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肺機能検査

執筆者:

Rebecca Dezube

, MD, MHS, Johns Hopkins University

医学的にレビューされた 2019年 7月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

肺機能検査では、肺にためることができる空気の量、肺から空気を出し入れする能力、肺に酸素を取り込む能力を測定します。

呼気流量(吐く息の速さ)の測定

肺疾患の評価では、肺に貯められる空気の量(肺気量)や吐き出せる空気の量と速さ(気流)を調べる検査がよく行われます。気流の測定には、スパイロメーターが使われます。スパイロメーターは、マウスピースと記録装置につながれたチューブから成ります。マウスピースに唇を密着させて空気が漏れないようにして、吸い込む空気や吐き出す空気が口だけを通るように鼻クリップを付けます。測定時は、まず息を深く吸ってから、次にできるだけ速く、力いっぱいチューブに息を吐き出します。吸った空気と吐いた空気の量、1回毎の呼吸の長さが記録され、分析されます。結果のぶれをなくすため、何度か測定を繰り返します。気管支拡張薬(肺の気道を広げる薬)を服用した後に、この検査を再度行うことがよくあります。 喘息 喘息 喘息は、気道が何らかの刺激に反応して狭くなる(通常は可逆性)病態です。 症状としては、特定の誘因に反応して生じる、せき、喘鳴(ぜんめい)、息切れなどが最もよくみられます。 医師は、呼吸の検査(肺機能検査)を行って喘息の診断を確定します。 喘息発作を防ぐためには、誘因となる物質を吸い込まないようにするとともに、気道の開口を保つ薬を服用する必... さらに読む 喘息 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなる状態(閉塞)が持続する病気で、肺気腫や慢性閉塞性気管支炎、またはその両方に伴って発生します。 この病気の原因として最も重要なのは、紙巻タバコの喫煙です。 この病気になると、せきが出て、やがて息切れが現れます。 診断は、胸部X線検査と肺機能検査によって下されます。... さらに読む 慢性閉塞性肺疾患(COPD) (COPD)などの病気では、息を素早く吐き出す能力が損なわれます。

スパイロメトリー

スパイロメーターより簡単に呼気の速さを測定できる、ピークフローメーターという小さい携帯型の測定器もあります。息を深く吸い込んだ後、できるだけ強くこの器具に息を吐き出します。

スパイロメーターの使い方

スパイロメーターは、マウスピースとチューブ、記録装置から成ります。スパイロメーターを使用するときは、まず息を深く吸ってから、次にできるだけ速く、力いっぱいチューブに吐き出します。記録装置により、吸い込んだ空気の量と吐き出した空気の量、1回毎の呼吸の長さが記録されます。

スパイロメーター

肺気量(肺の容量)の測定

肺気量(肺の容量)を測定することにより、 呼吸筋 呼吸筋 通常、呼吸は無意識のうちに行われ、脳幹部にある呼吸中枢によって制御されています。呼吸は、眠っている間も持続し、たとえ意識不明になったとしても持続するのが普通です。また、話したり、歌ったり、あるいは自発的に息を止めたりするときなど、自分の意思で呼吸を調節することもできます。脳、大動脈、頸動脈には感覚器官があり、血液をモニタリングして、酸素と二酸化炭素の濃度を感じ取っています。健康な人では、二酸化炭素の濃度上昇は、呼吸をより深くより速くする... さらに読む の筋力に加え、肺や胸郭の硬さや弾力性も分かります。 肺線維症 特発性肺線維症 特発性肺線維症は、特発性間質性肺炎の中で最も多くみられます。 特発性肺線維症になりやすい人は、主に50歳以上の男性で、通常は喫煙歴がある場合です。 症状には、せき、呼吸困難、疲労感などがあります。 治療は、呼吸リハビリテーション、肺移植、ピルフェニドンやニンテダニブなどの薬剤により行います。 ( 特発性間質性肺炎の概要と 間質性肺疾患の概要も参照のこと。) さらに読む などの病気では、肺が異常に硬くなり、背骨の弯曲(脊柱側弯症 脊柱側弯症 脊柱側弯症とは脊柱が異常に曲がった状態です。 脊柱側弯症は生まれつきみられることも、青年期に発生することもあります。 軽症であれば軽度の不快感しか起こらないこともありますが、重症では慢性的な痛みをおぼえたり、内臓に影響したりする場合があります。 診断は診察とX線検査の結果に基づいて下されます。 すべての脊柱側弯症が悪化するわけではありませんが、悪化がみられる場合は、重度の変形を防ぐためにできるだけ早く治療しなくてはなりません。 さらに読む 脊柱側弯症 )などの病気では、胸壁が異常に硬くなります。 重症筋無力症 重症筋無力症 重症筋無力症は、神経と筋肉の間の信号伝達が妨げられる自己免疫疾患で、筋力低下の発作を引き起こします。 重症筋無力症は、免疫系の機能不全により起こります。 通常、まぶたの下垂と複視が起こり、運動後は筋肉の著しい疲労と筋力低下が起こります。 診断を確定するためには、アイスパックや安静によってまぶたの下垂が軽減するかをみる検査、筋電図検査、血液検査が役立ちます。 筋力を速やかに改善できる薬や、病気の進行を遅らせる薬があります。 さらに読む ギラン-バレー症候群 ギラン-バレー症候群(GBS) ギラン-バレー症候群は、筋力低下を引き起こす多発神経障害の一種で、筋力低下は通常は数日から数週間かけて悪化し、その後ゆっくりと自然に回復します。治療を行えば、もっと早く回復します。 ギラン-バレー症候群は、自己免疫反応によって引き起こされると考えられています。 通常、筋力低下は両脚で最初に起こり、それから体の上の方に広がります。 筋電図検査と神経伝導検査が診断の確定に役立ちます。... さらに読む といった様々な神経筋疾患により、横隔膜などの呼吸筋の筋力低下が生じ、肺内の空気の量が減少することがあります。肺の硬さが増大すると、肺気量の値が低下します。COPDなどの病気では、肺の弾力性が低下し、息を吐き出しにくくなります。より多くの空気が肺の中に残るようになり、肺気量の値が予想以上に高くなります。

スパイロメトリーで得られる肺気量の値は、推定値に過ぎません。以下を用いると、より正確な値が分かります。

  • 体プレチスモグラフィー

  • ガス希釈法

体プレチスモグラフィーでは、患者は気密性のプラスチック製の箱の中に座ります。箱が気密性であるため、患者が中で吸った空気の量と気圧の変化を測定することができます。この測定値に基づいて、コンピュータで肺気量が計算されます。

ガス希釈法を用いる場合、患者はある一定量のガス(通常はヘリウム)を吸入します。そして患者が吐き出すガスの量に基づいて、コンピュータで肺気量が計算されます。

呼気流量の検査

ほとんどのスパイロメーターでは、強制的に呼吸している間の肺気量と呼気流量が連続的に表示されます。呼気流量の測定は、声帯(喉頭)や気管の一部をふさいでいる異常を見つけ出すのに特に役立ちます。

呼吸筋の筋力の評価

圧力計に向かって強制的に息を吸ったり吐いたりすることで、呼吸筋の筋力を測ることができます。 筋ジストロフィー 筋ジストロフィーと関連疾患に関する序 筋ジストロフィーとは、正常な筋肉の構造と機能のために必要な 遺伝子の1つ以上に異常があるために、様々な重症度の筋力 低下を引き起こす遺伝性筋疾患の総称です。顕微鏡で観察すると、筋線維が変性しているように見えます。 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは、最も多くみられる病型の筋ジストロフィーです。... さらに読む 筋萎縮性側索硬化症 筋萎縮性側索硬化症(ALS)とその他の運動ニューロン疾患(MND) 運動ニューロン疾患は、筋肉の運動を開始させる神経細胞が進行性に変性することを特徴とします。その結果、これらの神経に刺激されていた筋肉が悪くなり、筋力が低下し、正常に機能しなくなります。 筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)は、最も一般的な運動ニューロン疾患です。 通常は、筋力の低下や萎縮が起こって、動きが固くなり、ぎこちなくなります。 医師は主に診察結果からこの病気を疑い、筋電図検査、神経伝導検査、MRI検査、血液検査の結果を参考に... さらに読む (ALS、ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれます)のように筋力が低下する病気では、呼吸筋の筋力が低下し、呼吸がより困難になります。

拡散能の測定

拡散能の検査では、酸素が肺にある小さな空気の袋(肺胞)から血液中にどれだけ効率よく移動できるかを推定できます。酸素の拡散能を直接測定するのは難しいため、ごく少量の一酸化炭素を吸い込んだ後、息を10秒間止めてから、一酸化炭素検知器に向けて息を吐き出します。

最大努力換気量(MVV)

最大努力換気量(MVV)とは、ある人の最大の全般的呼吸能力のことです。この検査は、座った状態で行われます。スパイロメーターを介して、所定の時間(通常は15~30秒間)内に、できるだけ速く、できるだけ深く息をするように指示されます。すると、その時間内に移動した空気の量が測定されます。気流に影響を及ぼす病気や呼吸筋の筋力が低下する病気では、MVVが低下します。本人がどれだけ協力的に呼吸できるかによって結果が変わってしまうため、他の肺機能検査に比べてあまり実施されません。

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