30歳頃から、男女ともに骨密度が低下し始めます。 閉経 閉経 閉経とは、月経が永久に停止し、妊よう性がなくなることです。 閉経前後の数年間は、エストロゲン濃度が大きく変動して月経が不規則になり、ホットフラッシュ(ほてり)などの症状が起こります。 閉経後は骨密度が低下します。 女性に1年間月経がなければ閉経と診断されますが、確認するため血液検査を行うこともあります。... さらに読む 後の女性では、骨密度の低下が加速します。その結果、特に高齢者で、骨がもろくなり、骨折しやすくなります(骨粗しょう症 骨粗しょう症 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む
を参照)。
年齢を重ねるにつれ、関節の軟骨や結合組織の変化が起こります。関節内の軟骨が薄くなり、軟骨の成分(プロテオグリカン[軟骨に弾性が備わるのを助ける物質])が変性することにより、関節の弾性が低下し、損傷しやすくなります。そのため、年齢を重ねると若い頃のように、関節の表面同士がうまく滑らない人もいます。この過程から、やがて 変形性関節症 変形性関節症 変形性関節症は軟骨と周囲の組織の損傷を引き起こす慢性疾患で、痛み、関節のこわばり、機能障害を特徴とします。 関節の軟骨と周囲の組織の損傷による関節炎は、加齢に伴い、非常によくみられるようになります。 痛みや腫れ、骨の過剰な増殖がよくみられ、起床時や動かずにいた後に生じて30分以内に治まるこわばり(特に関節を動かしていると治まりやすい)も一般的です。 診断は症状とX線所見に基づいて下されます。... さらに読む になることがあります。さらに、靱帯や腱の結合組織が硬くもろくなるため、関節が硬くなります。この変化によっても関節の可動域が制限されます。
筋肉量の減少(サルコペニア)は30歳頃から始まり、生涯を通じて進行していきます。この過程では、筋肉組織の量と筋線維の数や大きさが、徐々に減少していきます。その結果、筋肉量と筋力が次第に低下します。この軽度の筋力低下によって、一部の関節(膝など)にかかる負荷が増え、関節炎や転倒が起こりやすくなることがあります。幸い、定期的な運動プログラムによって、筋肉量の減少と筋力の低下をある程度は克服したり、少なくとも、かなり遅らせることができます。
筋線維の種類によっては、加齢による影響に差があります。収縮速度が速い筋線維は、収縮速度が遅い筋線維よりも、その数がはるかに早く減少します。このため、高齢者では筋肉の収縮速度が遅くなります。