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声帯麻痺

執筆者:

Clarence T. Sasaki

, MD, Yale University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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声帯麻痺は、声帯をコントロールする筋肉を動かせない状態です。

  • 麻痺の原因としては腫瘍、外傷のほか、神経損傷などがあります。

  • 典型的な症状としては、声の変化のほか、ときに呼吸困難などがみられます。

  • 診断は喉頭、気管支、食道の診察結果に基づいて下されます。

  • 気道の閉塞を防ぐのに役立つ治療法がいくつかあります。

口とのどの病気に関する序も参照のこと。)

声帯麻痺は片側の声帯に起こることも両側の声帯に起こることもあります。男性より女性に多くみられます。

片側の声帯麻痺は、脳腫瘍、脳卒中、脱髄疾患(多発性硬化症など)といった脳の病気や、喉頭へつながる神経の損傷が原因で生じることがあります。神経の損傷の原因としては、良性腫瘍や悪性腫瘍、首のけが、首の手術(甲状腺の摘出や脊椎の手術など)、神経のウイルス感染症、ライム病、鉛や水銀やヒ素などの神経毒(神経組織を損傷または破壊する物質)、ジフテリアによる毒素などがあります。原因が分からないこともあります。

両側の声帯麻痺は生命を脅かす病気で、首の前方から行う脊椎の手術、甲状腺の摘出、気管への呼吸用チューブの挿入(気管挿管)、または神経と筋肉に影響を及ぼす病気(重症筋無力症)によって生じます。

声帯麻痺

麻痺は片側に生じる場合と両側(図には示されていません)に生じる場合があります。

声帯麻痺

症状

声帯麻痺があると、声帯の開閉が妨げられ、発声、呼吸、ものを飲み込む動作が影響を受けます。麻痺があると、食べものや飲みものを気管や肺に誤って飲み込む(誤嚥する)ことがあります。

片側の声帯だけが麻痺している場合は、息が漏れるようなかすれた声になります。麻痺がない側の正常な声帯が十分開くため、通常は気道がふさがることはありません。

両側の声帯が麻痺すると、声が小さくなりますが、それ以外の点では正常に聞こえます。しかし、麻痺した声帯の間の隙間は非常に狭くなって、気道の幅が不十分になるため、軽い運動でも呼吸困難と、呼吸のたびに高い音の雑音(吸気性喘鳴[stridor])が生じます。

診断

  • 喉頭鏡検査

  • 画像検査

医師は声帯麻痺の原因を探索します。慢性的な重金属(ヒ素、鉛、水銀)への曝露、フェニトインとビンクリスチンの薬剤使用歴、結合組織疾患(マルファン症候群など)の病歴、ライム病、サルコイドーシス、糖尿病、アルコール依存症など、医師はすべての可能性のある原因について質問します。

患者の病歴についての質問に加え、喉頭鏡検査の結果に基づいて診断が下されます。喉頭鏡検査とは、内視鏡(観察用の柔軟な細い管状の機器)で喉頭を診察することです。

追加で行う検査として、以下のものがあります。

  • 頭、首、胸部のMRIまたはCT検査

  • 甲状腺シンチグラフィー

  • 食道のX線検査(食道造影検査)

治療

  • 手術

麻痺が片側のみの場合は、手術を行い、麻痺した声帯を移動させてできるだけ普通の声を出すのに適した位置へもっていく方法があります。この手術では、麻痺した声帯付近に調節可能なスペーサーを挿入したり、麻痺した声帯に物質を注入したりすることで、両方の声帯を近づけ、声を改善し、誤嚥を予防します。

両側の声帯が麻痺している場合は、気道を十分に開いた状態で維持することは困難です。このため気管切開(首の前方を切って気管に通じる開口部を作る手術)が必要になることがあります。気管切開による開口部は、恒常的に用いる場合と、上気道感染を起こした場合のみ用いる場合があります。

このほか、左右の声帯を永久的に離して気道を広げる披裂(ひれつ)軟骨切除術という方法もあります。しかし、この処置を行うと声の質が悪くなることがあります。

片側または両側の声帯の一部をレーザーで除去する方法は披裂軟骨切除術より好まれ、気道を広げるのに有用です。レーザーによる除去を正確に行えば声の質が十分に保たれ、気管切開を行わなくても済みます。

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