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ウェルニッケ-コルサコフ症候群

(Wernicke-Korsakoff症候群)

執筆者:

Juebin Huang

, MD, PhD, Memory Impairment and Neurodegenerative Dementia (MIND) Center, University of Mississippi Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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ウェルニッケ-コルサコフ症候群は、ウェルニッケ脳症と呼ばれる急性の錯乱状態と、コルサコフ症候群と呼ばれる一種の長期記憶の健忘が組み合わさった、まれな種類の健忘です。未治療のウェルニッケ脳症がある人の約80%にコルサコフ症候群が発生します。

ウェルニッケ-コルサコフ症候群は、アルコール依存症や栄養不良のある人に起こり、原因は通常、チアミン(ビタミンB)欠乏症です。まれに、頭部外傷(外傷性脳損傷)が原因でこの症候群が起こることがあります。

ウェルニッケ脳症と蝶

かつてナイジェリア南西部の一部地域では、毎年8月になると、ウェルニッケ脳症のような症状を示す患者で病院が溢れ返っていました。

専門家たちは、その地域の郷土料理で、良質なタンパク源となっていた蝶の幼虫のローストを食べることが原因ではないかと推測しました。その幼虫の体にはチアミンを破壊する酵素が含まれていて、これを食べることで、ウェルニッケ脳症の原因であるチアミン欠乏症が起こっていたのでした。

ナイジェリアの人々は、今ではこの幼虫を食べないようにするか、チアミンのサプリメントを摂取して欠乏症にならないようにすることで、この病気を予防しています。

症状

ウェルニッケ脳症は、錯乱に加えて、平衡感覚の消失、眠気、よろめきやすい傾向、眼球運動の異常を引き起こします。

コルサコフ症候群では、はじめに最近の出来事に関する重度の記憶障害が発生することがあります。より遠い過去の記憶は、それほど損なわれないようです。したがって、コルサコフ症候群の人は、たとえ数日前、数カ月前、数年前、場合によっては数分前の出来事も覚えていられなくても、社会的な付き合いや首尾一貫した会話をこなすことができます。患者は覚えていないことを認めようとせず、話を作ろうとする(作話)傾向があります。患者は最近したことを覚えられないため、好きな雑誌を何度読んでも飽きることがありません。

診断

  • 医師による評価

ウェルニッケ-コルサコフ症候群は、特徴的な症状や原因になりうる病気(低栄養またはチアミン欠乏症など)がみられる場合に疑われ、特にアルコール依存症がある場合に強く疑われます。

通常は、血糖値や電解質を測定する血液検査や血算、肝機能検査、画像検査などの検査を行うことで、他の原因の可能性を否定します。ときに血液中のチアミンの濃度を測定することもあります。

治療

  • チアミンの静脈内投与と輸液

治療としては、チアミンと水分(輸液)を静脈内に投与します。このような治療でウェルニッケ脳症を是正できますが、完全な回復は得られないのが通常です。

ウェルニッケ脳症は治療を行わないと死に至る可能性がありますが、先進国での死亡例はまれとなっています。

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