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心臓の生物学

執筆者:

Michael J. Shea

, MD, Michigan Medicine at the University of Michigan

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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心血管系は心臓と血管 血管の生物学 心血管系は心臓と血管から構成され、循環器系とも呼ばれます。血液はその中を循環しながら、酸素と栄養分を全身の組織に送り届けてから、老廃物を回収して組織から運び出す働きを担っています。 血管には以下の種類があります。 動脈 細動脈 毛細血管 さらに読む から構成され、循環器系とも呼ばれます。心臓は血液 血液の概要 血液は以下の成分の混合物です。 血漿(けっしょう)(血液の液体成分) 白血球 赤血球 血小板 さらに読む を肺に送り出した後、肺で酸素を豊富に取り込んだ血液を、今度は全身に送り出します。血液はその中を循環しながら、酸素と栄養分を全身の組織に送り届けてから、老廃物(二酸化炭素など)を回収して組織から運び出す働きを担っています。

心臓は筋肉でできた中空の臓器で、胸部の中心にあります。心臓は右側と左側の2つに分けられます。心臓の左右それぞれに以下の部屋があります。

  • 心房:心臓の上側にある部屋で、流れ込んできた血液を下側の部屋に送り出します。

  • 心室:心臓の下側にある部屋で、心臓の外側に血液を送り出します。

血液が確実に一方向のみに流れるように、それぞれの心室には血液を取り込むための弁と、血液を送り出すための弁が付いています。

左心室(左室ともいいます)では、入口には僧帽弁、出口に大動脈弁という弁があります。右心室(右室ともいいます)では、入口に三尖弁、出口に肺動脈弁という弁があります。

それぞれの弁は複数の薄い組織(弁尖)で構成され、一方向だけに開閉できるようになっています。弁尖の数は、僧帽弁では2枚で、それ以外の弁(三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁)はそれぞれ3枚です。大きな入口にある弁(僧帽弁と三尖弁)は、心房の方に反転しないように、心室内の筋肉(乳頭筋)とヒモ状の組織(腱索)でつなぎとめられています。心臓発作 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 急性冠症候群は、冠動脈が突然ふさがる(閉塞)ことによって起こります。閉塞の位置と量に応じて、不安定狭心症か心臓発作(心筋梗塞)が起こります。 急性冠症候群を発症すると、通常は胸部の圧迫感や痛み、息切れ、疲労などが起こります。 急性冠症候群が起きたと思ったら、まず救急車を呼んでから、アスピリンの錠剤を噛み砕いて服用します。... さらに読む 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) などによって乳頭筋が損傷すると、弁が反転して血液が逆流 心臓弁膜症の概要 心臓弁は、4つの心腔(心臓の上部にある比較的小さな丸い空洞である左右の心房と、心臓の下部にある比較的大きな円錐形の空洞である左右の心室)を通過する血液の流れを制御しています。それぞれの心室には、その入口側と出口側に、一方向に開く弁が1つずつあります。それぞれの弁は複数の薄い組織(弁尖)で構成され、一方向だけに開閉できるようになっています。... さらに読む 心臓弁膜症の概要 するようになることがあります。弁の開口部が狭くなると 心臓弁膜症の概要 心臓弁は、4つの心腔(心臓の上部にある比較的小さな丸い空洞である左右の心房と、心臓の下部にある比較的大きな円錐形の空洞である左右の心室)を通過する血液の流れを制御しています。それぞれの心室には、その入口側と出口側に、一方向に開く弁が1つずつあります。それぞれの弁は複数の薄い組織(弁尖)で構成され、一方向だけに開閉できるようになっています。... さらに読む 心臓弁膜症の概要 (出生時から狭くなっている場合や、感染による影響で狭くなる場合が多いです)、その弁を通過する血流が減少します。同じ弁で逆流の発生と血流の減少が同時にみられることもあります。

心臓の鼓動は、心臓が血液を送り出している証拠です。心拍の音は、しばしば「ドックン」と表現されますが、医師が聴診器で心臓の音を聴くとき、先に聞こえる音(「ドックン」の「ドッ」)は、僧帽弁と三尖弁が閉じる音です。続いて聞こえる「クン」は、大動脈弁と肺動脈弁が閉じる音です。1回の心拍は拡張期と収縮期に分けられます。拡張期には、心室が広がって、中に血液が流れ込みます。続いて、心房が収縮することにより、さらに多くの血液が心室に送り込まれます。収縮期には、心室が収縮して血液を心臓の外に送り出すと同時に、心房が広がって再び血液で満たされます。

心臓の機能

心臓の唯一の機能は、ポンプのように血液を送り出すことです。

  • 心臓の右側の部分は、肺に血液を送り出しますが、肺では血液が通過する過程で酸素が取り込まれ、二酸化炭素が放出されます。

  • 心臓の左側の部分は、全身に向かって血液を送り出しますが、これにより全身の組織に酸素と栄養分が運ばれるとともに、全身の各所で二酸化炭素などの老廃物が血液中に取り込まれ、それらを排出する臓器(肺や腎臓など)まで運び込まれます

心臓の内部

図中の矢印は、正常な状態で血液が流れる方向を示しています。

心臓の内部

血液は以下のような経路で心臓内を流れます:全身から戻ってきた血液(酸素の濃度が低く、二酸化炭素を多く含んでいます)は、最も太い2本の静脈(上大静脈と下大静脈)を通って右心房に流れ込みます。右心室が拡張すると、右心房内の血液が三尖弁を通過して右心室に流れ込みます。右心室がほぼ満たされると、右心房が収縮することによって、右心室にさらに血液が送り込まれます。続いて右心室が収縮し、それに連動して三尖弁が閉じ、血液は肺動脈弁を通って肺動脈に送り出され、そのまま肺へと送られます。肺に入った血液は、肺胞を取り囲む小さな毛細血管の中を流れます。その過程で、血液に酸素が取り込まれ、二酸化炭素が放出されます。その二酸化炭素は息とともに体外に吐き出されます。

肺から出た酸素を豊富に含む血液は、肺静脈を通って左心房に入ります。左心室が拡張すると、左心房の中の血液が僧帽弁を通過して左心室に流れ込みます。左心室がほぼ満たされると、左心房が収縮して、左心室にさらに血液が送り込まれます。(高齢者では、左心房が収縮するまでに左心室があまり血液で満たされないため、この左心房の収縮が特に重要になります)。続いて左心室が収縮すると、それに連動して僧帽弁が閉じ、血液は大動脈弁を通過して、体内で最も太い動脈である大動脈に送り出されます。この血液によって、肺以外の全身に酸素が運び届けられます。

肺循環は、心臓の右側と肺、そして左心房を流れる回路です。

体循環は、心臓の左側と全身の大部分、そして右心房を流れる回路です。

心臓への血液供給

全身のすべての臓器と同様に、心臓もまた酸素を豊富に含んだ血液を常に必要とします。

酸素を豊富に含む血液が心臓の筋肉(心筋)に供給され、酸素を失った血液が右心房に戻るまでのプロセスは、冠循環と呼ばれる動脈と静脈からなる仕組みが担っています。

酸素を豊富に含む血液を心筋に供給する血管は、大動脈(心臓から出た直後のところ)から分岐する右冠動脈と左冠動脈です。これら2本の動脈は、さらに複数の枝に分かれて心臓に血液を供給します。心筋に送られた血液は心静脈に送られ、心臓の背面にある冠静脈洞という太い静脈に合流してから、右心房に戻されます。心臓には収縮時に大きな圧力がかかるため、冠循環を通る血流の大部分は、心拍と心拍の間に心臓が弛緩する間(拡張期)に流れます。

心臓への血液の供給

全身の他の組織と同じように、心臓の筋肉も酸素を豊富に含む血液を受け取って、老廃物を血液中に放出しなければなりません。酸素を豊富に含む血液を心筋に供給する血管は、大動脈(心臓から出た直後のところ)から分岐する右冠動脈と左冠動脈です。右冠動脈は鋭縁枝と後下行枝に枝分かれし、後下行枝は心臓の背面に位置します。左冠動脈(左冠動脈主幹部とも呼ばれます)は、回旋枝と左前下行枝に枝分かれします。老廃物を含んだ心筋からの血液は心静脈に送られ、心臓の背面にある冠静脈洞という太い静脈に合流してから、右心房に戻されます。

心臓への血液の供給

心拍の調節

心臓の筋線維の収縮は非常に規則正しく、高い精度で調節されています。心臓内の決まった経路に沿って、周期的な電気刺激(放電)が調節された速さで流れます。この電気刺激は、わずかな電流を生み出す心臓のペースメーカー部分(右心房の壁の内部にあって洞結節または洞房結節と呼ばれる小さな組織)で発生します。

心臓の電気刺激の伝導経路

洞房結節(1)で発生した電気刺激は、右心房と左心房(2)に伝わり、これらを収縮させます。電気刺激は次に房室結節(3)に伝わり、そこでわずかに遅くなります。それから、刺激はヒス束(4)という部分を下に進んで、右心室に向かう右脚(5)と左心室に向かう左脚(5)に分かれて伝わります。こうして電気刺激が心室に広がっていくことで、心室が収縮します。

心臓の電気刺激の伝導経路

心拍数(ないし脈拍数)とは、心臓が1分間に拍動する回数のことです。体が必要とする酸素の量が多くなると(運動しているときなど)、心拍数は上昇します。体が必要とする酸素の量が少なくなると(安静にしているときなど)、心拍数は低下します。

  • 交感神経系は、交感神経叢と呼ばれる神経のネットワークと、アドレナリンおよびノルアドレナリンという副腎や神経の末端部から放出されるホルモンを介して働きます。

  • 副交感神経系は、神経伝達物質のアセチルコリンを放出する1本の神経(迷走神経)を介して働きます。

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