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皮膚に生じる異常、増殖病変、色の変化の記述

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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医師は、皮膚に生じる様々な種類の異常や増殖病変を言い表すために特定の専門用語を使用します。また、皮膚の病気や感染症には皮膚の色を変化させるものがあります。

皮膚の構造と機能も参照のこと。)

皮膚に生じる異常と増殖病変の種類

萎縮は、皮膚が薄くなった部分で、ときにくぼみができることもあり、しばしば乾燥してしわのある「シガレットペーパー」状の外観を呈します。

水疱は、内部が透明な液体で満たされた膨らみのうち、直径が10ミリメートルを超える(小水疱より大きい)ものです。

痂皮(かひ)(かさぶた)は、皮膚の表面で血液、膿、体液などが乾燥したものです。皮膚が傷ついた部分であれば、どこにでもできます。

嚢腫(のうしゅ)は、薄い壁で囲まれた空間が液体または半液体状の物質で満たされたもので、しばしば皮膚にこぶ(結節)ができたような外観と感触を呈します。

びらんは、皮膚の表層(表皮)の一部または全体が失われ、その下の組織が露出した状態です。感染、圧迫、刺激、温度などによって皮膚が損傷を受けると、びらんが生じます。一般的には瘢痕を残すことなく治癒します。

表皮剥離は、皮膚をひっかいたり、こすったり、むしったりすることで生じるびらんで、しばしば痂皮に覆われています。

病変とは、皮膚に生じるあらゆる異常な特徴や増殖を総称する用語です。

苔癬化(たいせんか)は、皮膚が厚くなり、表面にしわや溝が深くくっきりと現れた状態で、皮膚を繰り返しひっかいたり、こすったりすることで生じます。

斑(はん)は、皮膚の表面にできた直径10ミリメートル未満の平らな変色部分で、その形は問いません。そばかす、平らなほくろ、ポートワイン血管腫のほか、多くの発疹が斑に該当します。比較的大きな斑(5ミリメートルを超えるもの)はパッチと呼ばれることがあります。

結節は、硬く盛り上がった部分で、通常は丸く、丘疹よりも高くて触れやすいものです。ときに結節が表皮の下に生じ、皮膚を押し上げているように見えることもあります。

丘疹(きゅうしん)は、直径10ミリメートル未満の硬い盛り上がりです。いぼ、虫刺され、扁平苔癬、一部の皮膚がんなどが丘疹になります。

局面(きょくめん)は、皮膚の平らまたは盛り上がった領域あるいは小さな隆起(丘疹)の集合体で、一般的には直径が10ミリメートルを超えるものです。

膿疱(のうほう)は、内部に膿を含んだ小水疱です。

鱗屑(りんせつ)は、死んだ表皮細胞が蓄積して、カサカサに乾燥した斑に見える領域です。鱗屑は乾癬や脂漏性皮膚炎など、多くの病気でみられます。

瘢痕(はんこん)は、正常な皮膚が線維状の組織(瘢痕組織)で置き換わった領域です。瘢痕は真皮が損傷した後に生じます。

毛細血管拡張は、皮膚の表面付近にある血管が拡張し、しばしば蛇行しているのが透けて見える状態で、圧迫すると白くなります(退色)。

潰瘍(かいよう)は、びらんに似た病変で、深さが少なくとも真皮の一部にまで達しているものをいいます。原因はびらんと同じですが、多くの場合、静脈うっ滞や糖尿病、末梢動脈疾患、血管炎といった治癒を妨げる病態が併存しています。潰瘍は通常、瘢痕を残して治癒します。

小水疱(しょうすいほう)は、内部が透明な液体で満たされた膨らみのうち、直径が10ミリメートル未満のものです。直径が10ミリメートルを超えるものは水疱といいます。帯状疱疹、水痘(水ぼうそう)、熱傷(やけど)、アレルギー反応、炎症などによって小水疱や水疱が生じます。

膨疹(ぼうしん)(じんま疹)は、かゆみを伴って盛り上がった赤い領域で、皮膚が腫れることによって生じます。比較的急に出現し、ほぼ常に24時間以内に消失します。膨疹は薬物、虫刺され、何らかの物質の皮膚への接触に対する一般的なアレルギー反応で、膨疹が複数ある場合はじんま疹と呼ばれます。

皮膚の変色

皮膚の赤色への変色(紅斑)は、炎症を引き起こす様々な病気や感染症によって生じることがあります。皮膚にできた腫瘍はしばしばピンク色や赤色をしています。ポートワイン血管腫のように、皮膚の表面付近の血管にできた病変も赤く見えることがあります。

皮膚のオレンジ色への変色は、高カロテン血症が原因であることがほとんどです。高カロテン血症は、血液中のカロテン色素が増えすぎたために生じる状態です。ニンジンなどのベータカロテンを多く含む食物を食べすぎることで高カロテン血症が生じることがあります。

皮膚の黄色への変色は、黄疸が起きた人でみられます。皮膚の一部が周囲と孤立して黄色に変色する原因としては、眼瞼黄色腫や黄色腫(皮膚や腱への少量の脂肪の沈着で黄色く見える)などがあります。

爪の緑色への変色は、一般的には緑膿菌 Pseudomonas aeruginosaという細菌の感染によって生じます。

皮膚の青紫色への変色は、皮膚の下への出血(皮下出血)または血管炎により生じることがあります。カポジ肉腫血管腫のような血管の異常増殖が紫色に見えることもあります。皮膚筋炎による皮膚の炎症によって、眼の周りや顔面が赤紫色や薄紫色になることもあります(ヘリオトロープ疹)。

青色っぽい色、銀色っぽい色、灰色っぽい色が、ミノサイクリン、アミオダロン、銀(銀皮症)などの薬剤や金属が皮膚に沈着することで生じることがあります。血流が遮断ないし減少している皮膚が紫色から灰色に見えることもあります。皮膚の深い部分にあるあざやほくろ(母斑)が青く見えることもあります。

黒い皮膚病変には、茶色のメラニン色素を作り出す特殊な細胞(メラノサイト)が含まれていることがあります。この種の病変の例としては、ほくろ(母斑)や黒色腫などがあります。厚く硬い黒色のかさぶた(焼痂と呼ばれます)は、死んだ皮膚が集まったもので、組織の壊死(梗塞)によって生じることがあります。

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