(皮膚の良性腫瘍の概要 皮膚の良性腫瘍の概要 皮膚やその下の組織(皮下組織)の細胞が増殖して、腫瘍ができることがあります。腫瘍は隆起したものもあれば、平らなものもあり、暗褐色、黒色、肌色、赤色など、色は様々 です。生まれつきみられる場合もあれば、生まれた後に発生する場合もあります。 腫瘍の成長が抑えられていて、腫瘍細胞が体の他の部分に広がっていかない場合は、その皮膚の増殖物(腫瘍)は... さらに読む と 脈管の増殖と奇形の概要 脈管の増殖と奇形の概要 脈管の増殖や奇形とは、血管やリンパ管(脈管)が皮膚の内部や皮膚の下で異常に密集した状態で、そのために皮膚が赤色や紫色に変色します。 脈管の増殖や奇形の多くは、出生時または出生後すぐに生じます。 通常、このような増殖や奇形の診断は、その典型的な外観から下されます。 治療法は増殖や奇形の種類によって異なります。 ( 皮膚の良性腫瘍の概要も参照のこと。) さらに読む も参照のこと。)
ポートワイン血管腫は無害な、皮膚の永続的な変色です。とはいえ、美容的な外見は患者にとって気になるものであり、心理的にかなり重荷になることもあります。この血管腫は平坦な斑で、ピンク、赤、紫などの色をしています。大きさは、小さなものから体のかなりの部分を覆うほど大きなものまで様々です。この血管腫が新生児の首筋にみられる場合、「コウノトリの噛み跡」などといわれます。
スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群 スタージ-ウェーバー症候群では、細い血管が異常に増殖します。顔面に生じるポートワイン母斑や脳を覆う組織にできる血管腫(血管の腫瘍)を特徴とします。 スタージ-ウェーバー症候群は遺伝子の突然変異によって引き起こされます。 この病気では、けいれん発作、筋力低下、知的障害、眼圧亢進(緑内障)などがみられ、脳卒中のリスクが高まります。 小児に典型的な母斑が認められる場合、医師はこの病気を疑い、頭部の画像検査を行って血管腫がないか確認します。... さらに読む という、けいれん発作や知的障害などの神経学的症状と関連するまれな先天性の病気がありますが、まれに顔面のポートワイン血管腫がこの症候群の一部として生じることもあります。
ポートワイン血管腫は、化粧品のファンデーションやコンシーラーなどで隠せることもあります。血管腫が気になる場合は、レーザー治療で見た目を大きく改善することができ(コラム「 皮膚の異常に対するレーザー治療 皮膚の異常に対するレーザー治療 」を参照)、特に生後できるだけ早期に治療すれば、大きな改善が得られます。