炎を発症することがあり、これは悪性外耳道炎または壊死性外耳道炎と呼ばれます。

飛行機旅行中やダイビング中の圧力の変化によって、耳の痛みが生じることがあります。こうした耳の痛みは、中耳と鼻の奥をつなぐ管(耳管)がふさがったり、正常に機能していない場合に起こります。閉塞や機能障害があると、中耳の圧力と体外の圧力とを均一にすることができません。圧力の差によって鼓膜が押されるか引かれるかして、痛みが生じます。また、圧力の変化によって鼓膜が破裂することもあります。

慢性の痛み(2~3週間以上続く痛み)の場合、最も一般的な原因は以下のものです。

慢性の痛みのあまり一般的でない原因として、がんがあり、主に高齢者にみられます。

評価

以下では、耳の痛みがある場合、どのようなときに医師の診察を受ける必要があるか、また受けた場合に何が行われるかについて説明しています。

警戒すべき徴候

耳の痛みがみられる場合は、以下の症状や特徴に注意が必要です。

  • 糖尿病または免疫不全状態

  • 耳の後ろの赤みや腫れ

  • 外耳道の出入り口のひどい腫れ

  • 耳からの分泌物漏出

  • 慢性の痛み、特に他の頭頸部の症状がある場合(例えば、声がれ、嚥下困難[ものを飲み込むのが難しい]、鼻づまりなど)

受診のタイミング

警戒すべき徴候や耳だれがある場合、警戒すべき徴候が慢性の痛みしかない場合を除いて、できるだけ早く医師の診察を受ける必要があります。その場合、1週間程度の遅れは問題になりません。急性の痛みがある人は、数日中に(または痛みが激しい場合はより早く)医師の診察を受ける必要があります。

医師が行うこと

医師はまず、症状と病歴について質問します。続いて、耳、鼻、のどに重点を置いた身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、耳の痛みの原因と必要になる検査を推測することができます。( 耳の痛みの主な原因と特徴)。

警戒すべき徴候の有無に加えて、耳の診察結果が正常かどうかが重要な点です。中耳や外耳の病気は異常を引き起こし、それと患者の症状や他の病歴とを合わせると、通常は原因が示唆されます。

耳の診察結果が正常な人では、耳の痛みの原因(扁桃炎など)が目に見えることがあります。耳の診察では異常がみられないにもかかわらず慢性の痛みがある場合は、医師は耳の痛みの原因として顎関節障害を疑うことがあります。しかし、鼻腔や上咽頭の腫瘍の可能性を否定するために、患者は内視鏡検査を含む頭頸部の徹底的な診察を受けるべきです。

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耳の痛みの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

中耳

急性の耳管閉塞(例えば、かぜやアレルギーによる)

軽度から中程度の不快感

ゴボゴボ、パチパチ、ポンというような音、鼻づまりがある場合もない場合もある

発症した耳の聴力低下

医師の診察

気圧の変化(圧外傷

激しい痛み

最近、急激な気圧の変化があった(飛行機旅行やスキューバダイビングなど)

しばしば鼓膜上または鼓膜の奥に出血が視認できる

医師の診察

最近の中耳の感染

耳の後ろの赤みや圧痛

しばしば発熱や耳だれ

医師の診察

ときにCT検査

中耳炎(急性または慢性

激しい痛み、しばしばかぜの症状を伴う

膨らんだ赤い鼓膜

小児で多い

ときに耳だれ

医師の診察

感染性鼓膜炎(鼓膜の感染)

激しい痛み

鼓膜の炎症

鼓膜の表面に小さな水疱がみられる

医師の診察

激しい痛み

外耳の水疱または膿疱

難聴や顔面の筋力低下を伴うことがある

医師の診察

外耳

医師による診察の際に見える

異物はほぼ小児のみ

医師の診察

通常は耳そうじをしようとした人にみられる

医師による診察の際に見える

医師の診察

外耳炎(急性または慢性

かゆみや痛み(慢性外耳炎ではかゆみが多く、不快感は軽いもののみ)

しばしば、水泳や繰り返し水にさらされた経験がある

ときに、悪臭のある耳だれ

外耳道が赤く腫れ、膿のような物質で満たされている

医師の診察

悪性外耳道炎が疑われる場合はCT検査

耳の近くの構造による原因

咽頭(のど)、扁桃、舌の付け根、喉頭、または鼻腔と、上咽頭のがん

慢性の不快感

しばしば、長期間の喫煙歴または飲酒歴

ときに、圧痛を伴わない首のリンパ節の腫れ

通常は高齢者にみられる

ガドリニウム造影剤を用いたMRI検査

目に見える病変の採取と検査(生検)

感染(扁桃、扁桃周囲膿瘍)

ものを飲み込むときに痛みが非常に強くなる

のどや扁桃の目に見える赤み

医師の診察

神経痛(神経の炎症、例えば、舌咽神経の炎症

1秒続かない非常に強く鋭い痛みが頻繁に起こる

医師の診察

あごを動かすと悪化する痛み

顎関節が滑らかに動かない

医師の診察

*この欄には症状や診察の結果などが示されています。ここに示されている特徴は典型的なものですが、常に当てはまるわけではありません。

中耳と外耳の病気の患者では、多くの場合、ある程度の難聴がみられます。

一般的な特徴として、耳の診察結果は正常です。

CT = コンピュータ断層撮影;MRI = 磁気共鳴画像。

検査

ほとんどの場合は、医師による診察で診断がつき、検査は必要ありません。しかし、耳の診察結果が正常な人でも、がんがないか調べるための検査が必要な場合があり、特に、慢性の痛みがあるか痛みが繰り返す場合に必要です。そうした検査としては通常、内視鏡による鼻、のど(咽頭)、喉頭の診察と、頭頸部のMRI検査などを行います。

治療

耳の痛みに対しては、原因になっている基礎疾患を治療するのが最善の方法です。

鎮痛薬を服用することがあります。通常は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)やアセトアミノフェンで十分です。しかし、一部の患者、特に外耳の重度の感染症患者では、オキシコドンやヒドロコドンといったオピオイドを数日間服用する必要があります。外耳の重度の感染症に対しては、しばしば膿などの分泌物を外耳道から吸引して、小さなスポンジを入れます。このスポンジは、抗菌薬やコルチコステロイドの点耳薬に浸して使用することができます。

鎮痛薬を含有する点耳薬(例えばアンチピリンとアミノ安息香酸エチルの合剤)は、一般的にはあまり効果的ではありませんが、数日間使用することができます。そのような点耳薬(および他の点耳薬、例えば耳あかを除去するためのもの)は、鼓膜に穴が空いている患者は使用するべきではないため、使用前に医師に相談するべきです。

患者は、どのような器具を使用するにしろ、耳そうじをしないようにします(どんなやわらかい物でも、どれだけ自分で注意していると思っていてもいけません)。また、医師の指示がない限り、耳の洗浄を試みるべきではなく、行う場合も必ずやさしく行います。口腔洗浄器(歯磨きに使うものなど)を耳の洗浄に使用してはいけません。

知っていますか?

  • 患者は、どのような器具を使用するにしろ、耳そうじをしないようにします(どんなにやわらかい物でもいけません)。

要点

  • 耳の痛みの原因は、ほとんどの場合が中耳または外耳の感染です。

  • 通常は医師の診察だけで診断できます。

  • 診察で耳が正常に見える場合は、医師は耳の周辺構造に病気がないか調べます。

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