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脱髄疾患の概要

執筆者:

Michael C. Levin

, MD, College of Medicine, University of Saskatchewan

医学的にレビューされた 2020年 2月
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脳の内外のほとんどの神経線維は、脂肪(リポタンパク質)でできた何層もの組織(ミエリンといいます)に包まれています。それらの層は髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる組織を形成しています。髄鞘は電気ケーブルを包んでいる絶縁体のような役割を果たしていて、この働きによって、神経信号(電気インパルス)が神経線維に沿って速くかつ正確に伝えられます。髄鞘が損傷すると、信号が神経を正常に伝わらなくなります。ときには神経線維も損傷を受けることがあります。

髄鞘が自然に修復されて再生すれば、神経機能は正常に戻ります。しかし、髄鞘にひどい損傷が起こると、その中にある神経線維まで壊死してしまうことがあります。中枢神経系(脳と脊髄)の神経線維が自然に完全に再生することはありません。そのため、こうした神経細胞の損傷は永久に残ります。

神経線維を絶縁する組織

神経線維しんけいせんいを絶縁ぜつえんしている組織そしき

知っていますか?

  • 電線を包む絶縁体のような組織が神経を覆っていて、信号が伝わるのを助けています。

原因

出生直後の時点では、多くの神経の髄鞘はまだ発達していません。そのため、新生児の動きはぎこちなく見えます。髄鞘が発達するにつれて、より滑らかで意図的かつ協調のとれた動作が可能になります。

特定のまれな遺伝性疾患(テイ-サックス病 テイ-サックス病およびサンドホフ病 テイ-サックス病とサンドホフ病は、スフィンゴリピドーシスと呼ばれる一種の ライソゾーム病であり、ガングリオシドが脳の組織内に蓄積することで起こります。これらの病気の患者は、若年で死亡します。これらの病気を引き起こす欠陥のある 遺伝子が親から子どもに受け継がれることで発生します。... さらに読む ニーマン-ピック病 ニーマン-ピック病 ニーマン-ピック病は、 ライソゾーム病の一種です。A型とB型はスフィンゴリピドーシスであり、スフィンゴミエリンが組織内に蓄積することで起こります。C型はリピドーシスであり、コレステロールやその他の脂肪(脂質)が細胞内に蓄積することで起こります。この病気により多数の神経系の異常が起こります。ニーマン-ピック病は、この病気を引き起こす欠陥のあ... さらに読む ゴーシェ病 ゴーシェ病 ゴーシェ病は、スフィンゴリピドーシスと呼ばれる一種の ライソゾーム病です。この病気は、グルコセレブロシドが組織に蓄積することが原因で起こります。 乳児型ゴーシェ病では、通常、生後2年以内に亡くなりますが、乳児期以降に発症した小児や成人は何年も生存する場合があります。ゴーシェ病は、この病気を引き起こす欠陥のある... さらに読む 、ハーラー症候群など)のある小児では、髄鞘が正常に発達しないために、神経に恒久的な異常が残り、その影響はしばしば広範囲に及びます。

成人の場合、髄鞘は以下によって損傷または破壊される可能性があります。

このように髄鞘が破壊される現象は脱髄と呼ばれます。

脱髄を引き起こす病気の一部は原因がまだ分かっていません。それらの病気は原発性脱髄疾患と呼ばれます。このような病気で最も多いのは以下のものです。

その他の原発性脱髄疾患

ときに、ウイルスへの感染後やウイルスに対するワクチンの接種後に原発性脱髄疾患が発生することがあります。おそらく、ウイルスもしくは別の物質が何らかの形で免疫系を刺激することで、免疫系が自己の組織を攻撃するようになる現象(自己免疫反応 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。 治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫機能を抑制する薬がし... さらに読む )が関与していると考えられています。自己免疫反応の結果として炎症が起こり、髄鞘とその下の神経線維が損傷を受けます。

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