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拘束型心筋症

(浸潤性心筋症)

執筆者:

Tisha Suboc

, MD, Rush University

最終査読/改訂年月 2019年 10月
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拘束型心筋症は、心室(心臓の下側にある2つの部屋)の壁が硬くなり(ただし厚くなるとは限りません)、心臓の収縮と収縮の間で起きる正常な血液の充満に抵抗が生じる一群の心疾患です。

  • 拘束型心筋症は、心筋に瘢痕組織が徐々に広がっていくことで発生する場合と、心筋内に異常な物質が蓄積することで発生する場合があります。

  • 息切れ、組織への体液貯留、不整脈、動悸が一般的な症状です。

  • 診断は、身体診察、心電図検査、心エコー検査、MRI検査、心筋生検、心臓カテーテル検査の結果に基づいて下されます。

  • 治療が助けにならない場合も少なからずありますが、原因に対する治療が可能な場合もあります。

心筋症とは、心臓の壁を構成する筋肉の構造と機能が障害される進行性の病気です。心筋症には主に3つの病型があります。拘束型心筋症に加えて、 拡張型心筋症 拡張型心筋症 拡張型心筋症とは、心室(心臓の下側にある2つの部屋)が広がって(拡大)、全身に必要量の血液を送り出すことができなくなり、その結果として 心不全を引き起こす一群の心筋疾患です。 拡張型心筋症の一般的な原因として、ウイルス感染と一部の内分泌疾患があります。 最初の自覚症状は、多くの場合、息切れと疲労です。 拡張型心筋症を診断するために、心電図検査、心エコー検査、MRI検査を行います。... さらに読む 拡張型心筋症 肥大型心筋症 肥大型心筋症 肥大型心筋症とは、心室(心臓の下側にある2つの部屋)の壁が厚くなって(肥大)硬くなる一群の心疾患です。 ほとんどの肥大型心筋症は、親から受け継がれた遺伝的な異常によって引き起こされます。 失神、胸痛、息切れ、動悸(不規則な心拍の自覚)が生じます。 医師は身体所見からこの病気を疑いますが、診断の確定には心エコー検査またはMRI検査が用いられます。 心臓の収縮力を低下させる薬を投与します。 さらに読む 肥大型心筋症 です(心筋症の概要 心筋症の概要 心筋症とは、心臓の壁を構成する筋肉の構造と機能が障害される進行性の病気です。 心筋症の主な病型としては、以下の3種類があります。 拡張型心筋症:心室(心臓内部の下側にある2つの部屋)が拡大(拡張)する病型 肥大型心筋症:心室の壁が厚く硬くなる病型 拘束型心筋症:心室の壁が硬くなるものの、必ずしも厚くならない病型 さらに読む 心筋症の概要 も参照)。

心筋症という用語は、ある病気が心筋に直接影響を及ぼしている場合に使用されます。冠動脈疾患や心臓弁膜症といったその他の心臓病や高血圧でも、最終的に心室の拡大と心不全が起きることがあります。しかし、このような病気によって引き起こされる心筋の異常は心筋症とはみなされません。

拘束型心筋症には2種類の基本的なタイプがあります。

  • 心筋が瘢痕組織に徐々に置き換わっていくもの。

  • 異常な物質が心筋内に蓄積していくもの。

心内膜線維弾性症のある乳児には先天性の拘束型心筋症が発生します。このまれな疾患では、左心室の内側を覆っている層に厚い線維組織の層ができます。

瘢痕化

心筋の瘢痕化は、胸部の腫瘍に対する放射線療法による損傷が原因で起こる場合があります。

異常な物質の蓄積

様々な病気の結果として、様々な物質が心臓に蓄積することがあります。蓄積した物質は、心筋の収縮や弛緩を妨げます。

症状

拘束型心筋症では、心臓が硬くなって血液が流れ込むときに抵抗が生じるものの、安静時には十分な量の血液と酸素を全身に供給できるため、安静にしていれば症状は起こらないのが通常です。一方で運動中には、より多くの血液と酸素が必要になり、硬くなった心臓では体が必要とする量の血液を十分に送り出せないため、症状が出現します。

診断

  • 心エコー検査と心臓のMRI検査

  • ときに心臓カテーテル検査と心筋生検

心不全がみられた場合、拘束型心筋症は原因の候補の1つとして疑われます。

診断は、主に身体診察、心電図検査、胸部X線検査、心エコー検査の結果を総合して下されます。心電図検査では概して心臓の電気的活動の異常が検出されますが、それらの異常は診断を確定できるほど特徴的なものではありません。

心エコー検査 心エコー検査とその他の超音波検査 超音波検査では、周波数の高い超音波を内部の構造に当てて跳ね返ってきた反射波を利用して動画を生成します。この検査ではX線を使いません。心臓の超音波検査(心エコー検査)は、優れた画像が得られることに加えて、以下の理由から、心疾患の診断に最もよく用いられる検査法の1つになっています。 非侵襲的である 害がない 比較的安価である 広く利用できる さらに読む 心エコー検査とその他の超音波検査 では、心房が拡大していることと、心臓が収縮している間(収縮期)だけ心機能が正常であることが確認できます。 MRI検査 心臓のMRI(磁気共鳴画像)検査 MRI検査では、強力な磁場と電磁波を用いて心臓と胸部の詳細な画像を描き出します。この高価で複雑な検査法は、主に複雑な先天性の心疾患の診断や正常組織と異常組織の識別のために用いられます。 MRI検査には短所もあります。MRI検査では、 CT検査よりも画像の生成に時間がかかります。また心臓の拍動による影響を受けやすいため、MRI画像はCT画像よりも不鮮明になります。ただし、新しい方式のMRI検査(心電図同期MRI)では、心電図の特定部分にタ... さらに読む では、鉄分やアミロイドなどの異常な物質の蓄積や浸潤に基づく心筋の異常を画像で検出できます。 心臓の核医学検査 心臓の核医学検査 核医学検査では、微量の放射性物質(トレーサー)を静脈に注射します。核医学検査の際に受ける放射線の量はごくわずかです。トレーサーはガンマ線を放出し、これをガンマカメラという特殊なカメラで検出します。得られた情報をコンピュータで解析し、組織に取り込まれた放射性物質の量の違いを示した画像を生成します。 心臓の核医学検査は、原因不明の 胸痛を診断する際に特に有用です。冠動脈が狭窄している場合、核医学検査を行って、その狭窄が心臓の血液供給と機能に... さらに読む などの他の画像検査法が役立つこともあります。

しかし、半数以上の症例では、拘束型心筋症の具体的な原因は見つかりません(特発性拘束型心筋症)。

治療

  • 拘束型心筋症の原因になっている病気の治療

ときに、拘束型心筋症の原因になっている病気を治療することで、心臓の損傷が悪化するのを防ぎ、さらには部分的な改善が得られることがあります。例えば、鉄過剰症の患者では、一定の間隔を置きながら定期的に血液を抜くことで、体内にたまった鉄分を減らすことができます。サルコイドーシスの患者では、コルチコステロイドの使用によって肉芽腫を消失させることができます。コルチコステロイドは、好酸球が浸潤する病気にも有用となる可能性があります。ある種の アミロイドーシス 治療 アミロイドーシスは、異常に折りたたまれたタンパク質がアミロイド線維を形成し、様々な組織や器官に蓄積して臓器が正常に機能しなくなり、臓器不全や死に至ることもあるまれな病気です。 アミロイドーシスの症状と重症度は、どの重要臓器が影響を受けるかによって異なります。 組織サンプル(生検サンプル)を採取し、顕微鏡で検査することにより、診断を確定しま... さらに読む 治療 が引き起こす症状の軽減や管理に使用される薬が役立つこともあります。しかし、多くの拘束型心筋症には特別な治療法がありません。

生存期間は原因によって異なりますが、しばしば診断が大幅に遅れるため、予後は一般的に不良です。

ほとんどの場合、治療を行ってもあまり助けになりません。例えば、心不全の治療によく使用される利尿薬は、煩わしい脚のむくみや息切れに有効です。しかし、同時に心臓に流入する血液量を減らすことにもなるため、この種の薬は拘束型心筋症を改善どころか悪化させる可能性があります。

心臓の負担を軽減するために心不全に対して一般的に使用されているアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などの薬は、血圧を下げすぎてしまうため、通常は役に立ちません。血圧が下がりすぎると、全身に十分な量の血液が供給されなくなります。

同様に、ジゴキシンも通常は役に立たず、ときに有害となります。ベータ遮断薬は、拘束型心筋症の人では忍容性が低く、生存期間を改善する効果は示されていません。

頻脈や不整脈がみられる人では、症状を予防または軽減するため、抗不整脈薬を投与することがあります。

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