皮膚糸状菌症(白癬、たむし)の概要

執筆者:Denise M. Aaron, MD, Dartmouth Geisel School of Medicine
Reviewed ByJoseph F. Merola, MD, MMSc, UT Southwestern Medical Center
レビュー/改訂 修正済み 2025年 10月
v793398_ja
プロフェッショナル版を見る
やさしくわかる病気事典

皮膚糸状菌症は、数種類の真菌によって引き起こされる皮膚および爪の真菌感染症で、感染部位によって分類されています。皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。

  • 皮膚糸状菌症の症状は、発疹、鱗屑(りんせつ)、かゆみなどです。

  • 診断では通常、患部を診察するとともに、皮膚または爪のサンプルを顕微鏡で観察するほか、ときに培養検査を行います。

  • 抗真菌薬を患部に直接塗ったり、内服したりすることで、通常は治癒します。

皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。)

皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。この病気は「たむし」と呼ばれていますが、虫とはまったく関係ありません。この感染症では皮膚にリング状の斑が現れます。

知っていますか?

  • たむし(皮膚糸状菌症)は、真菌によって引き起こされる病気であり、虫とはまったく関係ありません。

皮膚糸状菌は、ケラチンというタンパク質を栄養として必要とするカビ(真菌の一種)です。ケラチンは人間の皮膚の外層を構成する成分で、同時に毛や爪の主な材料でもあります。皮膚糸状菌は、生きのびるために皮膚、毛、爪を養分とする必要があります(爪の感染症は爪白癬または爪真菌症と呼ばれます)。

感染は、感染した体の部位にちなんで名付けられ、以下のように、皮膚のほぼどこにでも発生する可能性があります。

  • (みずむし[足白癬])

  • 須毛部(ひげが生える部分)(ひげ白癬[白癬性毛瘡])

  • 体幹(体部白癬[ぜにたむし])

  • 鼠径部(太ももの付け根の部分)(股部白癬[いんきんたむし])

  • 頭皮(しらくも[頭部白癬])

体のある部位に起きた皮膚糸状菌感染症が、感染していない他の部位の皮膚に発疹を生じさせることがあります(白癬疹を参照)。

人間の皮膚糸状菌感染症は、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、ミクロスポルム属(Microsporum)、白癬菌属(Trichophyton)の真菌によって引き起こされます。これらの微生物は、人の体に住み着いていて、感染症を引き起こさない場合もあります。感染症(たむしや白癬)を引き起こす場合は、しばしば患部の血流が悪かったり、免疫系が抑制されたりしている(例えば、糖尿病がんHIV感染のため)ことが原因です。カンジダ症とは異なり、これらの真菌感染症は内臓や血液中に広がることはありません。

ときに、ステロイド(ときにグルココルチコイドまたはコルチコステロイドとも呼ばれます)による治療によって、病変部の特徴的な外観が覆い隠され、医師が診断を試みるときに混乱を招くことがあります。このような病変は異形白癬と呼ばれます。

皮膚糸状菌症の症状

皮膚糸状菌感染症の症状は感染した部位によって様々です。

大半の場合、炎症はほとんどないかまったくなく、リング状の斑ができた部分に鱗屑と軽いかゆみがみられ、境界がわずかに盛り上がります。このような皮疹が断続的に出現と消失を繰り返します。

ときには、炎症が重度になり、液体が詰まった大小の皮疹が突然現れたり(通常は足)、頭皮に炎症を伴う腫れた斑が生じ、ときにそこから膿がにじみ出たりすることもあります(禿瘡)。

皮膚糸状菌症の診断

  • 医師による皮膚の診察

  • 擦過物の検査

  • ときに擦過物の培養

多くの場合、白癬感染症は外観から特定することができます。

白癬の診断を確定するには、皮膚の擦過物または切った爪を採取して、顕微鏡で調べます。頭皮または爪の感染がある場合のみ、擦過物の培養検査を行います(検査室で微生物を増殖させて種類を特定する検査)。真菌の種類を特定することが、最適な治療法を選択するのに役立ちます。

皮膚糸状菌症の治療

  • 抗真菌薬の外用または内服

白癬の治療法は部位によって異なりますが、常に抗真菌薬の患部への塗布(外用)または内服を行います。(表」も参照のこと。)

マニキュア型製剤も爪の真菌感染症の治療に役立ちます。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS