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疣贅(いぼ)

尋常性疣贅

執筆者:

James G. H. Dinulos

, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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本ページのリソース

疣贅(ゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされる皮膚の小さな増殖性病変で、一般にいぼと呼ばれるものです。

  • 疣贅(いぼ)は、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされます。

  • 隆起した病変または平坦な病変として、あらゆる部位の皮膚に出現します。

  • ほとんどのいぼは痛みを伴いません。

  • いぼは視診で特定することができ、生検を行うことはほとんどありません。

  • 自然に消えないいぼは、化学物質、凍結、または焼灼と切除により取り除くことができます。

疣贅(いぼ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。HPVには100を超える種類が存在します。

いぼはどの年齢層の人にもできますが、小児で最も多く、高齢者で最も少なくなります。できるいぼの数は1~2個から数百個と様々です。疣贅には伝染性があります。ウイルスが拡大するには長期的または反復的な接触が必要ですので、いぼは同じ人の別の部位に広がることが多いですが、患者からほかの人に伝染する可能性もあります。通常は皮膚に損傷がなければ感染は起きませんが、極めて小さな損傷でも感染の機会になります。尖圭コンジローマ(性器疣贅とも呼ばれます)は、性的な接触だけでしばしば他者に伝染します。

大半のいぼは、非常に煩わしい場合もありますが無害です。例外はHPVによって生じる一部の尖圭コンジローマで、口、のど、性器のがんにつながることがあります。

症状

疣贅(いぼ)は、皮膚上の発生部位と形状によって分類されています。いぼには、集団でできるもの(モザイク疣贅)と単独でできるものがあります。ほとんどのいぼは痛みを伴いませんが、触れると痛むものもあります。足にできたいぼは、立ったときや歩いたときに痛むことがあります。いぼに黒い点がみられることもあり、特にその部分の毛を剃った際によくみられます。

尋常性疣贅

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とは、ほとんど誰にでも生じる一般的な硬いいぼのことで、通常は表面がザラザラしています。形状は円形または不規則な形で、色は明るい灰色、黄色、褐色、または灰黒色をしています。大きさは直径が約1センチメートル未満のものがほとんどです。このいぼは、けがをしやすい場所、例えば膝、顔面、指、肘などによくできます。尋常性疣贅は周囲の皮膚に広がることがあります。

足底疣贅と手掌疣贅

足底疣贅(そくていゆうぜい)は足の裏にできますが、通常は歩く際に足の裏にかかる体重に圧迫されて平らになり、その周囲が厚くなった皮膚で囲まれます。

手掌疣贅(しゅしょうゆうぜい)は手のひらにできます。

足底疣贅と手掌疣贅は、硬く平らで表面はザラザラしており、周囲の皮膚との境界ははっきりしている傾向があります。押すと痛みが生じること(圧痛)が多く、足底疣贅では立ったり、歩いたりすると、患部に圧力がかかって強く痛むことがあります。足の甲や足の指にできることもあり、その場合はしばしば盛り上がり、より肉感を伴うのが通常です。色は灰色や褐色で、中心部にしばしば小さな黒い芯がみられます。うおのめ(鶏眼[けいがん])やたこ(胼胝[べんち])とは違い、足底疣贅はナイフで表面をそいだり切除したりすると、針先のような細かい多数の点から出血することがよくあります。

モザイク疣贅

モザイク疣贅は、複数の小さな足底疣贅が集まって融合したものです。他の足底疣贅と同様に、しばしば圧迫すると痛みを感じます(圧痛)。

爪囲疣贅

爪囲疣贅(そういゆうぜい)は、爪の周りに生じる厚みのあるカリフラワー状のいぼです。爪のあま皮がなくなり、爪の周囲に別の皮膚感染症(爪囲炎)が生じることもあります。このようないぼは爪を噛む人や、皿洗いやバーテンダーなど常時手を濡らす職業の人によくみられます。

糸状疣贅

この種のいぼは、細長くて小さな突起で、まぶた、顔面、首、唇などによくできます。通常、この種のいぼは症状を引き起こさず、通常は容易に治療できます。

扁平疣贅

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)は、小児や若い成人によくできるいぼで、通常は複数の病変が集まって生じます。表面は滑らかで、上部が平らになった斑点であり、色は黄褐色、ピンク色、または肌色で、顔面や手の甲に最もよくできます。引っかき傷に沿ってできることもあります。男性ではひげが生える部位(須毛部)、女性では脚が扁平疣贅の好発部位で、ひげや脚の毛を剃ることで拡大する場合があります。この種のいぼは、典型的には何の症状も引き起こしませんが、治療は通常困難です。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマ(せんけい~)は、性器疣贅とも呼ばれ、陰茎、肛門、外陰、腟、子宮頸部に発生します。平らで滑らかまたは不規則な質感のでこぼこした突起で、しばしば小さなカリフラワーのような様相を呈します。肛門の周囲にできると、しばしばかゆみを伴います。

知っていますか?

  • いぼは体の一部から別の部位に広がることが多いですが、別の人に感染することもあります。

診断

  • 医師による評価

  • ときに生検

いぼは典型的な概観から特定できます。

皮膚にできた突起状の病変が何なのか確実に確定できない場合は、そのサンプルを採取して顕微鏡で検査します(生検)。

治療

  • 化学物質の外用

  • 凍結

  • 焼灼または切除

いぼの多く、特に尋常性疣贅は、1~2年で自然に消失します。いぼは自然に治れば瘢痕(はんこん)を残すことはまれなため、痛みや精神的苦痛を引き起こしていなければ、特に治療の必要はありません。尖圭コンジローマは、セックスパートナーへの感染を予防するために治療しますが、その多くはヒトパピローマウイルスに対するワクチンで予防することが可能です。どの種類のいぼも、切除した後に再発することがあります。足底疣贅は最も治りにくいいぼです。

一般に、いぼは以下の方法で取り除きます。

  • 化学物質:一般的に治療に使用されるものとしては、サリチル酸、トリクロロ酢酸、フルオロウラシル、カンタリジン(cantharidin)、トレチノイン、ポドフィリンなどがあります。扁平疣贅には、トレチノイン、乳酸、サリチル酸などのケミカルピーリング用の薬剤がよく用いられます。フルオロウラシル配合のクリームや溶液を使用することもあります。イミキモド、ポドフィロトキシン(podofilox)溶液、およびシネカテキンスは、尖圭コンジローマの治療に使用されますが、他のいぼの治療にも使用されることがあります。患者が自分で塗ることのできる薬剤もありますが、病院で塗ってもらう必要があるものもあります。これらの薬剤の多くは正常な皮膚をヒリヒリさせることがあるため、自分で塗る場合は使用方法を正しく守って使用する必要があります。薬剤による治療は通常、数週間から数カ月にわたり、何度か繰り返して行う必要があります。いぼに薬剤を塗る前に、いぼをまず温水に浸すことで、薬剤が浸透しやすい状態にすることができます。治療の前に、自宅または医療機関で、いぼの周囲から壊死した皮膚組織を削って取り除きます。

  • 凍結療法(いぼを凍結させて取り除く):凍結療法は訓練を受けた専門家が行えば安全です。通常は患部に麻酔をかける必要はありませんが、小児の場合は、麻酔をかけずに凍結させると痛みを我慢できないこともあります。様々な市販の凍結用物質でいぼを凍らせることができますが、液体窒素をスプレーするか綿棒で塗る方が効果的です。凍結療法は足底疣贅、糸状疣贅、手の爪の下にできた疣贅によく用いられます。この治療は月1回の間隔で複数回行わなければならないことも多く、特に大きいいぼの場合はその可能性が高くなります。

  • いぼを焼き切る方法:この方法は効果的ですが、痛みが強く、通常は瘢痕が残ります。いぼを焼き切る治療には、レーザーまたは電流が用いられます。パルス色素レーザーも効果的ですが、凍結療法と同様に通常は複数回の治療が必要です( 皮膚の異常に対するレーザー治療)。

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