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心臓の核医学検査

執筆者:

Michael J. Shea

, MD, Michigan Medicine at the University of Michigan

最終査読/改訂年月 2017年 10月
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核医学検査では、微量の放射性物質(トレーサー)を静脈に注射します。検査の際に受ける放射線の量はわずかで、他のほとんどのX線検査で受ける量よりも低線量です。トレーサーはガンマ線を放出し、これをガンマカメラという特殊なカメラで検出します。得られた情報をコンピュータで解析し、組織に取り込まれた放射性物質の量の違いを示した画像を生成します。

心臓の核医学検査は、原因不明の胸痛を診断する際に特に有用です。冠動脈が狭窄している場合、核医学検査を行って、その狭窄が心臓の血液供給と機能に与えている影響を把握します。また核医学検査は、バイパス手術や同様の処置の後に、心筋への血液供給がどの程度改善したかを調べたり、心臓発作後の予後(経過の見通し)を判断する目的でも行われます。

疑われる病気毎に、異なるトレーサーが使用されます。心筋を通る血流を評価する際は、一般的にテクネチウム99m標識セスタミビやタリウム201などのトレーサーを使用し、運動負荷試験を行った後に撮影を行います。心筋細胞に吸収されるトレーサーの量は、血流に応じて決まります。運動量が最大になると、虚血により血液が十分に供給されていない心筋の部位は、正常な量の血液が供給されている周辺の心筋よりも、吸収するトレーサーの量が少なく、ぼやけた画像になります。運動することができない人の場合、 ジピリダモール ドブタミン アデノシンなどの薬剤を静脈内に注射し、運動と同じような影響を血流に与えることがあります。

数時間休んだ後、2度目の撮影を行い、得られた画像を運動中の画像と比較します。これにより、可逆的な血流不足(通常は冠動脈の狭窄が原因)が起きている部分と、不可逆的な血流不足(通常は過去の心臓発作による瘢痕化が原因)が起きた部分を判別することができます。

心臓発作を最近起こしたばかりの人では、タリウム201ではなくテクネチウム99mを使用します。テクネチウムを使用すると、心臓発作による損傷を発作の12~24時間後から最大で約1週間後まで検出できます。タリウムは主に正常な組織に集積しますが、テクネチウムはそれと異なり、主に異常な組織に集積します。しかし、テクネチウムは骨にも集積するため、肋骨によって心臓の画像がいくらか不鮮明になります。

SPECT(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)検査は、特殊な核医学検査で、コンピュータ処理により画質を向上させた一連の横断面の画像が得られます。これを基に3次元画像も作れます。SPECT検査では、心臓の機能、血流、異常について、従来の核医学検査よりも詳細な情報を得ることができます。

マルチゲート法(MUGAスキャン)は、心臓のポンプ機能を調べることのできる特殊な核医学検査です。この検査は、放射線を使用しない心エコー検査で同様の情報が得られることから、あまり使用されていません。

核医学検査では、同等のX線検査と比べて、受ける放射線の量が少なくて済みます。しかし、放射性物質が患者の体内に数日間とどまるため、検査を受けてから数日間は、空港の放射線警報機を鳴らしてしまうことがあります。核医学検査を受けた後に、飛行機旅行をしたり、車や列車、船で国境を越えたりする場合は、警備員が証拠を求めてくる可能性が高いため、主治医から証明書をもらっておくべきでしょう。

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