Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

晩発性皮膚ポルフィリン症

執筆者:

Herbert L. Bonkovsky

, MD, Wake Forest University School of Medicine;


Sean R. Rudnick

, MD, Wake Forest University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 9月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

晩発性皮膚ポルフィリン症は最もよくみられるポルフィリン症で、日光にあたると皮膚がもろくなり水疱ができます。

  • 体の日光のあたる部分で慢性的に繰り返し水疱が発生します。

  • 肝臓に鉄が過剰に蓄積して、肝傷害を引き起こすことがあります。

  • 尿と便のサンプルを検査して、高濃度のポルフィリンがみられないか調べます。

  • 血液の排出(瀉血[しゃけつ])やクロロキン(またはヒドロキシクロロキン)の投与が有用です。

晩発性皮膚ポルフィリン症は世界中でみられます。大きく分けて次の2種類があります。

  • 1型:後天性または散発性

  • 2型:遺伝性または家族性

晩発性皮膚ポルフィリン症の患者の約75~80%が遺伝性ではないとされ、散発性と呼ばれます。残りの20~25%は遺伝性で、家族性と呼ばれます。

これまで知られている限り、このポルフィリン症の散発性のものは、ヘム産生に必要な酵素が遺伝的に欠如していない人にも起こる唯一のポルフィリン症です。

晩発性皮膚ポルフィリン症では、ウロポルフィリノーゲンデ脱炭酸酵素の活性が不十分なため、肝臓にポルフィリンが蓄積します。肝疾患がよくみられ、約35%が肝硬変になり、約7~24%が肝臓がんになります。皮膚が損傷するのは、肝臓で過剰につくられたポルフィリンが血液によって皮膚へ運ばれるからです。

晩発性皮膚ポルフィリン症には、よくみられる誘発因子がいくつかあります。このような因子には以下のものがあります。

  • 肝臓への過剰な鉄の蓄積

  • 中等量から大量の飲酒

  • 喫煙

  • エストロゲンの摂取

頻度は下がりますが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症も誘発因子となります。これらの因子が肝臓で鉄と酸素に作用し、ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素の阻害や損傷が起こると考えられています。

偽性ポルフィリン症(pseudoporphyria)

腎不全、紫外線照射(UVA)および特定の薬剤によって、肝臓におけるポルフィリンの濃度上昇を伴わない晩発性皮膚ポルフィリン症に似た症状(偽性ポルフィリン症と呼ばれる)が引き起こされる場合があります。

ポルフィリンは透析であまり除去されないため、長期にわたり血液透析を受けている場合、晩発性皮膚ポルフィリン症に似た皮膚症状が生じることがあります。この状態は、末期腎臓病における偽性ポルフィリン症と呼ばれます。

症状

散発性の場合、中年になるまで症状がみられない場合があります。家族性の場合、症状は小児期からみられる場合があります。

日光を浴びてもすぐには症状が現れないことがあるため、日光によって症状が引き起こされることに気が付かない場合があります。

晩発性皮膚ポルフィリン症では、腕や顔面、特に手の甲などの日光のあたる部分に様々な大きさの水疱ができ、慢性的に再発を繰り返します。水疱の後にかさぶたができて瘢痕(はんこん)が残り、治るのに時間がかかります。皮膚(特に手)がもろくなり、ささいな傷でも重症化しやすくなります。

ときに日光を浴びることによって腫れ、かゆみ、発赤が生じることがあります。顔面などの日光のあたる部分で体毛が濃くなることもあります。皮膚に黒ずんだあるいは色の薄い斑点が生じることがあります。

診断

  • 血液検査、尿検査、便検査によるポルフィリン値の測定

晩発性皮膚ポルフィリン症を診断するには、血液、尿、便を検査してポルフィリン濃度の異常な上昇がないかを調べます。特定のポルフィリンの増加パターンから、晩発性皮膚ポルフィリン症と他のポルフィリン症を区別することができます。

通常は、晩発性皮膚ポルフィリン症の発生を促す因子を判定する検査や肝臓の鉄過剰を確認する検査が行われます。C型肝炎やHIV感染の有無がまだ確認されていない場合は、これらの病気の検査が行われます。

治療

  • 血液の除去(瀉血)

  • ポルフィリンの尿中への排泄を増やす

晩発性皮膚ポルフィリン症の治療は、ポルフィリン症のなかで最も簡単です。飲酒などの誘発因子を避けることが有益です。帽子、保護用の衣服を着用し、できるだけ日光を浴びないようにします。酸化亜鉛や酸化チタンを含有する日焼け止めが役立ちます。紫外線を遮断する典型的な日焼け止めは無効ですが、ジベンジルメタンを含有するものなど紫外線A波を吸収する日焼け止めは効果的な可能性があります。

瀉血

500ミリリットルほどの血液を抜き取る瀉血と呼ばれる処置が、最も推奨されている治療法です。典型的には2~4週間の間隔で6~10回の瀉血が行われます。瀉血によって過剰な鉄が徐々に取り除かれ、肝臓のウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素の活性が正常に戻り、肝臓と血液中のポルフィリン濃度が徐々に低下します。皮膚症状は回復します。

やや鉄不足になった(または鉄不足に近づいた)時点で、瀉血を中止します。瀉血を大量にまたは頻繁に行うと、貧血が起こる場合があります。

エストロゲンを服用している人では、瀉血が終了してポルフィリン値が正常になるまで、 エストロゲン療法を中止します(エストロゲン療法はポルフィリン症の誘発因子であるため)。

ポルフィリンの排泄量を増加させる薬

晩発性皮膚ポルフィリン症の治療には、微量のクロロキンやヒドロキシクロロキンも効果があります。これらの薬は、ポルフィリンの尿への排泄を増加させることで、肝臓から余分なポルフィリンを取り除きます。しかし用量が多すぎると、ポルフィリンが急激に取り除かれるため、一時的な病気の悪化と肝臓の損傷を引き起こします。

さらなる情報

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP