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ビタミンの概要

執筆者:

Larry E. Johnson

, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences

最終査読/改訂年月 2018年 9月
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ビタミンは健康的な食事に不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人の大半が健康を維持するのに必要な1日当たりの量を表した推奨量(RDA)が設定されています。一部のビタミンには、安全な上限量(耐容上限量)が決められています。この上限を超えて摂取すると、有害な影響(毒性)が出るリスクが高まります。

知っていますか?

  • 特定のビタミンを極めて多量に摂取すると、有害なことがあります。

ビタミンの摂取量が少なすぎると、栄養障害を起こすことがあります。しかし、様々な食品を食べていれば、ほとんどのビタミンで欠乏が起こることはありません。ただし ビタミンDの欠乏は例外です。ビタミンD欠乏症は、様々な食品を食べている場合でも、高齢者など特定の集団ではよくみられます。他のビタミンの欠乏は、特定のビタミンが十分に含まれていない制限食をしている場合に起きることがあります。例えば、動物性食品を一切食べない完全な菜食主義者の場合は、動物性食品にのみ含まれているビタミンB12が不足することがあります。ビタミンB群のビオチンとパントテン酸については、欠乏はまず起こりません。

医師の指導なしで一部のビタミンを(通常はサプリメントで)多量に摂取した場合も、有害な影響が現れることがあります。

ビタミンは、体に必要ですが必要な量が少ないことから、必須微量栄養素と呼ばれています。

体は大半のビタミンを蓄えておくことができません。これらのビタミンの欠乏は、通常は週単位や月単位で発生します。そのため、定期的に摂取する必要があります。

ビタミンA、B12、Dの場合は、主に肝臓に、かなりの量が蓄えられています。ビタミンAおよびDは脂肪細胞にも蓄えられます。これらのビタミンの欠乏が起こるには1年以上を要します。

多くの人は様々な食品を不規則に食べたりまったく食べなかったりするため、食物だけからでは十分なビタミンを摂取していない可能性があります。その場合、特定のがんやその他の病気のリスクが高まることがあります。そのため、総合ビタミン剤を飲んでいることがあります。しかし大半の人では、総合ビタミン剤を飲むことでがんや心臓や血管の病気(心血管疾患)が発生するリスクが低下することはないようです。

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ビタミン

ビタミン

推奨される摂取源

主な働き

成人の推奨量

安全な上限量

ビオチン

レバー、腎臓、肉、卵、牛乳、魚、乾燥酵母、サツマイモ、種子、ナッツ類

炭水化物脂肪酸の処理(代謝)に必要

30マイクログラム(ただしRDAは確立されていない)

授乳中の女性は35マイクログラム

葉酸(葉酸塩)

生の緑色の葉野菜、アスパラガス、ブロッコリー、果物(特にかんきつ類)、レバーなどの内臓肉、乾燥酵母、栄養強化したパンやパスタおよびシリアル

(注:長時間の加熱調理によって、食品中の葉酸の50~95%が破壊されます)

赤血球の形成、DNAとRNAの合成、胎児の神経系の正常な発達に必要

400マイクログラム

妊娠中の女性は600マイクログラム

授乳中の女性は500マイクログラム

1000マイクログラム

ナイアシン(ニコチン酸またはニコチン酸アミド)

乾燥酵母、レバー、赤身肉、鶏肉、魚、豆類、全粒または栄養強化シリアル製品・パン

炭水化物や脂肪など様々な物質の代謝と、細胞が正常に機能するのに必要

女性は14ミリグラム

男性は16ミリグラム

妊娠中の女性は18ミリグラム

授乳中の女性は17ミリグラム

35ミリグラム

パントテン酸

レバー、牛肉、卵黄、酵母、ジャガイモ、ブロッコリー、全粒穀物

炭水化物と脂肪の代謝に必要

5ミリグラム(ただしRDAは確立されていない)

妊娠中の女性は6ミリグラム

授乳中の女性は7ミリグラム

リボフラビン(ビタミンB2)

牛乳、チーズ、レバー、肉、魚、卵、栄養強化シリアル

炭水化物とタンパク質の代謝、口内などの粘膜の健康維持に必要

女性は1.1ミリグラム

男性は1.3ミリグラム

妊娠中の女性は1.4ミリグラム

授乳中の女性は1.6ミリグラム

チアミン(ビタミンB1)

乾燥酵母、全粒穀物、肉(特に豚肉とレバー)、栄養強化シリアル、ナッツ類、豆類、ジャガイモ

炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝と、神経と心臓の正常な機能に必要

女性は1.1ミリグラム

男性は1.2ミリグラム

妊娠中または授乳中の女性は1.4ミリグラム

ビタミンA(レチノール)

ビタミンAとして:魚の肝油、レバー、卵黄、バター、クリーム、栄養強化牛乳

ベータカロテンなどのカロテノイド(体内でビタミンAに変換される物質)として:緑黄色野菜、黄色やオレンジ色の果物

夜間視力の維持を助ける、網膜にある光を感じ取る神経細胞(視細胞)の形成に必要

皮膚、角膜、および肺、腸、尿路の内壁の健康維持を助ける

感染症に対する防御を助ける

女性は700マイクログラム

男性は900マイクログラム

妊娠中の女性は770マイクログラム

授乳中の女性は1300マイクログラム

3000マイクログラム

乾燥酵母、レバーなどの内臓肉、全粒粉シリアル、魚、豆類

炭水化物、アミノ酸、脂肪の代謝と、正常な神経機能、赤血球の形成、皮膚の健康維持に必要

若い男性および若い女性は1.3ミリグラム

50歳以上の女性は1.5ミリグラム

50歳以上の男性は1.7ミリグラム

妊娠中の女性は1.9ミリグラム

授乳中の女性は2.0ミリグラム

100ミリグラム

ビタミンB12(コバラミン)

肉(特に牛肉、豚肉、レバーなどの内臓肉)、卵、栄養強化シリアル、牛乳、アサリ、カキ、サケ科の魚、ツナ(マグロなど)

赤血球の形成と成熟、神経機能、DNAの合成に必要

2.4マイクログラム

妊娠中の女性は2.6マイクログラム

授乳中の女性は2.8マイクログラム

ビタミンC(アスコルビン酸)

柑橘類、トマト、ジャガイモ、ブロッコリー、イチゴ、ピーマン

骨、皮膚、結合組織の形成、成長、修復のほか、傷や熱傷の治癒、血管の正常な機能に必要

抗酸化物質として作用し、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護する

体の鉄分吸収を助ける

女性は75ミリグラム

男性は90ミリグラム

妊娠中の女性は85ミリグラム

授乳中の女性は120ミリグラム

喫煙者は35ミリグラム増量

2000ミリグラム

直射日光を浴びると皮膚でつくられる

栄養強化された牛乳と乳製品、脂の多い魚、魚の肝油、レバー、卵黄

腸でのカルシウムとリンの吸収を促進する

骨の形成、成長、修復に必要

免疫システムを強化し、自己免疫疾患のリスクを低減する

1~70歳の人は600IU

70歳以上の人は800IU

4000IU

植物油、ナッツ類、種子、緑色の葉野菜、小麦胚芽

抗酸化物質として作用し、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護する

15ミリグラム(天然のものは22IU、合成のものは33IU)

授乳中の女性は19ミリグラム

1000ミリグラム

緑色の葉野菜(コラード[キャベツの一種]、ホウレンソウ、ケールなど)、ダイズ油、キャノーラ油

血液凝固因子の形成に役立つため、正常な血液凝固に必要

骨やその他の組織の健康維持に必要

女性は90マイクログラム

男性は120マイクログラム

DNA = デオキシリボ核酸、IU = 国際単位、RNA = リボ核酸。

ビタミンADEKは脂溶性です。ビタミンB群とビタミンCは水溶性です。ビタミンB群にはビオチン、葉酸ナイアシン、パントテン酸、リボフラビン(ビタミンB2)、チアミン(ビタミンB1)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)があります。

ビタミン:脂溶性と水溶性

脂溶性に分類されるビタミン:

  • ビタミンA

  • ビタミンD

  • ビタミンE

  • ビタミンK

水溶性に分類されるビタミン:

  • ビタミンB群

  • ビタミンC

水溶性か脂溶性かの違いは、いくつかの面で栄養に影響を及ぼします。

脂溶性ビタミン:これらのビタミンは脂肪(脂質)に溶け、肝臓や脂肪組織に蓄えられます。ビタミンAまたはDを過剰に摂取すると、体内に蓄積して有害な影響が現れることがあります。

食物中の脂肪が脂溶性ビタミンの吸収を助けるため、低脂肪食を実践した結果として脂溶性ビタミンの欠乏症になることがあります。一部の病気によって脂肪の吸収が阻害され、その結果、脂溶性ビタミンの吸収も阻害されることがあります。こうした病気の例としては慢性の下痢、クローン病、嚢胞性線維症、膵臓の特定の病気、胆管閉塞などがあります。鉱物油など一部の薬にも同じ作用があります。脂溶性ビタミンは鉱物油に溶け、鉱物油は体内に吸収されません。このため鉱物油を摂取すると、脂溶性ビタミンは吸収されずに体外に排出されます。

脂溶性ビタミンは加熱調理では破壊されません。

水溶性ビタミン:これらのビタミンは水に溶けます。尿から排泄され、脂溶性ビタミンよりも早く体外に排出される傾向があります。水溶性ビタミンは、食品の保存や調理によって破壊されやすい傾向があります。以下の方法が、水溶性ビタミンが失われるのを防ぐために役立ちます。

  • 生鮮食品を冷蔵保存する

  • 牛乳と穀物を強い光が当たらないように保存する

  • 調理で野菜から出た水分を使ってスープを作る

原因

腸での食物の吸収を妨げる病気吸収不良を引き起こす病気)によってビタミン欠乏症が起こることがあります。

一部の病気は脂肪の吸収を妨げます。そうした病気によって、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kの吸収量が低下し、欠乏症のリスクが高まることがあります。こうした病気には、慢性の下痢クローン病嚢胞性線維症、膵臓の特定の病気、胆管閉塞などがあります。

減量手術(肥満外科手術)の中にも、ビタミンの吸収を阻害しうるものがあります。

肝疾患やアルコール依存症によって、ビタミンの処理(代謝)や貯蔵が阻害されることもあります。

少数の人では、遺伝性疾患によって体のビタミンを処理する経路が阻害され、ビタミン欠乏症が起こることもあります。

長期にわたって静脈から栄養補給をしなければならない場合や、使用する栄養剤に必要な栄養素が不足している場合は、ビタミン(またはミネラル)の欠乏が生じることがあります。

もビタミン欠乏症の一因になります。薬はビタミンの吸収、代謝、貯蔵を妨げることがあります。

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ビタミン欠乏症を起こす主な薬

薬剤

ビタミン

アルコール

葉酸

チアミン

ビタミンB6

制酸薬

ビタミンB12

抗菌薬(イソニアジド、テトラサイクリン、トリメトプリム-スルファメトキサゾールなど)

ビタミンB群

葉酸

ビタミンK

抗凝固薬(ワルファリンなど)

ビタミンE

ビタミンK

抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタールなど)

ビオチン

葉酸

ビタミンB6

ビタミンD

ビタミンK

抗精神病薬

リボフラビン

ビタミンD

バルビツール酸系薬剤(フェノバルビタールなど)

葉酸

リボフラビン

ビタミンD

化学療法薬(メトトレキサートなど)

葉酸

コレスチラミン

ビタミンA

ビタミンD

ビタミンE

ビタミンK

コルチコステロイド

ビタミンC

ビタミンD

サイクロセリン

ビタミンB6

ヒドララジン

ビタミンB6

レボドパ

ビタミンB6

鉱物油(長期使用)

ビタミンA

ビタミンD

ビタミンE

ビタミンK

メトホルミン

葉酸

ビタミンB12

亜酸化窒素(繰り返し曝露した場合)

ビタミンB12

経口避妊薬

葉酸

チアミン

ビタミンB6

ペニシラミン

ビタミンB6

フェノチアジン系薬剤

リボフラビン

プリミドン

葉酸

ビタミンD

リファンピシン

ビタミンD

ビタミンK

サラゾスルファピリジン

葉酸

サイアザイド系利尿薬

リボフラビン

トリアムテレン

葉酸

三環系抗うつ薬(アミトリプチリン、イミプラミンなど)

リボフラビン

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