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ヘモクロマトーシス

(遺伝性ヘモクロマトーシス;原発性ヘモクロマトーシス)

執筆者:

James Peter Adam Hamilton

, MD, Johns Hopkins University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 10月
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ヘモクロマトーシスは、鉄が過剰に吸収される遺伝性疾患で、体内に鉄が蓄積され、臓器に損傷を与えます。

鉄過剰症の概要も参照のこと。)

米国には、100万人以上のヘモクロマトーシス患者がいます。男性の方が女性より多く罹患します。致死的となることもありますが、たいていは治療可能です。

は摂取する食事から吸収されます。ほとんどの鉄は赤血球に収容されます。

  • この疾患では鉄が体のあらゆる場所に蓄積して損傷を与えます。

  • 肝疾患や糖尿病となる場合も、単に疲労感のみの場合もあります。

  • 血液検査によって遺伝子検査が必要な人が特定され、遺伝子検査により確定できます。

  • 血液の除去(瀉血[しゃけつ])を定期的に行うことで、それ以上の損傷を防ぐことができます。

原因

ヘモクロマトーシスは遺伝性です。原因にはいくつかの異なる遺伝子変異があります。

最もよくみられる突然変異によって引き起こされる疾患は以下のものです。

  • 1型ヘモクロマトーシス

1型ヘモクロマトーシスでは、HFE遺伝子の変異がみられます。北欧系の人に発生します。どちらも罹患した両親から変異した遺伝子を受け継がなければなりません。HFE遺伝子からは、体内の鉄の量を感知するタンパク質がつくられます。この遺伝子が突然変異すると、食事から吸収される鉄の量が過剰になります。

その他の突然変異により引き起こされる同様の疾患として以下のものがあります。

  • 2型ヘモクロマトーシス(若年性ヘモクロマトーシスと呼ばれることもあります)

  • 3型ヘモクロマトーシス(トランスフェリン受容体2[TFR2]変異型ヘモクロマトーシスとも呼ばれる)

  • 4型ヘモクロマトーシス(フェロポルーチン病とも呼ばれる)

  • 低トランスフェリン血症

  • 無セルロプラスミン血症

TFR2変異では、特定の細胞への鉄吸収をコントロールする能力が損なわれます。ヘモクロマトーシスの種類によって発症する年齢は異なりますが、鉄過剰症による症状や合併症はまったく同じです。

症状

通常、症状は徐々に生じ、鉄の蓄積が過剰になるまで気が付かない可能性があります。多くの場合、中年以降まで症状は現れません。ときには、最初の症状が疲労や脱力感のようにあいまいなことがあり、気づかない場合や、他の疾患が原因とされる場合があります。女性の場合、月経の出血と妊娠中の鉄の必要量の増加によって鉄が失われるため、症状はたいてい閉経後に始まります。

鉄の蓄積は、脳、肝臓、膵臓、肺、心臓など全身に損傷を与えるため、症状は様々です。初期症状としては(特に男性では)、肝臓の損傷による肝硬変や膵臓の損傷による糖尿病の症状がみられます。または、初期の症状が(特に女性では)あいまいで、全身的に症状が表れる場合もあります。その一例が疲労感です。肝疾患が最もよくみられますが、以下の問題が生じることもあります。

男性の大半において、男性ホルモンが減少します。勃起障害になることもあります。以前から神経疾患がある場合には、ヘモクロマトーシスによって悪化することがあります。

診断

  • 血液検査

  • 遺伝子検査

  • ときに肝生検

症状に基づいてヘモクロマトーシスを診断するのは困難です。しかし、血液検査を行うことで、さらなる評価が必要な人を特定できます。血液検査では以下の成分の血中濃度を測定します。

  • フェリチン(鉄を蓄えるタンパク質)

  • トランスフェリン(赤血球中に鉄が存在しない場合に血液中で鉄を運ぶタンパク質)

フェリチン濃度とトランスフェリン中の鉄の割合(トランスフェリン飽和度)が高い場合には、通常は遺伝子検査を行って診断を確定します。肝臓が損傷しているかどうかを調べるには、肝生検が必要です。

ヘモクロマトーシス患者には、遺伝子検査を受けることが勧められ、その第1度近親者(兄弟姉妹、親、子ども)は、ヘモクロマトーシスのスクリーニング(鉄の量を測定することによります)を受ける必要があります。

治療

  • 血液を抜き取る(瀉血)

通常は、血液の除去(瀉血)が最善の治療法です。瀉血によって器官の損傷が進行するのを防げますが、すでに損傷した器官は元に戻りません。瀉血は、最初は週1回、またはときに週2回行います。フェリチン濃度とトランスフェリン中の鉄の割合が正常になるまで、瀉血の都度、約500ミリリットル(1単位)の血液を抜き取ります。その後、鉄貯蔵量を正常に保つため定期的に瀉血を行います。

糖尿病心不全勃起障害などの合併症がある場合は治療が必要です。肝硬変がある場合、肝臓がんのスクリーニングのために6カ月毎に超音波検査を行う必要があります。

鉄分を含む食物を含めて、普通の健康的な食事をとることができます。アルコールを摂取すると、鉄吸収量が増加し、肝硬変のリスクも高まる可能性があるため、制限するように医師から指示されることがあります。

ヘモクロマトーシスの早期診断と治療により、健康な生活を長く送ることが期待できます。

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