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無症候性タンパク尿・血尿症候群

執筆者:

Navin Jaipaul

, MD, MHS, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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無症候性タンパク尿・血尿症候群は、糸球体(小さな穴が多数あいた微細な血管でできた球状の腎組織で、それらの穴を通して血液がろ過されます)が侵される病気の結果として発生します。少量のタンパクと血液が持続的ないし断続的に尿中に漏れ出すのが特徴です。

糸球体疾患の概要も参照のこと。)

健診の尿検査において、症状が何もみられない人の尿中に少量のタンパク(タンパク尿)や血液(血尿)が検出されることがあります。尿中に赤血球の尿円柱(赤血球が凝集したもの)や異常な形状をした赤血球が認められれば、尿中で検出された血液は糸球体から漏れ出たものであることが疑われます。最近発生してまだ診断されていない腎炎(腎臓の炎症)からの回復期に尿円柱やタンパク尿が認められることもあり、このような状況が疑われる場合には、その後の数週間から数カ月間にわたって異常が解消されたことを再確認するだけで十分です。

赤血球(特に尿円柱)やタンパク尿が依然として認められる場合、その原因は通常、次の3つの病気のいずれかです。

  • IgA(免疫グロブリンA)腎症:これは腎臓に免疫複合体(抗体と抗原が結合したもの)が沈着することによって引き起こされる糸球体腎炎の一種で、極めて軽度で進行しない場合もあれば、重症化して腎不全(腎機能のほとんどが失われた病態)に進展する場合もあります。

  • 遺伝性腎炎(アルポート症候群):重症化して腎不全に進展することもある進行性の病気で、聴覚や視覚が損なわれる可能性があります。

  • 菲薄基底膜病(良性家族性血尿):この遺伝性の病気は、基底膜と呼ばれる糸球体の一部分が薄くなることによって引き起こされます。

菲薄基底膜病により、尿中に赤血球がみられる傾向がありますが、タンパクの排泄量はIgA腎症や遺伝性腎炎と比較して少なく、赤血球の尿円柱は排泄されない場合があります。この病気は軽度で非進行性の経過をたどります。通常は腎生検で診断できます。しかし、治療可能な病気が発見される可能性がほとんどないため、腎生検はめったに行われません。

無症候性タンパク尿・血尿症候群の人には通常、年1~2回の間隔で身体診察と尿検査を受けることが勧められます。尿中のタンパクや血液の量が際立って増えた場合や、特定の病気の発生を疑わせる症状が認められる場合には、より詳細な検査が行われます。無症候性タンパク尿・血尿症候群が悪化することはほとんどなく、同じ状態がいつまでも続く場合もあります。

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