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過敏性肺炎

(外因性アレルギー性肺胞炎)

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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過敏性肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)や最も細い気道(細気管支)の内部や周辺に発生する一種の炎症で、有機粉塵や、頻度は低いものの化学物質を吸い込んだことによる過敏反応が原因で起こる病気です。

  • 微生物またはタンパク質を含む粉塵は、肺に過敏反応を引き起こすことがあります。

  • 感作された物質に再度さらされると、4~8時間以内に、発熱、せき、悪寒、息切れなどの症状が現れることがあります。

  • 医師は、胸部X線検査と肺機能検査を行って、肺に異常がないかを調べます。

  • この過敏反応を引き起こしている物質は、ときに血液検査によって特定できることがあり、また患者が職場で病気になった場合は、産業衛生の専門家が職場を調べ、誘因の特定に努めることもあります。

  • 過敏反応を引き起こす可能性が高い物質を扱う労働者は、作業中にフェイスマスクなどの防護具を着用すべきです。

  • 再度さらされないようにすれば、通常回復しますが、肺の炎症を緩和するためにコルチコステロイドの服用が必要になることもあります。

このような過敏反応は、吸い込まれた有機粉塵や化学物質に含まれる何らかの物質が、免疫系によって攻撃されることで生じます。免疫系の細胞から放出された物質によって、粉塵のたまった肺が損傷します。この免疫反応を引き起こす粉塵の部位を、抗原と呼びます。

原因

肺に過敏反応を引き起こす物質はたくさんあります。微生物またはタンパク質を含む有機粉塵や、イソシアネートのような化学物質は、過敏性肺炎を引き起こすことがあります。農夫肺は、よく知られた過敏性肺炎の1つの例であり、カビの生えた干し草の中にいる高温を好む(好熱性)細菌を繰り返し吸い込むことで発生します。別の例として愛鳥家肺(鳥飼病)というものもあります。これは、鳥の羽毛(生きた鳥または枕やふとんに含まれるもの)由来の粉塵を吸い込んだときに生じます。

知っていますか?

  • こういったありふれた粉塵を吸い込んで過敏反応を起こす人はごく少数です。一般に、感受性ができて病気を発症するまでには、長期間にわたって繰り返し抗原にさらされる必要があります。

肺の損傷は、白血球 白血球 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物(細菌、ウイルス、真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む の一種であるリンパ球によって受けた傷害が原因と考えられています。粉塵に初めてさらされるとリンパ球が敏感になります(感作)。一部のリンパ球は抗体の産生に関与し、この抗体の働きにより組織が損傷されます。抗原に再度さらされたときに、炎症に直接関与するリンパ球もあります。その後何度も同じ抗原にさらされると、慢性的な炎症反応が生じます。このことは、肺胞や細い気道の壁に白血球が集積していることからも明らかです。このような白血球の集積が進むことで、症状や病気の発生につながります。

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症状

症状が現れる速さに応じて、過敏性肺炎は以下の3つに分類されます。

  • 急性

  • 亜急性

  • 慢性

急性の過敏性肺炎では、原因となる大量の有機粉塵に再度さらされてから、通常4~8時間後に、発熱、せき、悪寒、息切れなどがみられます。喘鳴が聞かれるのはまれです。抗原との接触がそれ以上なければ、通常1~2日で症状は消えますが、完治までには数週間かかることもあります。

亜急性の過敏性肺炎は、もう少しゆっくり発生します。乾いたせきや息切れが数日から数週間かけて発生し、悪化します。ときに症状が非常にひどくなることがあり、その場合入院が必要になります。

慢性の過敏性肺炎では、患者は数カ月から数年にかけて抗原との接触を繰り返し、最終的に肺に瘢痕化をきたす(線維症)ことがあります。運動時の息切れ、せき、疲労、体重減少などの症状が、数カ月から数年にわたって徐々に進行します。やがて、この病気から呼吸不全 呼吸不全 呼吸不全は、血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなる病気です。 呼吸不全の原因としては、気道をふさぐ病気、肺組織を損傷する病気、呼吸を制御する筋肉を衰えさせる病気、呼吸を促す仕組みが抑制される病気などがあります。 激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色、錯乱または眠気などの症状がみられることがあ... さらに読む に進行することもあります。高齢者は長年にわたって抗原にさらされているため、慢性化して徐々に病気が悪化する傾向にあります。

診断

  • 胸部CT検査

医師が過敏性肺炎の診断を下す際は、症状や臨床的特徴に基づくほか、可能であれば原因物質の特定(患者の証言や産業衛生の専門家による職場の調査結果、血液検査での抗体存在による)を行います。

医師は胸部X線所見に基づいて、過敏性肺炎を疑います。しかし通常は、診断を確定するのに胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査が必要になります。肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺に空気を取り込む能力、肺から空気を出し入れする能力、肺で酸素と二酸化炭素を交換する能力を測定します。これらの検査は、肺の病気の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、喘息や気腫のような特定の病気を診断するために使用されることもあります。 (肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。) 肺の病気の評価では、肺が吸い込める空気の量や吐き出せる空気の量と速さを調... さらに読む 肺機能検査 で、肺にためることができる空気の量、肺の空気を取り込んだり吐き出す能力や酸素と二酸化炭素を交換する能力などを測定し、その結果を用いて、肺がどれくらい機能しているか評価することが、過敏性肺炎の診断の裏付けに役立つ場合があります。

それでも診断がつかず、特に感染症が疑われる場合、肺から小さな組織片を採取して顕微鏡で調べる検査(肺生検)が行われることがあります。組織片を採取する際は、管状の機器を胸壁から挿入することで(胸腔鏡検査 胸腔鏡検査 胸腔鏡検査では、胸腔鏡を介して肺の表面や胸腔を観察します。胸腔鏡は特定の外科手術のために用いられることもあります。胸腔鏡を用いた手術は胸腔鏡下手術(VATS)と呼ばれます。肺の組織サンプルを採取する最も一般的な生検の方法は、胸腔鏡によるものです。胸腔鏡は、胸水(胸腔内に液体がたまった状態)の治療にも使用されます。 胸腔鏡下手術は一般に全身麻酔下で行われますが、胸腔鏡検査であれば、目が覚めた状態で鎮静薬だけを投与して行われることもあります... さらに読む )、同時に肺の表面や胸腔を調べることができます。また、開胸術 開胸術 開胸術は、胸壁を切り開いて、胸部にある内臓を観察したり、検査用の組織サンプルを採取したり、肺、心臓、主要な動脈などの病気を治療したりする手術です。 この開胸術は大手術であるため、他の診断検査ほど頻繁に行われることはありません。胸腔穿刺や気管支鏡検査、縦隔鏡検査などでは十分な情報が得られなかった場合に開胸術が行われます。サンプルを採取する場所を実際に見て選ぶことができるだけでなく、大きな組織サンプルを採取できるため、開胸術を行った患者の9... さらに読む という方法で胸壁を開く手術をしなければならないこともあります。場合によっては、鋭利な器具で組織を採取する方法に加えて、またはそれに代わって、気管支鏡検査の際に、肺を生理食塩水で洗浄(気管支肺胞洗浄)し、検査用の細胞を回収することもあります。

ときに、過敏反応を引き起こしている物質の手がかりをつかんだり、ほかに可能性のある原因を除外するために、血液検査が必要になります。

治療

  • コルチコステロイド

  • 原因となる抗原を避ける

最善の予防策は抗原にさらされないようにすることですが、これはあまり現実的とはいえません(例えば、職場を変えられない場合)。粉塵の除去や低減、防塵マスクの着用、高性能の換気設備の設置は、感作と再発のいずれにも予防効果が期待できます。しかし、どんなに優れた予防策を講じても効果が得られない場合があります。

過敏性肺炎の急性発作を起こした患者は、同じ物質に再び接触しないようにすれば、一般に回復します。発作が重い場合は、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドの投与により症状が緩和され、重度の炎症の軽減に役立つ場合があります。発作が長引いたり再発を繰り返したりする場合は、病気が不可逆的になり、進行性の障害につながることがあります。

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