Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

回帰熱

執筆者:

Larry M. Bush

, MD, FACP, Charles E. Schmidt College of Medicine, Florida Atlantic University

最終査読/改訂年月 2018年 5月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

回帰熱は、特定のボレリア Borrelia細菌によって引き起こされる病気で、感染したダニやシラミによって広められます。

  • 突然の悪寒と、その後に高熱、重度の頭痛、嘔吐、筋肉痛や関節痛が起こり、ときに発疹が生じることもあります。

  • 症状の消失と出現を数回繰り返します。

  • 血液のサンプル中でこの細菌が特定されれば、診断が確定します。

  • 通常は抗菌薬が効果的です。

ボレリア属 Borreliaのいくつかの細菌が回帰熱を引き起こします。ライム病を引き起こすボレリア属 Borrelia細菌とは、菌種が異なります。

ダニ媒介性回帰熱は、米国、アフリカ、アジア、および欧州でみられます。米国では、主に西部の州で5~9月を中心に発生しています。ボレリア属 Borrelia細菌の感染を媒介するダニは通常、げっ歯類の動物(シマリスやリスなど)によって運ばれます。げっ歯類の動物が住み着いた山小屋で睡眠をとると、感染したダニに咬まれることがあります。しかし、ダニは一晩だけ吸血し、それほど長期にわたって付着しないため、ダニに咬まれたことを本人も忘れてしまいがちです。

シラミ媒介性回帰熱は、米国ではまれな病気で、主に中央および東アフリカの山岳地帯と南米のアンデス山脈で発生しています。シラミ媒介性回帰熱は欧州でもアフリカからの難民の間で発生しています。この感染症は大流行することがあり、特に戦争の影響を受ける地域や難民キャンプでよくみられます。通常、シラミの寄生は見ればすぐに分かります。人への感染は、シラミが潰されて細菌が放出され、それが咬まれた箇所や皮膚の損傷した箇所から体内に侵入することで起きます。傷ついていないシラミが感染を広めることはありません。

症状

回帰熱では、悪寒が突然みられた後、高熱、重度の頭痛、嘔吐、筋肉痛、関節痛が発生します。ダニに咬まれた箇所に、厚くて黒いかさぶた(痂皮)ができることがあります。体幹と腕や脚に赤みを帯びた発疹が現れ、眼が充血することもあります。一部の患者はせん妄状態に陥ります。

数日後に発熱が急に治まり、快方に向かいます。しかし、やがて発熱と通常は他の症状がぶり返し(再燃)、1週間ほどの間隔で最大30回の再燃がみられます。そのたびに症状は軽くなっていき、最終的に患者は回復して、この病気に対する免疫を獲得します。

病気の後期には、他の症状が現れることもあります。具体的には、黄疸(皮膚や白眼の部分が黄色くなる症状)、肝臓と脾臓の腫大、心筋炎(心臓の組織の炎症)、心不全などがみられます。これらの症状はシラミ媒介性回帰熱の患者で比較的多くみられます。

眼、脳、脊髄に感染が起きることもあり、例えば、髄膜炎が発生することがあります。これらの病態はダニ媒介性回帰熱の患者で比較的多くみられます。

妊婦が回帰熱を発症すると、流産になる可能性があります。

大半の患者は回復しますが、わずかながら亡くなる人もいます。死に至る可能性が高いのは、非常に若い妊婦、高齢者、栄養状態が悪い人、衰弱した人、シラミ媒介性回帰熱の流行期に感染した人です。

診断

  • 血液サンプルの検査

発熱が繰り返しみられる場合、特に患者が洞窟や山小屋で一晩過ごしたと報告した場合には、医師は回帰熱を疑います。

回帰熱の診断を下すには、医師が血液のサンプルを採取して顕微鏡で観察して、ボレリア属 Borrelia細菌がいないか確認します。回帰熱を引き起こすボレリア属 Borrelia細菌に対する抗体の測定が、診断の役に立つことがあります。この測定は、この感染症の診断後すぐと回復してから数週間後の2回行います。

治療

  • 抗菌薬

通常はテトラサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシンなどの抗菌薬が効果的です。

抗菌薬を最初に投与してから2時間以内に、不快な反応(ヤーリッシュ-ヘルクスハイマー反応)が起こり、発汗、悪寒戦慄、発熱、血圧の低下が起こることがあります。この反応を軽減するために、抗菌薬を最初に投与する前と後にアセトアミノフェンを使用する場合があります。

嘔吐のために脱水や電解質異常が起きている場合は、静脈から水分を投与する輸液を行います。アセトアミノフェンで頭痛を軽減できる場合があるほか、プロクロルペラジンで吐き気と嘔吐を軽減できます。

さらなる情報

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP