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水疱性類天疱瘡

執筆者:

Daniel M. Peraza

, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth University

最終査読/改訂年月 2017年 4月
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水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)は、皮膚に水疱ができる自己免疫疾患です。

原因は不明ですが、薬剤(フロセミド、スピロノラクトン、サラゾスルファピリジン、抗精神病薬、ペニシリン、ペニシラミン、エタネルセプトなど)、物理的原因(乳がんに対する放射線療法や紫外線など)、皮膚疾患(乾癬 乾癬 乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘、膝、頭皮によくみられます。 この病気の治療は、皮膚に塗る薬剤(外用薬)、紫外線照射(光線療法)、内... さらに読む 乾癬 扁平苔癬 扁平苔癬 扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、赤色または紫色の小さな隆起した発疹が現れる、かゆみを伴う再発性の病気で、最初に現れる発疹は1つずつ離れていますが、次第に複数が融合していき、ザラザラした鱗屑(うろこ状のくず)を伴う斑になります。 特定の薬剤や感染性微生物に対する反応が原因である可能性があります。 よくみられる症状として、体の様々な部分、ときには口腔内や性器に、赤や紫色の隆起からなるかゆみを伴う発疹が現れ、鱗屑(うろこ状のくず)を伴う斑にな... さらに読む 扁平苔癬 、一部の感染症など)、その他の特定の病気(糖尿病 糖尿病 糖尿病は体が必要とするインスリンを十分に産生しないため、血糖(ブドウ糖)値が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇き、減量しようとしていないのに体重が減少します。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む 関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む 関節リウマチ(RA) 潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎とは、大腸に炎症が起こり、潰瘍が形成される慢性炎症性腸疾患で、出血性の下痢や腹部のけいれん痛、発熱を伴う発作が起きます。潰瘍性大腸炎がない人と比べて、結腸がんの長期リスクが高まります。 この病気の正確な原因は分かっていません。 発作時の典型的な症状は、腹部のけいれん痛、便意の切迫、下痢(血性下痢が典型的)などです。 診断は、S状結腸内視鏡検査か、ときに大腸内視鏡検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む 多発性硬化症 脱髄疾患の概要 脳の内外のほとんどの神経線維は、脂肪(リポタンパク)でできた何層もの組織(ミエリンといいます)に包まれています。それらの層は髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる組織を形成しています。髄鞘は電線を包む絶縁体のような役割を果たしていて、この働きによって、神経信号(電気インパルス)が神経線維に沿って速くかつ正確に伝えられます。髄鞘が損傷すると、信号が神... さらに読む など)が誘因となる可能性があります。

症状

水疱性類天疱瘡では、しばしばかゆみが最初の症状となります。水疱が現れる前に、盛り上がった大きな皮疹が生じることがあり、ときにじんま疹のように見えることもあります。やがて免疫系が皮膚を攻撃する抗体を作り出すようになり、その結果として皮膚に張りつめた大きな水疱ができ、強いかゆみを伴います。その水疱の周りの皮膚は正常に見えることもあれば、炎症が起きて赤くなることもあります。水疱は、膝の裏側、わきの下、肘の内側、鼠径部(太ももの付け根)など、曲げることのできる部位によく生じます。水疱が口の中にできることはまれです。

診断

  • 医師による評価

  • 皮膚生検

診断は通常、その特徴的な水疱によって下されます。しかし、尋常性天疱瘡や重度のツタウルシアレルギーなど、水疱ができる他の病気と区別することは必ずしも容易ではありません。水疱性類天疱瘡は、皮膚のサンプルを顕微鏡で調べる検査(皮膚生検 生検 皮膚の病気には、医師が皮膚を観察しただけで特定できるものが数多くあります。全身の皮膚の診察には、頭皮、爪、粘膜の診察も含まれます。ときに、皮膚の一部を詳細に観察するために、手持ち式の拡大鏡やダーモスコープ(拡大レンズと内蔵式のライトを備えた器具)を使用することもあります。 診断につながる特徴としては、皮膚に現れている異常部分の大きさ、形、色、部位に加え、その他の症状や徴候の有無があります。皮膚の異常の広がりを調べるため、しばしば衣服をす... さらに読む 生検 )によって確実に診断することができます。水疱性類天疱瘡と尋常性天疱瘡の区別は、病変が及んでいる皮膚の層と特徴的な抗体の沈着の有無を調べることで行います。

予後(経過の見通し)

治療を行わなくても、水疱性類天疱瘡は通常3~6年で消失しますが、衰弱した高齢の患者では3分の1が死に至る可能性があります。高用量のコルチコステロイドを服用する治療を受けている患者では、死に至る可能性がさらに高いとみられています。

治療

  • コルチコステロイド(クリーム剤または錠剤)

  • ときに、その他の薬(重症患者に対する免疫抑制薬など)

治療としてはまず、クロベタゾールなどの強力なコルチコステロイドクリームを皮膚に直接塗ります。このクリームにより、薬を内服する必要性を減らすことができます。皮膚の広い領域に水疱が生じている患者では、しばしばコルチコステロイドの一種であるプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)を経口で使用する必要があり、その場合は投与量を数週間後から徐々に減らしていきます(漸減)。ほとんどの場合、2~10カ月で症状はなくなります。

ニコチン酸アミドとミノサイクリンまたはテトラサイクリンいずれかとの併用が、水疱性類天疱瘡の治療に有効となる場合があります。その他の薬剤の選択肢としては、ジアフェニルスルホン、スルファピリジン、エリスロマイシンしかありません。ときに、他の治療薬が効かない重症患者に対して、メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブ、シクロホスファミドなど、免疫系を抑制する薬が投与される場合があります。ときに免疫グロブリン製剤の静脈内投与が行われることもあります。

症状によっては局所的なスキンケアが必要になることもありますが、ほとんどの場合は、入院も集中的なスキンケア治療も必要ありません。

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