
帯状疱疹 帯状疱疹 帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、 ウイルス感染症による痛みのある皮疹で、水痘を引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じます。 ウイルスが再活性化する原因は分からないことが多いのですが、病気や薬によって免疫機能が低下したときに起こる場合があります。 帯状疱疹では痛みを伴う水疱の発疹が現れ、患部に慢性痛が生じることもあります。 典型的な水疱が皮膚に帯状に現れると、帯状疱疹の診断が下されます。... さらに読む とは痛みを伴う水疱の発疹で、 水痘 水痘(水ぼうそう) 水痘とは、水痘帯状疱疹ウイルスによる、感染力が非常に強い ウイルス感染症で、かゆみのある特徴的な発疹が現れます。発疹は小さな斑点で、盛り上がったり、水疱(水ぶくれ)を形成したり、かさぶたができたりします。 水痘はほとんどが小児に起こりますが、水痘ワクチンのおかげで発生数は大幅に減少しています。 発疹が現れる前に、軽い頭痛、中等度の発熱、食欲低下、全身のけん怠感がみられます。 診断は症状(特に発疹)に基づいて下されます。... さらに読む
を引き起こす水痘帯状疱疹 ウイルス ウイルス感染症の概要 ウイルスは核酸( DNAかRNAのどちらか一方)で構成されており、タンパク質の膜で覆われています。ウイルスが増殖するには生きている細胞が必要です。ウイルス感染症は、無症状(明らかな症状はない)から重度の病態にいたるまで、幅広い症状を引き起こします。 ウイルス感染症は、ウイルスを飲み込んだり、吸い込んだり、虫に刺されたり、性的接触を通じて感... さらに読む が再活性化することで発生します。水痘帯状疱疹ウイルスは ヘルペスウイルス ヘルペスウイルス感染症の概要 よくみられるウイルス感染症の1つに、ヘルペスウイルスによるものがあります。人間に感染するヘルペスウイルスには、以下の8種類があります。 単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルス(ヘルペスウイルス3型、 水痘や 帯状疱疹の原因となる)の3種類のヘルペスウイルスは、皮膚や粘膜に水疱... さらに読む の一種(ヘルペスウイルス3型)であるため、帯状疱疹もヘルペスと呼ばれることがあります。帯状疱疹を発症した人は、発疹が消えてからかなりの時間が経っても痛みが続くことがあります。そうした痛みは帯状疱疹後神経痛と呼ばれます。
帯状疱疹後神経痛が起こるはっきりした原因はよく分かっていません。
帯状疱疹後神経痛は高齢者で最もよくみられます。加齢に伴い、帯状疱疹後神経痛を発症する可能性が高まります。
症状
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の発疹が出現した領域に発生します。痛みは途切れなく続く場合もあれば、間欠的に起こる場合もあります。痛みは重度になることがあり、何もできなくなることさえあります。
痛みは数カ月程度で自然に治癒する場合もあれば、何年も続く場合もあります。
診断
医師による評価
帯状疱疹を患った後に患部の痛みが続く場合は、医師の診察を受ける必要があります。
帯状疱疹後神経痛の診断は、帯状疱疹を患った人の症状と身体診察の結果に基づいて下されます。
治療
痛みを緩和する薬やクリーム剤
ときに他の薬
これまで重い帯状疱疹後神経痛に対していくつかの治療法が試されてきましたが、安定して成功する治療法は見つかっていません。
帯状疱疹後神経痛には以下のような治療が行われます。
抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
外用リドカイン軟膏
ときにオピオイド
患部へのA型ボツリヌス毒素の注射(痛みが和らぐことがある)