Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

筋骨格系の病気の検査

執筆者:

Alexandra Villa-Forte

, MD, MPH, Cleveland Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 12月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

筋骨格系の病気は、病歴と身体診察の結果に基づいて診断することがよくあります。医師が診断を下したり確定したりするのを助けるために、臨床検査、画像検査、またはその他の診断方法が必要になることがあります。

臨床検査

臨床検査は、筋骨格系の病気の診断にしばしば役立ちます。例えば、赤血球沈降速度(赤沈)は、血液を試験管に入れたときに赤血球が沈む速度を測定する検査です。炎症がある場合、通常は赤沈が上昇します。しかし、炎症は非常に様々な状況で起こるため、赤沈だけでは診断は確定しません。

クレアチンキナーゼ(正常な筋肉の酵素で、筋肉が損傷を受けると漏れ出して血液中に放出される)の血中濃度も検査することがあります。広範囲の筋肉の破壊が持続している場合、クレアチンキナーゼの血中濃度は上昇します。

関節リウマチでは、リウマトイド因子や抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体を確認するための血液検査が、診断に役立ちます。

全身性エリテマトーデスでは、抗核抗体や二本鎖DNAに対する抗体など、自己免疫抗体(自己抗体)を確認するための血液検査が診断に役立ちます。

血液検査は、特定の遺伝子(HLA-B27)をもっているかどうかを確認するために行われることもあります。この遺伝子をもっていると、脊椎関節症(背中などの関節の炎症に加えて、眼の痛みや充血、発疹といった他の症状を引き起こす一連の病気)の発生リスクが増大します。

一部の臨床検査は、治療の経過をモニタリングするためにも有用です。例えば、赤沈は、関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症の治療経過をモニタリングするために、特に有用な場合があります。赤沈が低下すれば、治療が炎症を軽減させる効果をあげていると考えられます。

画像検査

画像検査には様々な種類があり、筋骨格系の病気を診断する助けとなります。

X線検査

X線検査は通常、最初に行われる検査です。骨の異常を検出するのに最も有用な方法で、痛みがあったり、変形していたり、異常が疑われたりする骨の領域を撮影して評価します。X線検査は、骨折腫瘍、外傷、感染症、変形(発育性股関節形成不全など)などの診断にしばしば役立ちます。ときには、特定の関節炎(例えば、関節リウマチ変形性関節症)の診断を確定づける変化を見つけるのにも役立ちます。X線検査では、筋肉、滑液包、靱帯、腱、神経などの軟部組織は描出されません。けがで関節が損傷しているかどうかの判別に役立てるために、普通の(ノンストレス)X線撮影や、関節に負荷をかけた状態でのストレスX線撮影を行うことがあります。

関節造影は、関節内の靱帯などの構造を描出するために、関節腔に造影剤を注射して行うX線検査です。関節造影により、関節内の断裂した靱帯や断片化した軟骨組織の描出が可能です。しかし、現在では関節造影よりもMRI検査が一般的に用いられます。

骨シンチグラフィー

骨シンチグラフィー(核医学検査の一種)は骨折の診断に使われることがある画像検査法で、特に、単純X線検査、CT検査、MRI検査など他の検査で、骨折が明らかにならなかった場合に行います。骨シンチグラフィーでは、治癒途中のすべての骨に吸収される放射性物質(テクネチウム99m標識ピロリン酸)を用います。この検査は、骨の感染症や、体内の別の場所にできたがんから転移した腫瘍が疑われる場合にも行われます。骨シンチグラフィーは、骨に問題があることは明らかにできますが、その問題が骨折なのか、腫瘍なのか、感染症なのかは明確にはできません。放射性物質の静脈内注射を行い、骨シンチグラフィー装置でこれを検出し、コンピュータ画面として見ることができる骨の画像を作成します。

CT(コンピュータ断層撮影)検査とMRI(磁気共鳴画像)検査

CT(コンピュータ断層撮影)検査とMRI(磁気共鳴画像)検査は、従来のX線検査よりもはるかに詳しい情報が得られ、損傷の程度や正確な位置を判定するために行われます。これらの検査は、X線検査では見えない骨折を検出するために用いられます。

MRI検査は特に筋肉、靱帯、腱の画像を撮影する際に非常に有用です。MRI検査は、痛みの原因が重症の軟部組織の問題である(例えば、大きな靱帯や腱の断裂、膝関節内部の重要な構造の損傷)と考えられる場合に使用します。MRI検査が推奨されない場合か、利用できない場合には、CT検査が役立ちます。CT検査では、電離放射線により被ばくします(医療画像検査における放射線のリスクを参照)。CT検査は、骨の描出に最適ですが、一部の異常(股関節や骨盤の小さな骨折など)に対してはCT検査よりもMRI検査の方が描出力に優れています。CT検査の所要時間は、MRI検査よりもはるかに短くて済みます。費用はMRI検査の方がCT検査より高額で、オープン型の装置を使用する場合を除いて、MRIユニットの中で検査中に閉所恐怖を感じる人も多くみられます。

二重エネルギーX線吸収法(DXA)

骨減少症や骨粗しょう症のスクリーニングや診断に必要な骨密度を評価する最も正確な方法が、二重エネルギーX線吸収法(DXA)です。DXAは、骨折リスクを予測するためにも用いられ、また治療に対する反応をモニタリングする際にも有用な場合があります。検査はすぐに済み、痛みもなく用いる放射線量もわずかです。

この検査では、X線を腰椎や股関節、手首、または全身に照射します。これらの部位で、骨密度を非常に正確に測定できます。骨粗しょう症のスクリーニングでは、医師は、腰椎と股関節の測定を好みます。医師は、骨粗しょう症(DXAで異常な結果が出る最も多い原因)と他の骨の病気を区別するため、患者の症状、病気、薬の使用状況、一部の血液検査や尿検査の結果などをDXAの結果とともに考慮する必要があります。

超音波検査

超音波検査は、関節とその周囲の炎症、および腱の断裂や炎症を確認するために、使われることが増えてきています。関節に針を刺さなければならない場合(例えば薬を注入したり関節液を取り出すため)、ガイドとしても用いられます。CT検査やMRI検査の代替として、超音波検査は費用が安く、CT検査と違って放射線曝露もありません。しかし、超音波検査はいつでも利用できるわけではなく、検査を行う人、それを解釈する人が非常に熟練していなければなりません。

診断で行われる他の検査

筋骨格系の病気を診断するために、他の手技や検査がときに必要となります。

関節鏡検査

関節鏡検査では、細いファイバースコープ(鉛筆ほどの太さ)を関節腔に挿入して、関節内の様子を観察したり、モニターに画像を映したりします。皮膚の切開は非常に小さくて済みます。病院または外科センターで行われます。患者は局所麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔のいずれかを受けます。関節鏡検査中、分析(生検)に用いる組織片(関節軟骨や関節包など)の採取や、必要であれば病気を治すための手術を行うこともできます。関節鏡検査で見つかることが多い病気には、関節の内側を覆う滑膜の炎症(滑膜炎)、靱帯、腱、軟骨の断裂、骨片や軟骨片の剥離などがあります。このような病気は、運動選手や、関節炎の患者、過去に関節に損傷を受けた人に起こります。これらはすべて、関節鏡検査中に修復したり、切除が可能です。この処置による関節感染のリスクは、ごくわずかにあります。

関節鏡手術後の回復にかかる時間は、従来の手術に比べて、はるかに短くて済みます。ほとんどの患者は、一晩入院する必要はありません。

関節穿刺(関節液の吸引)

関節の特定の問題を診断するために、関節穿刺を行うことがあります。例えば、関節の痛みと腫れが感染によるものか、結晶に関連する関節炎(痛風など)によるものかを判定するためには、これが最も直接的かつ正確な方法です。医師はまず、注射部位の感覚をなくすために麻酔薬を注射します。次に大きめの針を関節腔に刺し、関節液(滑液)を吸引して、顕微鏡で調べます。できるだけ多くの関節液を取り出し、その色と透明度に注目します。関節液について、白血球数や培養といった他の検査も行われます。関節液を分析すると、診断が下せることがよくあります。例えば、関節液のサンプル中に細菌が含まれていることがあり、その場合、感染症の診断が確定します。あるいは、特定の結晶が含まれていることもあります。例えば、尿酸結晶が見つかれば痛風の診断が確定し、ピロリン酸カルシウム二水和物であればピロリン酸カルシウム関節炎(偽痛風)の診断が確定します。通常、この処置は診察室や救急診療部で行われ、一般的には簡単で、所要時間が短く、比較的痛くありません。関節に感染を起こすリスクも最小限です。

神経と筋肉の検査

神経伝導検査は、筋肉を支配する神経が正常に機能しているかどうかを調べるのに役立つ検査です。筋電図検査は、通常、経伝導検査と同時に行う検査で、筋肉に流れる電気信号を記録することで、神経からの信号が神経と筋肉の接合部(神経筋接合部)へ、そしてそこから筋肉へ、どの程度届いているかを判定するのに役立ちます。

神経伝導検査と筋電図検査はともに、主な問題が以下のどこにあるのかを発見するのに役立ちます。

神経伝導検査は、手根管症候群尺骨神経麻痺のような末梢神経の病気の診断に特に有用です。

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP