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遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)

(オースラー-ウェーバー-ランデュ症候群)

執筆者:

David J. Kuter

, MD, DPhil, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2018年 4月
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遺伝性出血性毛細血管拡張症は、血管形成に異常があるため、血管がもろくなって出血しやすくなる遺伝性疾患です。

  • 皮膚や口腔、鼻腔、消化管の内側に血管の拡張(毛細血管拡張)がみられます。

  • 血管が破れると、これらの血管から持続的に出血し、特に鼻腔内の血管で出血がみられます。

  • 通常は、唇や舌で血管の拡張が認められることで、診断を下すのに十分な情報になります。

  • 医師は、出血を止めて、貧血が認められる場合は、鉄剤の投与や輸血を行うことがあります。

この病気では、皮膚の下の血管が破れて出血することがあり、特に顔、唇、口や鼻の中、手足の指の先に小さな赤色ないし紫色の変色がみられます。大量の鼻出血もみられます。脳、肝臓、肺、脊髄と同様に、消化管や尿路の細い血管も影響を受けて、これらの場所で出血を起こすこともあります。出血が頻繁に生じると、血球数の減少(貧血)がみられることがあります。

遺伝性出血性毛細血管拡張症の例

遺伝性出血性毛細血管拡張症では多くの場合、動脈と静脈の間に異常な経路(動静脈奇形[AVM])がみられます。動静脈奇形が脳や脊髄に発生すると、けいれん脳卒中、麻痺が生じ、肝臓に発生すると、肝不全心不全になることがあります。この奇形が肺に発生すると、血液が肺を通過してしまい、十分な酸素が受け取れなくなるため、息切れや疲労感がみられたり、皮膚が青白くなったりすることがあります。また、小さい血栓でも脳に達する可能性があり、脳卒中一過性脳虚血発作を引き起こすことがあります。

診断

  • 医師による評価

通常、家族歴のほか、顔面や口の周り、手足の指の血管に典型的な拡張が認められかつ出血の証拠が確認された後に、遺伝性出血性毛細血管拡張症の診断が下されます。

診断に疑いがあれば、しばしば血液検査を行って、貧血について調べます。

いったん遺伝性出血性毛細血管拡張症の診断が下されると、脳、肺、肝臓、腸の画像検査を行って動静脈奇形の有無を調べます。

スクリーニング

動静脈奇形の家族歴がある場合、思春期を迎えた時点で、遺伝性出血性毛細血管拡張症のスクリーニングが行われます。スクリーニングでは通常、貧血を調べるための血液検査のほか、肺、肝臓、脳の画像検査が行われます。通常スクリーニング検査は青年期の終わりの時点で再度実施されます。

治療

  • 止血

出血を止めるまたは予防することが治療の目標です。圧迫する、血管を狭くする外用薬(収斂剤)を使用する、鼻や消化管で出血している血管をレーザー光線で破壊するなどの治療が行われます。重度の出血では、手術などのより体に負担の大きい手法が必要な場合があります。

肺の動静脈奇形や、ときに肝臓の動静脈奇形では、カテーテルと呼ばれる細くて柔軟な管を用いて問題のある血管に小型の器具を挿入します。この手技では、患者の動脈の1つからカテーテルを挿入し、動静脈奇形がある部位につながる動脈へとカテーテルを進めます。そして、小さなコイルまたはプラグをカテーテルを通じて挿入し、動静脈奇形からの出血を止めます。

出血は、ほぼ必ず再発し、鉄欠乏性貧血に至ります。遺伝性出血性毛細血管拡張症では、しばしば鉄剤の補充(経口または静脈内投与)が必要になります。輸血を繰り返す必要が生じることもあります。出血を最小限に抑えるために、血栓の分解を阻害する薬(イプシロンアミノカプロン酸[Aminocaproic acid]やトラネキサム酸など)を服用する必要が生じることもあります。

ベバシズマブ、ポマリドミド、サリドマイドなどの他の薬によって異常な血管の数や密度を減らすことができますが、これらの薬のうち、出血の発生頻度を減らすことが示されているのは、ベバシズマブだけです。

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