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血精液症

執筆者:

Anuja P. Shah

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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血精液症(精液中に精子とともに血液が混入すること)は、不安にさせる症状ですが、通常は重篤な異常の徴候ではありません。血精液症は、通常はがんの徴候ではなく、性機能にも影響を及ぼしません。

精液は、精巣上体からの精子と精嚢、前立腺、小さな粘液腺(精子に栄養を与える体液を供給する)からの体液で構成されています。そのため、これらの構造のいずれかが損傷すれば血液の混入が起こる可能性があります。(尿路症状の概要も参照のこと。)

原因

血精液症がみられる状況で最も多いのは以下のものです。

  • 特発性:すなわち警告となる徴候なしに発生し、原因を特定できないケース

このようなケースでは、数日から数カ月間で自然に解消されます。

最も一般的な原因は以下のものです。

前立腺の生検後には数週間にわたって出血が続く可能性があります。また出血は、精管切除術後の1~2週間にも起こる可能性があります。

あまり一般的でない原因としては、前立腺肥大症(前立腺が大きくなる良性の病気)、感染症(前立腺炎尿道炎精巣上体炎など)、前立腺がん(35~40歳以上の男性)などがあります。ときに、精嚢や精巣に腫瘍がある場合に血精液症がみられることがあります。尿道または精管(精巣と尿道をつなぐ管)に異常な血管のかたまり(血管腫)があると、精液中に多量の血液が混ざる場合があります。

ビルハルツ住血吸虫 Schistosoma haematobiumは、アフリカおよびインドと中東の一部で広く感染症を引き起こしている寄生虫で、尿路に侵入して、血尿やしばしば精液への血液の混入を引き起こすことがあります。これらの地域に滞在したことがない男性では、住血吸虫症の可能性は低くなります。結核によって血精液症が起こる場合もあります。

評価

血精液症は不安にさせる症状ですが、通常は重篤なものではなく、直ちに診察を受ける必要はありません。以下では、どのようなときに医師の診察を受ける必要があるか、また受けた場合に何が行われるかについて説明しています。

警戒すべき徴候

特定の症状や特徴に注意が必要です。具体的には以下のものがあります。

  • 1カ月以上持続する出血(前立腺生検を最近受けた場合は除く)

  • 陰嚢内に触れることのできるしこり

  • 住血吸虫症の流行地域への旅行

受診のタイミング

警戒すべき徴候がみられる男性は、医師の診察を受ける必要があります。時期は重要ではなく、1週間程度の遅れは問題になりません。警戒すべき徴候がなく、年齢が35歳未満の場合は、陰嚢の痛みや鼠径部の痛みまたは排尿時の痛みなどの他の症状がなければ、医師の診察は必要ありません。警戒すべき徴候がなく、年齢が35歳以上の場合は、数週間内に医師の診察を受ける必要があります。

医師が行うこと

医師はまず、症状と病歴について質問します。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、血液混入の原因と必要になる検査を推測することができます。

医師は以下のことを質問します。

  • 最初に血液に気づいたのはいつか

  • 前立腺の生検を最近受けたかどうか

  • 尿路感染症を示唆している可能性がある何らかの症状があるか(血尿、排尿の開始または中止が困難、排尿時の灼熱感、陰茎からの分泌物など)

  • 過度の出血傾向があるか、あるいは出血を引き起こす病気があるか

  • 前立腺の病気はあるか(前立腺肥大症など)

診察では、性器の発赤、しこり、圧痛がないかを調べます。直腸指診を行い、前立腺の肥大、圧痛、しこりがないかを調べます。

しばしば、病歴聴取と診察を行うだけで、可能性の高い原因を判断することができます。例えば、以下のような情報は手がかりを与えてくれます。直腸指診で前立腺の異常がみつかった場合、前立腺がん前立腺肥大症前立腺炎など前立腺の病気がある可能性が高くなります。尿道の分泌物が認められる男性であれば、多くの場合、尿道炎によるものです。精巣上体に圧痛があれば、精巣上体炎の可能性が高くなります。しかし、このような異常があっても、必ずしもそれが血精液症の原因とは限りません。例えば、ほとんどの高齢男性には前立腺肥大症がありますが、そのうち血精液症がみられる人はごくわずかです。

出血の持続期間が1カ月未満で、住血吸虫症の流行地域に行ったことがなく、警戒すべき徴候や検査での異常が認められない場合は、原因を特定できないのが通常です。

検査

ほとんどの場合、特に35~40歳未満の場合や前立腺の生検を最近受けた男性では、血精液症は重篤ではなく、自然に消失します。通常は尿検査尿培養検査を行います。さらなる検査は、感染症やその他の病気を示唆する泌尿器症状がない限り、通常は必要ありません。しかし、重篤化する可能性がある特定の病気が疑われる場合は、さらに検査が行われ、例えば、40歳以上の男性には前立腺がんの検査を広く行っている医師もいます。

具体的な検査としては、前立腺特異抗原(PSA)検査や経直腸的超音波検査などがあります。ときに、MRI(磁気共鳴画像)検査と膀胱鏡検査(柔軟性のある観察用の細い管状の機器を尿道から挿入し、尿道と膀胱の内部を調べる検査)が必要になります。精液の観察と分析はまれにしか行われません。

治療

原因が判明している場合は、原因の治療を行います。しばしば治療は不要の場合もあり、血液は自然に消失します。

要点

  • ほとんどの場合、出血の原因は特定できないか、前立腺の生検後に起きた出血です。

  • 血精液症は、通常はがんの徴候ではなく、性機能にも影響を及ぼしません。

  • より詳細な評価が必要になるのは、症状が1カ月以上続いている男性、40歳以上の男性、異常な所見がみつかった男性などです。

  • アフリカ、インド、中東の一部に旅行した男性では、住血吸虫症の検査が必要になることがあります。

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