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骨髄性プロトポルフィリン症とX連鎖プロトポルフィリン症

執筆者:

Herbert L. Bonkovsky

, MD, Wake Forest University School of Medicine;


Sean R. Rudnick

, MD, Wake Forest University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 9月
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骨髄性プロトポルフィリン症とX連鎖優性プロトポルフィリン症は、ヘムの生成に関与している酵素の欠乏と関連し、日光への過敏症を特徴とする病気です。

  • ヘム前駆体のプロトポルフィリンが骨髄、赤血球、他の組織(皮膚など)に蓄積します。

  • 日光にあたるとすぐに、激しい皮膚の痛みと腫れが起こります。

  • 血液検査で、プロトポルフィリン濃度の上昇が調べられます。

  • この病気の人は、日光を避ける必要があります。

  • ベータカロテンが皮膚の保護に有用となる場合があります。

ポルフィリン症の概要も参照のこと。)

皮膚にプロトポルフィリンが蓄積すると、日光に対して極端に敏感になり、日光を浴びるとすぐに激しい痛みが生じます。日光がプロトポルフィリン分子を活性化して、周囲の組織を損傷します。

肝臓にプロトポルフィリンが蓄積すると、肝傷害が生じます。胆汁に排出されたプロトポルフィリンは、しばしば胆石を形成します。

骨髄性プロトポルフィリン症

骨髄性プロトポルフィリン症はあまりみられません。主に小児期に発生します。

骨髄性プロトポルフィリン症のほとんどの人で、フェロキラターゼ酵素の欠損により、ヘム前駆体のプロトポルフィリンが骨髄、赤血球、血漿(けっしょう、血液の液体成分)、皮膚に蓄積し、最終的には肝臓にもたまります。

この酵素の欠損は両親の片方から遺伝しますが、発症に至る人では、他方の親から受け継いだこの酵素に関する遺伝子にもわずかに異常がみられます。

X連鎖優性プロトポルフィリン症

骨髄性プロトポルフィリン症の症状がみられる人の約10%では、実際には別の酵素の活性が上昇しています。この活性の上昇によって、同じヘム前駆体が蓄積されるようになります。しかし、このタイプの骨髄性プロトポルフィリン症の異常遺伝子はX染色体上にあるため、この病気はX連鎖優性プロトポルフィリン症と呼ばれ、主に男児に発生します。

X連鎖優性プロトポルフィリン症は骨髄性プロトポルフィリン症によく似ているため、骨髄性プロトポルフィリン症の一種とみなされることもあります。

症状

通常、症状は小児期に始まります。皮膚が短期間でも日光にさらされると、すぐに激しい痛みと腫れが起こります。日光に長時間さらされると、唇の周囲や手の甲にかさぶたが生じることがあります。水疱(すいほう)や瘢痕(はんこん)は生じないため、医師はなかなかこの病気に気づきません。

胆石は特徴的な腹痛を引き起こします。肝傷害により、黄疸、腹痛、脾腫(ひしゅ)を伴う肝不全が生じます。

皮膚の保護を慢性的に怠った場合は、特に手指関節部の皮膚が粗く肥厚して硬くなります(苔癬化[たいせんか])。口の周りにくっきりとした溝が生じることがあります(carp mouth)。

X連鎖優性プロトポルフィリン症患者では骨髄性プロトポルフィリン症患者よりも日光に対する重度の有害反応や重症の肝疾患がみられる傾向があります。

小児の場合、理由を説明できずに外出を拒むため、骨髄性プロトポルフィリン症またはX連鎖優性プロトポルフィリン症が認識されなければ、心理社会的な問題が生じる可能性があります。痛みの恐怖または痛みが起こる予感は極めて辛いため、小児は神経質になるか、緊張がみられる、もしくは攻撃的になる場合があり、外界から切り離されているような感覚や自殺念慮さえもつ場合があります。

知っていますか?

  • 幼児はこの症状を説明できないことが多いため、不快な症状と日光の関連に医師や両親がなかなか気づかない場合があります。

診断

  • 血液検査

たいていの場合、尿のポルフィリン濃度は増加しません。そのため、赤血球と血漿(血液の液体成分)のプロトポルフィリン濃度が上昇しているかどうかを調べて診断されます。

遺伝子検査が行われることもあります。遺伝子変異がないかどうかを調べるために、家族に検査を行うこともあります。

発作の予防

日光にあたらないよう、細心の注意を払う必要があります。保護効果の高い衣類、帽子、二酸化チタンや酸化亜鉛を含む光を通さない日焼け止めを使用するようにします。間違って日光を浴びてしまった場合には、日焼けと同じ治療を受けます。

皮膚がやや黄色くなるくらいの多量のベータカロテンを摂取すると、日光への耐性が向上する可能性があります。日光への耐性を向上させるアファメラノチド(afamelanotide)などのいくつかの薬が研究されています。アファメラノチド(afamelanotide)は欧州の一部で利用可能です。ただそれでも日光は避けなければなりません。

急性ポルフィリン症を誘発する薬によって骨髄性プロトポルフィリン症が起こることはないため、こういった薬を避ける必要はありません。

治療

  • 発作の症状の緩和

  • 胆石と肝傷害の治療

急性の皮膚症状は、冷水浴または濡れタオル、鎮痛薬、コルチコステロイドの外用や経口投与により軽減できます。症状の回復には最大1週間を要します。これらの方法で効果がみられない場合、医師はヘマチンを投与したり、輸血を行ったりすることもあります。アファメラノチド(afamelanotide)、胆汁酸、コレスチラミン、活性炭などのいくつかの他の薬剤も効果的です。

プロトポルフィリンを含む胆石がある場合は、手術で取り除かなければならないことがあります。

年1回、血液や尿、便の検査で、赤血球へのポルフィリンの蓄積と肝臓の状態をモニタリングするべきです。肝傷害が重度の場合には、肝移植が必要になります。

幹細胞移植により骨髄性プロトポルフィリン症が治癒する可能性がありますが、移植のリスクが有益性を上回ることが一般的であるため通常は行われません。

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