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好酸球の病気

執筆者:

Mary Territo

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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好酸球は白血球 白血球の病気の概要 白血球は、感染性微生物や外来物質から体を守る重要な役割を担っています(免疫系)。体を十分に守るためには、感染性微生物や外来物質が体内に侵入したというメッセージを受けた十分な数の白血球がその場所に向かい、有害な微生物や物質を殺して消化する必要があります( リンパ系:感染に対する防御を補助する)。... さらに読む 白血球の病気の概要 の一種で、アレルギー反応、喘息(ぜんそく)、寄生虫感染に対する身体応答で重要な役割を果たしています。好酸球は、ある種の寄生虫に対して体を守る免疫機能を担っていますが、一方で、アレルギー疾患における炎症の一因にもなります。

ときに、好酸球により特定の臓器が炎症を起こして、症状が現れることがあります。

好酸球は通常、血液中の白血球の7%未満を占めています(1マイクロリットル当たり100~500個)。

好酸球数の減少

血液中の好酸球が減少する好酸球減少症は、クッシング症候群 クッシング症候群 クッシング症候群は、コルチコステロイドが過剰な状態で、通常は副腎のホルモン分泌過剰によるものです。 通常、クッシング症候群の原因は、副腎でのコルチコステロイドの過剰産生を引き起こす下垂体や副腎の腫瘍です。 クッシング症候群はまた、その他の部位(肺など)に腫瘍がある場合や、他の病気の治療のためにコルチコステロイドの投与を受けている人に起こることもあります。 クッシング症候群の人は、体幹の周りに過剰な脂肪がつき、顔が丸く膨らみ皮膚が薄くなり... さらに読む クッシング症候群 、血流感染症(敗血症 敗血症 敗血症は、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こる病態です。敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧(ショック)および臓器不全が引き起こされている病態です。 通常、敗血症は特定の細菌に感染することで起こり、病院内で感染する細菌で多くみられます。 免疫系の機能低下、特定の慢性疾患、人工関節や人工心臓弁の使用、特定の心臓弁の異常といった特定の条件下ではそのリスクが高くなります... さらに読む )、コルチコステロイドによる治療でみられることがあります。しかし、好酸球が減少しても、免疫系の他の仕組みが機能を補うため、通常は問題が生じません。

他の理由で血算を行ったときに好酸球数の減少が偶然発見されるのが普通です。

原因を取り除くことで、好酸球数は正常値に回復します。

好酸球数の増加

好酸球数が増加する好酸球増多症または好酸球増加症の最も一般的な原因は以下のものです。

  • アレルギー疾患

  • 寄生虫感染症

  • 特定のがん

喘息 喘息 喘息は、気道が何らかの刺激に反応して狭くなる(通常は可逆性)病態です。 症状としては、特定の誘因に反応して生じる、せき、喘鳴(ぜんめい)、息切れなどが最もよくみられます。 医師は、呼吸の検査(肺機能検査)を行って喘息の診断を確定します。 喘息発作を防ぐためには、誘因となる物質を吸い込まないようにするとともに、気道の開口を保つ薬を服用する必... さらに読む 喘息 アレルギー性鼻炎 アレルギー性鼻炎 鼻炎は鼻の粘膜が炎症を起こして腫れた状態で、鼻水と鼻づまりを特徴とし、通常はかぜ(感冒)または季節性アレルギーが原因で起こります。 鼻炎の最も多い原因はかぜとアレルギーです。 症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどです。 一般的に、診断は症状に基づいて下されます。 鼻炎には様々なタイプがあるため、治療法も様々で、例えば抗菌薬、抗ヒスタミン薬、手術、脱感作療法の注射、刺激物を避けることなどがあります。 さらに読む アレルギー性鼻炎 アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎(湿疹) アトピー性皮膚炎(一般には湿疹と呼ばれます)とは、皮膚の上層に生じる、かゆみを伴う慢性的な炎症です。花粉症や喘息のある人、また家族にそのような病気の人がいる人にみられることの多い病気です。 アトピー性皮膚炎は非常によくみられるもので、特に先進国やアレルギーを起こしやすい人に多くみられます。 乳児では、じくじくしてかさぶたを伴う赤い発疹が、顔面、頭皮、手、腕、足、脚にできる傾向があります。... さらに読む アトピー性皮膚炎(湿疹) などのアレルギー疾患では、しばしば好酸球数が増加します。多くの寄生虫 寄生虫感染症の概要 寄生虫感染症は開発が進んだ地域よりも開発途上の地域や農村部で多くみられます。 開発が進んだ地域では、寄生虫感染症は移民や帰国した旅行者、免疫機能が低下している人に起こります。 通常、寄生虫は口か皮膚から人体に侵入します。 医師は感染を診断するときに、血液、便、尿、たんや、その他の感染組織のサンプルを採取し、検査室へ送って調べてもらいます。... さらに読む (特に組織に侵入するもの)が好酸球増多症の原因になります。好酸球増多症を引き起こすがんには、ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫は、リード・シュテルンベルク細胞と呼ばれる特殊ながん細胞が認められることで区別されるリンパ腫です。 発生原因は分かっていません。 リンパ節の腫れがみられますが、通常は痛みを伴いません。 ほかにも、がん細胞が増殖している場所によっては、発熱、かゆみ、息切れなどの症状が出ることがあります。 診断にはリンパ節の生検が必要になります。 さらに読む 白血病 白血病の概要 白血病は、白血球または成熟して白血球になる細胞のがんです。 白血球は骨髄の幹細胞から成長した細胞です。ときには成長がうまくいかずに、染色体の一部の並びが変化してしまうことがあります。こうして異常となった染色体により正常な細胞分裂の制御が失われ、この染色体異常がある細胞が無制限に増殖するようになったり、細胞がアポトーシス(不要になった細胞が... さらに読む 、特定の骨髄増殖性疾患 骨髄増殖性疾患の概要 骨髄増殖性疾患は、骨髄の中にある造血細胞(前駆細胞、幹細胞とも呼ばれます)の成長や増殖が過剰になったり、線維組織の過度の増殖によって造血細胞が骨髄の外に押し出されたりする病気です。一般には後天的な病気で、遺伝ではありませんが、それでもまれに家系内にこの病気になった人が複数みられることがあります。... さらに読む などがあります。

好酸球数がわずかに上昇しただけでは、症状が現れることは通常ありませんし、血液中の好酸球数が多いことは、他の理由で血算を行ったときにやっと発見されます。しかし、ときに(特に好酸球数が非常に多い場合)、好酸球数の増加により組織が炎症を起こし、臓器に損傷を与えます。心臓、肺、皮膚、神経系が最も多く損傷を受けますが、あらゆる臓器が損傷を受ける可能性があります。

症状は、損傷を受けた臓器に関係しています。例えば、皮膚が損傷すると発疹がみられ、肺が損傷すると、喘鳴(ぜんめい)や息切れが生じます。また、心臓が損傷すると、息切れや疲労感(心不全の症状)がみられ、食道や胃が損傷すると、のどの痛み(咽頭痛)や胃の痛みが生じます。そのため、好酸球の病気は好酸球の数値が上昇した部位に従って、以下のように診断されます。

  • 好酸球性肺炎(肺)

  • 好酸球性心筋症(心臓)

  • 好酸球性食道炎(食道)

  • 好酸球性胃炎(胃)

  • 好酸球性腸炎(小腸)

  • 好酸球性大腸炎(大腸)

多くの場合、最初は症状を引き起こしている可能性がより高いと考えられる原因に基づいて検査が行われ、治療が施されます。例えば、感染の検査が行われるかもしれませんし、感染が明らかでなくても、抗菌薬が投与されることさえあります。治療後も症状が残っているという理由から、しばしば検査用に組織サンプルが採取されると(生検)、検査結果では損傷を受けた臓器内に好酸球が認められるでしょう。

好酸球の病気に対する治療では、しばしば経口コルチコステロイドが使用されます。

好酸球増多症候群

好酸球増多症候群は、明らかな原因がないのに、血液中の好酸球の数が6カ月以上にわたって1マイクロリットル当たり1500個を超えるまれな病気です。人によっては、まれな染色体異常がみられることがあります。

好酸球増多症候群はどの年齢層でも発生する可能性がありますが、50歳を過ぎた男性によくみられます。好酸球の数が増えすぎると、心臓、肺、肝臓、皮膚、神経系に損傷を与えるおそれがあります。例えば、レフレル心内膜炎と呼ばれる心臓の病気では、炎症が起こり、血栓形成、心不全、心臓発作、心臓弁の機能障害に至ることがあります。

症状としては、体重減少、発熱、寝汗、疲労、せき、胸痛、浮腫、胃痛、発疹、痛み、筋力の低下、錯乱、昏睡などが考えられます。このほかに、損傷を受けた臓器に応じて症状が加わります。

これらの症状がある人で、好酸球の数が多い状態が続いていることが血液検査で何度も確認されている場合に好酸球増多症候群が疑われます。好酸球増多症が、寄生虫感染やアレルギー反応、その他の診断可能な病気により生じたものではないことが確認され、かつ生検で臓器内に好酸球が認められると、好酸球増多症候群の診断が確定します。

好酸球増多症候群になると、治療をしない場合は患者の80%以上が2年以内に死亡しますが、治療を行った場合は患者の80%以上が生存できます。主な死因になるのは心臓の障害です。特に治療をせず3~6カ月間の経過観察だけでよい場合もありますが、多くはプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)、ヒドロキシカルバミド、または化学療法薬による治療が必要です。

好酸球増多症候群では、細胞の増殖を調節する遺伝子に後天性の異常がみられることがあります。この種の好酸球増多症候群は、イマチニブというがん治療に用いられる薬に反応を示す可能性があります。これらの薬による治療で効果がない場合は、ほかにも様々な薬を使用することが可能で、血液中から好酸球を除去する処置(白血球除去療法 血小板献血 以下のような、特別な供血方法がいくつかあります。 (輸血の概要も参照のこと。) 血小板献血では、全血ではなく血小板だけを採取します。供血者から採取した血液を機器で成分毎に分け、血小板だけを選別して、残りの成分は供血者に戻します。血液の大部分が体内に戻るため、全血の場合と比べて、1回に8~10倍の血小板を安全に採取できます。3日毎に1回(ただし、供血は1年に24回まで)と、より頻繁に血小板を採取できます。全血の場合は採血にかかる時間は10... さらに読む )と組み合わせることもできます。

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