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最小意識状態

執筆者:

Kenneth Maiese

, MD, Rutgers University

医学的にレビューされた 2020年 9月
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最小意識状態とは、認識能力が重度に障害されているものの、完全にはなくなっていない状態のことをいいます。これは大脳(思考と行動を制御する脳の部位)の広範囲の損傷に起因します。

  • この状態は、脳の損傷によって生じる場合もあれば、植物状態から一部の機能が回復するときに生じる場合もあります。

  • 最小意識状態の人では、自己と周囲の環境をある程度認識していることを示す動作(アイコンタクトなど)がみられます。

  • 最小意識状態の診断は、医師が重度の意識障害がある人を一定期間、複数回にわたり観察し、意識がある証拠が見つかった場合に初めて下されます。

  • 最小意識状態の人には、十分な栄養補給と動けないことで生じる問題(床ずれなど)を防止するための対策を含めた、包括的なケアが必要になります。

症状

最小意識状態の人では、植物状態の人と異なり、自己と周囲の環境をある程度認識していることを示す動作がみられます。患者は以下のような動作をすることがあります。

  • 目を合わせる

  • 物を目で追う

  • 物に手を伸ばす

  • 質問に反応する(ただし多くの場合、適切な回答であるかどうかにかかわらず同じ単語で答える)

  • すべての指示に決まった方法で反応するが、通常とは異なる方法(例えば、まばたき)による

診断

  • 医師による評価

  • MRI検査などの画像検査

最小意識状態は症状に基づいて疑われます。しかし、最小意識状態と診断する前に、一定期間、複数回にわたって患者を観察しなければなりません。

MRI(磁気共鳴画像)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査を行い、問題の原因になっている病気(特に治療できるもの)がないかを確認します。

診断が疑わしい場合は、他の画像検査(PET[陽電子放出断層撮影]検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査は 核医学検査の一種です。放射性核種とは放射線を出す元素のことで、エネルギーを放射線の形で放出することで、安定した状態になろうとする原子です。放射性核種の多くは高いエネルギーの光子をガンマ線の形で放出しますが、PET検査では陽電子と呼ばれる粒子を放出する放射性核種を使用します。 PET検査では、体内で使用(代謝)されるグルコース(ブドウ糖)や酸素などの物質を... さらに読む PET(陽電子放出断層撮影)検査 または SPECT[単一光子放出型コンピュータ断層撮影]検査 SPECT(単一光子放出型コンピュータ断層撮影) 核医学検査では、放射性核種を用いて画像を描出します。放射性核種とは放射線を出す元素のことで、エネルギーを放射線の形で放出することで、安定した状態になろうとする原子です。放射性核種の多くは高いエネルギーをガンマ線(人の手によらない、自然環境で発生するX線)または粒子( 陽電子放出断層撮影で使用される陽電子など)の形で放出します。( 放射線障害も参照。) 放射性核種は、甲状腺などの特定の臓器の病気を治療するのにも使用されます。... さらに読む )が行われることもあります。これらの検査により、脳がどの程度機能しているかが分かります。

予後(経過の見通し)

最小意識状態の人は、継続的に改善する傾向がありますが、改善の程度は限られています。少数の人は、意思疎通と理解の能力を取り戻します。ときに何年も経過してからこのような回復がみられることもあります。しかし、自立した生活を送り、社会的な役割を果たせるようになるほど回復する人はほとんどいません。最小意識状態が長く続くほど、取り戻せる可能性の高い機能は少なくなります。しかし、高度な看護が行われれば、何年も生存できます。原因が頭部外傷である場合、より高度な回復が見込めます。

昏睡のような状態で数年過ごした後、目覚めた患者がいるということも報告されています。そのような報告の多くは、頭部外傷後に最小意識状態になった人に関するものです。

治療

  • 体を動かせないことで生じる問題の予防策

  • 十分な栄養を与える

  • 特定の薬を使用する可能性がある

長期的なケア

十分な栄養を与えること(栄養補給 栄養補給の概要 低栄養( 低栄養)や重症患者の多くには、栄養補給が必要です。食品ではなく栄養素を配合した市販のものを使用する人工栄養が、栄養補給の一般的な方法です。栄養補給は、筋肉の組織の量(筋肉量)を増やすことを目的としています。栄養補給では通常、カロリーとともにビタミンとミネラルを供給します。... さらに読む )が重要です。栄養は鼻から胃に挿入したチューブを介して与えられます(経管栄養と呼ばれます)。腹部を切開して直接胃にチューブを挿入し、そのチューブから栄養を胃または小腸に送り込むこともあります。これらのチューブから薬を投与することもあります。

床ずれは、頻繁に体位を変えるとともに、ベッドの表面に接する部分(かかとなど)の下に保護パッドを置いて保護することで、予防することができます。

拘縮を予防するため、患者の関節をすべての方向に優しく動かしたり(他動的関節可動域訓練)、関節を特定の姿勢で固定したりするケアを理学療法士が行います。

血栓の予防策として、薬剤の使用や脚の圧迫または挙上などが行われます。他動的関節可動域訓練で行うように、四肢を動かすことも血栓の予防に役立つ可能性があります。

失禁がある場合は、皮膚を清潔で乾燥した状態に保つためのケアが必要です。膀胱が機能せず、尿がたまってしまう場合は、膀胱にチューブ(カテーテル)を留置して排尿させます。尿路感染症を予防するため、カテーテルは丁寧に洗浄し、定期的に点検を行います。

その他の治療

特定の薬剤を処方されて改善した人もごくわずかにいますが、改善が続くのはその薬剤の服用中に限られます。これらの薬剤には、ゾルピデム(睡眠補助薬)、アポモルヒネ(パーキンソン病の治療に使用)、アマンタジン(ウイルス感染症の治療に使用)などがあります。しかし、効果的であると証明された治療法はありません。

音楽療法は、最小意識状態の人においてある程度の反応を刺激することで、若干の有益な効果をもたらすことがあります。しかし、この治療法の有用性はまだ不明です。

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