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乳様突起炎

執筆者:

Richard T. Miyamoto

, MD, MS, Indiana University School of Medicine

医学的にレビューされた 2020年 6月
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乳様突起炎は、耳の後ろの突出した骨である乳様突起の細菌感染症です。

乳様突起炎は通常、急性中耳炎を治療しなかったり治療が不十分であったりした場合に、感染が中耳から中耳の周囲にある乳様突起という骨へ広がることによって起こります。乳様突起の感染の大半は、肺炎球菌が原因です。 肺炎球菌結合型ワクチン 肺炎はいえん球菌ワクチン 肺炎はいえん球菌ワクチンは、肺炎はいえん球菌 Streptococcus pneumoniae肺炎はいえん双球菌)によってこされる細菌感染症かんせんしょう さらに読む によって肺炎球菌による感染が大幅に減少し、乳様突起炎はあまりみられません。十分な治療を行わないと、乳様突起炎がもとで 難聴 難聴 世界中で約5億人(世界人口のほぼ8%)が難聴を抱えています。米国では、人口の10%以上に日常のコミュニケーションに影響を及ぼすある程度の難聴があり、最も一般的な感覚障害となっています。発生率は年齢とともに上昇します。永続的な難聴がある18歳以下の小児は2%未満ですが、 乳児期と幼児期の難聴は、言語と社会性の発達に支障をきたすことがあります... さらに読む 難聴 敗血症 敗血症と敗血症性ショック 敗血症は、 菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こる病態です。敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧( ショック)および臓器不全が引き起こされている病態です。 通常、敗血症は特定の細菌に感染することで起こり、病院内で感染する細菌で多くみられます。 免疫系の機能低下、特定の慢性疾患、人工関節や人工心臓弁の使用、特定の心臓弁の異常といった特定の条件下ではそのリスクが高くなり... さらに読む 、脳を覆っている組織の感染(髄膜炎 小児の髄膜炎 細菌性髄膜炎とは、脳と脊髄を覆う膜( 髄膜)に起きる感染症です。 細菌性髄膜炎は、月齢の高い乳児と小児では、通常、呼吸器系に入った細菌が原因になり、新生児では、しばしば血流の細菌感染( 敗血症)から引き起こされます。 年長児や青年では発熱を伴う項部硬直、頭痛、錯乱がみられ、新生児や幼若な乳児では通常、むずかる、食べなくなる、嘔吐するなどの症状が現れます。 診断は、腰椎穿刺と血液検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む )、 脳膿瘍 脳膿瘍 脳膿瘍とは、脳の中に膿がたまった状態のことです。 脳膿瘍は、脳以外の頭部もしくは血流に生じた感染から、または傷を介して、細菌が脳に侵入することで形成されます。 頭痛、眠気、吐き気、体の片側の筋力低下、けいれん発作が起こることがあります。 頭部の画像検査を行う必要があります。 抗菌薬を投与し、通常は針で膿瘍をドレナージするか、手術で切除します。 さらに読む などが生じ、死に至る場合もあります。

症状

通常、急性中耳炎の発症後数日から数週間して、感染が広がり乳様突起の内側の部分が破壊されると、乳様突起炎の症状が現れます。骨の中に膿がたまることもあります(膿瘍)。乳様突起の上の皮膚は赤く腫れ、触れると痛み、耳介が前下方へ押された状態になることがあります。このほか発熱、耳の中や周囲の痛み、大量のクリーム状の耳だれといった症状がみられます。ズキズキする痛みが長く続く傾向があります。難聴は徐々に悪化していくこともあります。

診断

  • 医師による評価

  • ときにCT(コンピュータ断層撮影)検査

診断は一般的に、患者の症状に基づいて下されます。ときに、診断を確定するために、CT検査が行われることもあります。感染症を引き起こしている細菌を特定するために、医師は耳だれのサンプルを採取して、耳だれの中に含まれる細菌を検査室で増殖させる検査(培養)を行います。

治療

  • 抗菌薬の静脈内投与または経口投与

  • ときに手術

大半の乳様突起炎の患者には、直ちに抗菌薬(セフトリアキソンやバンコマイシンなど)が静脈内投与されます。重篤な状態でなければ、代わりにフルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど)を経口投与します。この初期治療の後に、医師は検査室での培養結果を用いて、使用するべき最適な抗菌薬を判断します。抗菌薬は、患者が回復してきたら経口投与に変更される場合もあり、投与は最低でも2週間は継続されます。骨内に膿瘍が形成されているか、炎症が慢性化している場合には、骨の感染部位を取り除く手術(乳様突起削開術)および修復術が必要になります。

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